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第四章 郵政民営化は本当に必要か
今まで述べてきたように官僚が国費のムダ使いをすることができた理由の一つに「郵貯・簡保がお役人の財布」であったことを指摘するむきがあります。郵政民営化が本当に必要なのか?民営化を契機にお役人の失政をつつみ隠してしまうのではないか?そのような不安さえ覚えます。
038 郵政公社は民営化の必要なし
郵政民営化の重大使命は「放漫経営の特殊法人へ流れるお金の遮断」だったはずです。しかしそれは2001年から財政投融資の仕組みが大きく変わり、2008年度には完全に新方式に移行完了する計画です。
2008年からは「郵貯・簡保の資金が自動的に特殊法人等に流れる」方式から「特殊法人等は広く一般から資金調達する」方式に完全に変わります。この時点で郵貯・簡保の使命は終わったのです。
それにも関わらず郵貯・簡保が存続すると、郵政公社は莫大な資金を自主運営しなければならなくなります。素人の郵政公社にとっては至難の業です。このこと自体は民営化しようとすまいと、郵政公社にとって大きな課題です。
素人がいきなりプロの世界で勝負して傷口を大きくするよりは、郵政公社のままで、次第に郵貯・簡保の規模を縮小するのが一番の策だと思います。意図して規模を縮小しようと思わなくても、必然的にお金が集まらなくなります。
なぜなら従来のように放漫経営の特殊法人から高い金利を得るような殿様商売が出来なくなれば、必然的に国債購入に頼らざるを得ません。そうすれば金利の魅力も無くなり、郵貯より有利な民間銀行に資金が流れるのは止められません。事実あれほど人気のあった定額預金も低金利の昨今では全く魅力がなくなっています。これから景気が回復して大量に保有している国債に含み損が出てくれば、ますます郵貯の金利は下がらざるを得ません。このような理由で郵便貯金は毎年減少し続けています。
恐ろしいのは民営化することにより、制限が無くなり、「武家の商法」で新しい分野に乗り出し、かえって傷口を広げることです。官僚は必死になって民営化後の新会社への影響力を保持する道を確保します。その見返りとして赤字補填のために公的資金の注入の道も残して、特殊法人そのままの放漫経営を続けることが可能な会社に執念を持って仕上げることでしょう。
損益を考える習性の無い官僚には民間会社の経営は無理です。それよりはおとなしく郵政公社のまま存続させ、規模が自然に小さくなるのを待つほうが、国民にとっては被害が少なくなると思います。
繰り返しますが、特殊法人へ資金を提供するシステムはすでに変更され、郵貯・簡保はその使命を終わりました。ここで無理をしてさらに失敗を重ね、私たちの税金を注入することはいいかげんにやめて欲しいと思います。
結論として言えば、郵政公社のままで、損益などの情報を公開し、独立採算制を維持すれば、従来の特別会計での伏魔殿経営から一歩も二歩も前進だと思います。郵政公社は郵便事業を除き、次第に規模を縮小し、やがては消え去るべきです。郵政民営化の必要は全くありません。
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