経済危機と構造改革のツボ
 藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

第四章 郵政民営化は本当に必要か

今まで述べてきたように官僚が国費のムダ使いをすることができた理由の一つに「郵貯・簡保がお役人の財布」であったことを指摘するむきがあります。郵政民営化が本当に必要なのか?民営化を契機にお役人の失政をつつみ隠してしまうのではないか?そのような不安さえ覚えます。

033 郵貯の利子は誰がはらうの

理論的には郵貯・簡保のお金は財政投融資として特殊法人に流れ、特殊法人はその資金を活用して事業を行い、その利益で高い利子を郵貯・簡保に払うことになっています。

しかし特殊法人等の財政投融資を受けた事業体が健全経営で利益を出していれば全く問題はありませんが、その特殊法人には年間五兆円もの税金が投入されていました。 この金額のすべてが特殊法人の放漫経営の尻ぬぐいとしての赤字補填とはいいませんが、かなりの額が税金で補填されていたことは確かです。

たとえば住宅金融公庫が民間銀行より有利な条件が出せたのも毎年四千億円の税金の注入があったからこそですし、民間ならとっくに破綻していた本四公団の莫大な赤字に対して一兆五千億円もの税金投入で尻ぬぐいされたことを忘れてはいけません。

結局郵貯や簡保が安全で元金も利子もキチンと確保されるという安心感は「不良債権が発生しても、特殊法人の放漫経営で利払いが危うくなっても、税金で補填される」ことにあるのです。

また一時期には十年たてば預けたお金が倍になってかえってくると人気絶頂であって定額預金もこのような「親方日の丸」の状態であったからこそ可能であったと、言う人もいますが、このような考え方を否定できないのは財政投融資の仕組みを理解すればわかることです。

郵政公社で現在郵貯が利益の源泉になっているのは、高金利時代に貸し付けたお金にたくさんの利子がついているからです。2003年度の運用益約四兆五千億円の八十%は財政投融資からの利息である事実をしっかりと認識しなければなりません。

結局郵貯の利子は私たちの税金でまかなわれていると言えます。


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