経済危機と構造改革のツボ
 藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

第二章 財政破綻にまっしぐら

いつか近い将来に「財政破綻が現実となり、日本は大混乱におちいる」と思っている人は大勢いますが、その実体が想像できません。まずは現実と直面することが大切です。実態を知ることから始めましょう。

016 財政破綻は円安を招く

アメリカは膨大な赤字を抱える借金大国です。かつて通貨不安が東南アジアを襲ったとき大変な騒ぎになりました。韓国などは外貨残高が枯渇するのを避けるためにIMFから融資を受け、その代償としてきわめて厳しい緊縮財政を採用する羽目になったことは記憶に新しいところです。

ところが借金大国アメリカは安閑としています。それはドルが基軸通貨であり、貿易決済の通貨としていまだに大きな役割を占めているからです。いいかえればドルは世界の通貨として通用しますので、アメリカが借金大国であっても東南アジアの国のように外貨(主としてドル)を保有しなくても平気だからです。(東南アジアの国では外貨を保有していないと、物を外国から購入できなくなります。)

日本が莫大な借金をしても円という通貨が安定しているのは、日本国内に千四百兆円もの資産があり、外国から借金をしているわけではないからです。しかし現在千兆円もの借金をかかえ、その額がさらに膨らみ、外国からの借金が必要になると、円は国際的信用を失い、暴落するようになります。

一ドルが百五十円や二百円となれば、輸入価格が暴騰し、大幅なインフレで社会は大混乱します。かつての通貨危機の時の韓国や東南アジア諸国を思い出してください。韓国や東南アジアは若い国でしたから素早く混乱から回復しましたが、老大国日本の場合はそうは行きません。

借金の額が半端でないくらい膨大な額であることと、老人の多い日本では年金生活者を中心に大混乱するからです。


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