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第五章 年金制度はすでに破綻している
あなた自身の「定年後の生活設計」を真剣に考えて厳しい現実と直面することから年金問題を論じる必要があります。少子高齢化社会が定着し、現役世代が年金世代の面倒を見る方式は完全に破綻しています。またこの方式は年金官僚のムダ使いを許して来ました。もう時間的猶予はありません。少子高齢化時代に適応する新しい制度の確立が急務です。
044 経済界も猛然と物を言い始めた
今回の年金改正で負担が増加する企業側は猛然と物を言い始めました。経団連と並ぶ影響力をもつ経済同友会では「今回の年金改正で日本の人件費が高くなって競争力を失う恐れがあるので、実力のある企業は日本から脱出する」と必死になって警告しています。
そして警告するだけでなく、経済同友会自らが新しい年金制度を提案し始めました。その心は企業負担を減らすことに重点がおかれていますが、考えかた自体は傾聴に値するものを持っています。
その前に経済同友会の言い分を聞いてみましょう。
日本は世界一人件費が高いにもかかわらず、厚生年金をはじめとして福祉にかかわる費用がいつのまにか法人税よりも高くなっています。いままでこの分野については人事とか勤労関係者のみが取り扱っていて経営者は全く無頓着でした。ところがこの事実に経営者が注目し始めました。
経営者が注目すると、今まで聖域であった福祉関係部門にも、通常のコスト低減と同じ思想が働きます。この辺の状況は実際に企業を経営した経験のある私にとって実に良く理解出来ます。するとどうなるでしょうか?
昨今の経済界は国境が無くなって、人・物・金の経営資源が効率的運営を目指して世界を駆けめぐります。当然のこととして、企業は人件費を極限まで下げる努力をするために、ただでさえ空洞化が進んでいる工場の海外移転に拍車がかかります。
さらには本社機構まで海外に移転する企業も現れると経済同友会は脅かしています。同時に国内での雇用を確保するにも、現状では厚生年金負担の対象となっていないパートやアルバイトを多用し、決して正社員を増やすことはしないとまで断言しています。
企業が本気になれば、実現してしまうのが恐ろしいところです。企業が総力をあげて考え始めると色々な抜け道が出来てきます。そしてますます厚生年金の空洞化が進みます。何とか制度を変えなければなりません。
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