経済危機と構造改革のツボ
 藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

第六章 三位一体改革では病根を取り除けない

国による地方支配の構図で多くの税金が浪費されています。徴税権を地方に持たせた、あたかも独立国のような運営にするくらいの地方分権を推進しなければなりません。その上で国家・地方公務員を半減するという目標をかかげて、行政の効率化を徹底的に推進しなければなりません。三位一体改革では生ぬるいのです。

057 平成の市町村大合併

前の節で述べたような弊害を防ぐために平成の市町村大合併が進行中です。

地方自治体の持つ問題の第一はその数が多いことです。地方行政の効率の面からも、また有能な人材確保の面からも三千を超える地方自治体の数は多すぎます。

既得権益を守りたい中央官僚の抵抗で、議論ばかりで一向に進まない地方への財源と権限の移譲に比較して、地方自治体の合理化には、自分の腹は少しも痛まない中央官僚により強力な「アメとムチ」作戦で進められています。その最大の作戦が市町村の大合併です。現在三千を少し超える市町村の数を平成十七年までに千程度にまで削減しようとする案です。

合併する市町村に対しては様々な優遇策が与えられます。その目玉は合併後十年間、新しい施設を建てるときに、費用の九十五%まで特例債(借金)が認められ、そして借金の七十%まで地方交付税が支給されると言うものです。皆さんの住宅ローンにたとえれば、頭金五%を準備すれば後は銀行ローンが容易に組めて、しかも借金の七十%は国が後で支払ってくれることになります。親方日の丸の中央官僚は実に気前が良いと感心します。しかし箱物での税金の無駄使いに一向に反省の色もないのは困ったことです。

そして合併をしない市町村に対しては、小さな自治体に厚く配分されてきた地方交付税の配分率を見直し、段階的に地方交付税を削減しようとしています。つまり中央官僚の言うことを聞かない地方自治体には兵糧攻めが待っているわけです。このような施策で一段と中央の力が強くなってゆきます。 地方分権のように見えて、実は巧妙な総務省官僚による権限の拡大がそこにはあります。


前の頁>現在の頁<次の頁

WEB管理人 藤原雄一郎 fuji@inox-tabi.com
Copyright (C) 2004 iNOX Media Mix All Rights Reserved.