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第四章 郵政民営化は本当に必要か
今まで述べてきたように官僚が国費のムダ使いをすることができた理由の一つに「郵貯・簡保がお役人の財布」であったことを指摘するむきがあります。郵政民営化が本当に必要なのか?民営化を契機にお役人の失政をつつみ隠してしまうのではないか?そのような不安さえ覚えます。
036 郵貯・簡保資金の七十五%は不良債権に
文藝春秋2003年五月号「特殊法人不良債権の実態」では郵貯・簡保が特殊法人や地方自治体へ融資して三百五十七兆円のうち二百六十七兆円が不良債権化していると指摘しています。なんと私たちの預けたお金の七十五%という恐ろしい数字ですが特殊法人の放漫経営ぶりを見ていると納得出来る数字です。
この本の中で慶應義塾大学の土居助教授はさらに具体的に指摘しています。
デフレの時代に「ゆとり返済ローン」という甘い罠をしかけ、多くの国民を自己破産に追いやったと批判の強い住宅金融公庫は毎年四千億円の税金投入がありながら、二千億円近い債務超過(資産をすべて売り払って返済してもこれだけ不足するという額を債務超過といいます)であると言っています。他にも土居助教授は中小企業金融公庫や国民生活金融公庫も債務超過であると指摘しています。
道路公団民営化推進委員会で有名になったマッキンゼーの川本祐子氏は中小企業金融公庫の貸出額六千三百億円の八%、国民生活金融公庫の十%は不良債権化していると指摘しています。この数値を見れば債務超過状態にあるとの土居氏の指摘もうなずけます。(東洋経済2004年三月六日号)
特に国民金融公庫は無担保の貸し付けが八十二%と飛び抜けて高い水準にありますから焦げ付くのも無理はありません。銀行の貸し渋り対策として百五十兆円(国家予算の二倍近い数字ですよ)も貸し出した政府系金融機関の不良債権を政府はUFJ銀行並の厳しさで明確にしようとはしません。
当然債務超過になれば貸したお金は返ってきません。私たちが預けた郵貯・簡保のお金の七十五%もが焦げ付いてしまいます。しかし国民の皆さんに心配は全く無いのです。郵貯・簡保のお金は政府が保証していますから焦げ付くことは絶対にありません。元金も利子も無事に皆さんの手元に返ってきます。
そうするとこの後始末は一体誰がするのでしょうか?お金が天から降って来るわけでもありませんから、当然これも国民の皆さんです。回り回って税金で尻ぬぐいするしか方法はありません。国やお役人のすることは全く金銭感覚がありませんからこのようなことになります。
増税を続けながら、損失を小出しにする政府のやりかたをやめさせて、ここらで政治家と官僚による不始末の総額を国民の前に情報開示させなければならないと痛切に感じています。
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