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第五章 年金制度はすでに破綻している
あなた自身の「定年後の生活設計」を真剣に考えて厳しい現実と直面することから年金問題を論じる必要があります。少子高齢化社会が定着し、現役世代が年金世代の面倒を見る方式は完全に破綻しています。またこの方式は年金官僚のムダ使いを許して来ました。もう時間的猶予はありません。少子高齢化時代に適応する新しい制度の確立が急務です。
042 代行返上 企業は一足お先に制度改正へ
平成十四年から平成十五年にかけて、日本株に代行返上と持ち合い解消の嵐が吹きすさび、十五年三月には日経平均七千円台の大暴落を経験しました。米国の株式関係者にまで「ダイコウヘンジョウ」の言葉が知れ渡りましたが代行返上とは一体何でしょうか。
それは厚生年金の資金を企業が国に変わり運用することです。高度成長期の右肩上がりの時代には、株価は必ず上昇するとの神話がありました。そこで企業は国とあらかじめ運用益の額を決めておき、企業が実際に国との約束以上の運用益を上げた場合はその利益を厚生年金基金として活用し、三回建て部分の企業年金の原資として活用していました。
ところが株価低迷と低金利時代が長く続くと、国と約束した運用益はとても達成できないどころか逆ざやが生じて来ます。たまりかねた企業は続々と代行業務を返上して負担を減らす行動に出ました。代行部分は多くが株式運用されていましたから、代行を返上するには一旦保有株式を売却し現金で国に返却しなければなりません。
おかげで株価が低迷している上に代行返上による株式売却の圧力が加わり、日本経済は打撃を受けました。代行返上と同時に厚生年金基金も解散しなければならず、企業年金部分に大きな問題が生じました。
また企業年金の多くは代行をするしないにかかわらず年金の支給額を約束する「確定給付型年金」ですから、株価下落と低金利時代には容易に約束した利率を確保出来ず苦しんでいます。そして代行返上を契機に厚生年金基金を解散し「確定拠出型年金」に抜本的改正を行った会社や、代行返上をしない会社でも「確定拠出型年金」に移行しつつあります。
この「確定拠出型年金」とは従業員が積み立てる年金を、その運用益を保証することなく、現実に運用した結果をそのまま年金として還元するしくみです。401Kなどと言う言葉は「確定拠出型年金」を示しています。企業では時代の変革に合わせて制度の改革が着々と進んでいます。
もっとも企業の場合は組合も「企業の存続あっての組合」の立場を取ることが多いので、企業の存続が危ないと言えば、大部分の従業員は泣き寝入りですから、時代の要請に合わせた制度の改革もやりやすいのでしょうが、抜本的改革へ着実に進行していることは事実です。
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