経済危機と構造改革のツボ
 藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

第四章 郵政民営化は本当に必要か

今まで述べてきたように官僚が国費のムダ使いをすることができた理由の一つに「郵貯・簡保がお役人の財布」であったことを指摘するむきがあります。郵政民営化が本当に必要なのか?民営化を契機にお役人の失政をつつみ隠してしまうのではないか?そのような不安さえ覚えます。

035 「特殊法人改革は官僚の焼け太り」で郵貯のお金は大丈夫?

小泉首相が声高に叫んだ特殊法人改革は全くの骨抜きで終わりました。「一番難しいところを成功させれば他はそれにならう」と道路公団民営化に小泉首相は力を入れましたが、終わってみればムダな道路の建設は少しも削減されることなく、道路族の国会議員の先生方は涼しい顔をしています。

また大物の道路公団民営化の陰に隠れて、多数の特殊法人は確かに姿を消しました。しかしながらそれは独立行政法人と名前を変えただけで、かえってムダ使いの自由度が増えるだけといえます。

その証拠に特殊法人から独立行政法人への移行過程で、会社で言えば役員にあたる理事の数を七十六から百四十へと倍増させています。また特殊法人から衣替えした独立行政法人のうち大半の法人の職員の平均年収が国家公務員の年収水準を上回っていることが明らかになっています。

具体的には特殊法人から衣替えした33法人のうち3分の2を占める21法人が2割超、うち3法人は3割を超えていて、給与水準の高さが際立っています。まさに焼け太り以外の何物でもありません。このようなことが許されて良いのでしょうか。

お金の使い方に対する監視の目が比較的厳しい特殊法人ですら、毎年五兆円の税金を投入してきました。特殊法人改革のどさくさに紛れて、より監視の目がゆるやかで、お金の使い方が自由な独立行政法人への衣替えはかえって改革というよりは改悪ではないでしょうか。「名前を変えて追求の手から逃れる」お役人の得意技にまたしてもやられました。

郵貯・簡保の貸出先がこのような放漫経営で、「特殊法人に貸し出したお金が利息を上回る利益を生み出します。官僚のやることは健全です。」と言われても信じることは出来ません。このようなお役人の放漫経営が今後も続くとすれば、郵貯・簡保のお金ははたして大丈夫なのでしょうか。


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