|
第四章 郵政民営化は本当に必要か
今まで述べてきたように官僚が国費のムダ使いをすることができた理由の一つに「郵貯・簡保がお役人の財布」であったことを指摘するむきがあります。郵政民営化が本当に必要なのか?民営化を契機にお役人の失政をつつみ隠してしまうのではないか?そのような不安さえ覚えます。
032 郵貯・簡保は役人の財布
さてこのへんで少しおさらいをして見ましょう。無味乾燥ではありますが、ポイントになる数字を頭に入れてください。あまりに巨額すぎて現実離れしてピンと来ませんが。
年によって変動がありますが国の予算である一般会計予算は八十兆円程度です。そして地方の予算の総計は八十五兆円程度です。それに対して郵貯の資産は二百三十兆円程度、簡保は百二十兆円という巨大な額になっています。
さらに国と地方の借金総額は千兆円近くに達しています。本章を読み進むに当たり、これだけの数字は是非頭に入れておいてください。
役人はお金を集めてくる天才だと言いました。その一つが郵貯や簡保です。郵貯・簡保で集めたお金は役人の財布になっていることを皆さんはご存じでしたか。今でこそ制度が変更されていますが、郵貯・簡保は郵便局の窓口でお金を集めるだけの役割しかしていませんでした。
そして集めた膨大な資金は旧大蔵省資金運用部というところに集約されて、これが官僚の財布として特殊法人に流れる仕組みになっていました。この仕組みを財政投融資といいます。小泉首相が「特殊法人改革の入り口が郵政民営化で出口が道路公団民営化である」と叫んでいた理由はここにあります。
しかし特殊法人への資金の流れを変えるという改革はすでに実施されています。旧大蔵省資金運用部に郵貯・簡保・年金のお金を集める仕組みはすでに廃止になっています。2001年以降、七年の年月をかけて財政投融資に必要なお金は広く一般から財投機関債として集めることになりました。
郵政公社には2008年からは「資金の完全自主運営」という高いハードルが待ちかまえています。
|