経済危機と構造改革のツボ
 藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

第五章 年金制度はすでに破綻している

あなた自身の「定年後の生活設計」を真剣に考えて厳しい現実と直面することから年金問題を論じる必要があります。少子高齢化社会が定着し、現役世代が年金世代の面倒を見る方式は完全に破綻しています。またこの方式は年金官僚のムダ使いを許して来ました。もう時間的猶予はありません。少子高齢化時代に適応する新しい制度の確立が急務です。

043 法人税より高い厚生年金負担で企業も悲鳴

国の収入である税収約四十一兆円の内訳をご存じでしょうか。平成十五年の数値を確認して見ましょう。

所得税が約十四兆円、法人税が九兆円、消費税も九兆円強です。これが大口御三家で合計約三十二兆円になります。そのほかの大口は酒税とガソリン税がそれぞれ二兆円近くであとの税収は一兆円未満です。

一方厚生年金の保険料は約二十兆円で労資折半の負担ですから私たちが十兆円、企業が十兆円負担していることになります。この企業負担十兆円は法人税より多い金額になっています。また法人税は企業の業績が悪く赤字の場合は徴収されませんが、保険料は赤字の有無にかかわらず徴収されるだけに、企業にとって重荷となっています。

このことに気がついている企業は、今回の年金改正で給料の十八・三%まで負担が増えると現状負担より三十五%も増加になるものですから、経団連あたりは猛反対しましたが結局押し切られました。

これほどまでに年金負担が多くなってくると企業の人件費削減への気持ちが強くなって来ます。より一層正社員を減らしパートを活用する機運が増してくることでしょう。今回は決定しませんでしたが、パートの厚生年金加入条件を厳しくしてパートからも厚生年金を徴収しようとの動きはますます強まることでしょうが、外食産業などパート比率の高い企業から猛反対の抵抗があることでしょう。

また国民年金は保険金を支払わない人が四割を占めるようになっていますが、強制的に徴収される厚生年金にも密かに空洞化の波が押し寄せています。それは主として中小企業ですが、厚生年金の企業負担に耐えきれず、廃業して従業員が居なくなったと「全喪届」を提出して厚生年金を支払わず、従業員には国民年金に加入してもらう企業が後を絶たないそうです。

このような企業も失業保険には加入していますので、失業保険と厚生年金を一元的に管理すれば容易に見破ることが可能ですがお役所仕事とはこのようなものです。

厚生年金は法人形態なら従業員が一人でも加入義務がありますが、新しく設立された法人で厚生年金に加入する事業者は一割にも満たない状況です。


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