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第四章 郵政民営化は本当に必要か
今まで述べてきたように官僚が国費のムダ使いをすることができた理由の一つに「郵貯・簡保がお役人の財布」であったことを指摘するむきがあります。郵政民営化が本当に必要なのか?民営化を契機にお役人の失政をつつみ隠してしまうのではないか?そのような不安さえ覚えます。
034 郵貯の自主運営は果たして可能か
すでに述べましたように2001年から財政投融資の仕組みが変更となり、2008年には郵貯・簡保のお金は、民間の銀行と同じように完全な自主運営になります。
郵貯・簡保資金は一部株式運用されています。しかし郵政公社には専門家はいませんから専門家に高い手数料を支払って運用依託しています。ところが初年度の2001年度には約十兆円を株式運用して一年間で何と七兆五千億円もの含み損を出してしまいました。
さすがにその後の株価の上昇で取り返していますが、一説には簡保は日経平均一万八千円、郵貯は一万六千円を超えない限り含み損は消えないと言われています。それにもかかわらず、株式運用を委託した信託会社には年間で百億円を超す多額の報酬を支払ったと言います。
このような弱体な組織で莫大な金額を自主運営することはほとんど不可能ではないでしょうか。また長い歴史を誇る民間の銀行ですら、百兆円を超す不良債権を出しました。銀行業界には激震が走り、現存するメガバンクの元の銀行の名前を言うことが出来る人はいないくらいの変貌ぶりです。このような厳しい貸し出しに関する経験は郵政公社には皆無です。従って仮に民営化したとしても大きな課題が残ります。
そのような訳で現在の郵政公社は国債の引き受け手となっています。郵貯・簡保の総資産約三百五十兆円のうち百五十兆円は国債になっています。今後とも政府の借金の引き受け手として郵政公社が位置づけられるのでしょうか。
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