経済危機と構造改革のツボ
 藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

第七章  新しい日本の設計図は私たちが描く

問題山積の日本を変えて行くには私たちが大きな声をあげなければなりません。これからの日本は官僚支配から脱却し、少子高齢化の人口構成に適した小さな政府を創りあげることが急務です。新しい日本の設計図を一緒に描こうではありませんか。

061 官僚支配からの脱却が最重要課題

戦後日本の高度成長期には存分に能力を発揮して、日本躍進の環境整備を推進したのは日本の官僚たちでした。戦後の貧しい時代は産業を伸ばそうとしても、色々な面で産業の基盤整備が出来ていませんでした。また政府も貧しく、とても税金で旺盛な要求に応えることは不可能でした。

そこで官僚たちは頭を使って次々と良い知恵を出しました。例えば道路公団を設立し、当時誰もが考えたこともなかった税金を使わない道路建設として有料道路方式を導入し、名神・東名で大成功を収めました。また道路特定財源を考えて自動車税やガソリン税を徴収し道路建設の財源にして、舗装されていないデコボコ道だらけだった日本の道路を急速に整備することにも成功しました。

全国に張り巡らせた郵便局を活用して、国民から郵貯・簡保の金をかき集めて、それを大蔵省資金運用部で一括管理して税金の他に財政投融資という名目で多くの特殊法人にお金を流して、税金ではとうてい賄えない国家事業を推し進めるなど、日本経済が躍進するための基盤作りに大いなる貢献をしました。

また当時の通産省などは産業界と一体になって日の丸半導体の開発に力を注ぐなど、官民一体となった産業振興にはアメリカなどから日本株式会社と非難されたものです。日本が世界第二の経済大国になった陰に官僚の大きな力があったことは正直に認めなければなりません。

ところが日本経済が急速に成長するに従って、巨額の資金が官僚の手に集まり、民間にも実力が備わってくるともはやすることが無くなってきました。しかし「予算は最大限獲得する」「獲得した予算は余さず使い切る」ことが習性の官僚は、どんどん資金の無駄使いを始めました。

そして公金を注入することにより特殊法人やそのファミリー企業、公益法人やそれをとりまく団体などを野放図に増加させ、官僚の天下り先として確保したのです。このような団体が放漫経営の根源となって税金や私たちの貯金、年金を食いつぶす金食い虫として財政破綻を加速させています。

さらに悪いことに、前例を重んじ、体面と自己保身が本能的に働く官僚は時代の大きな変化に対して抵抗勢力となり、問題先送りの連続で不良債権問題などを深刻な状況にしてしまいました。

いまや国と地方自治体の借金は七百二十兆円にも達し、このほかに郵貯・簡保や年金からの借金を勘定に加えると一千兆円を超える巨大な額に上っています。今度は官僚が今まで隠し続けてきた官の世界における不良債権が顕在化する番です。このように肥大化した官僚支配から脱却しなければ日本の将来はありません。


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