経済危機と構造改革のツボ
 藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

第二章 財政破綻にまっしぐら

いつか近い将来に「財政破綻が現実となり、日本は大混乱におちいる」と思っている人は大勢いますが、その実体が想像できません。まずは現実と直面することが大切です。実態を知ることから始めましょう。

011 千兆円の借金が返せるか

国と地方が国民から借り入れている借金の総額は七百兆円を超えています。その他に放漫経営の典型である特殊法人などが、独自に郵貯・簡保・年金資金の他に民間から借り入れている借金を加えると千兆円近くになります。これは国内総生産(GDP)の倍近くにも達する天文学的数字であり世界でも例を見ない借金まみれの国に日本は成り下がっています。

しかもこの借金の増加は国の場合を例にとりますと1990年には二百二十兆円弱であったものが2004年末には七百兆円を超えているのです。わずか十四年で借金の額が三倍にまで跳ね上がっています。

1990年代といえば「日本経済の失われた十年間」といわれる時代です。経済が不調になった分、官僚がお金を借りつくし、そのお金を自分たちの権益を守るために政治家と結託して、景気対策の美名のもとにばらまいたあげくに、子孫に大きな借金を残しました。

景気対策と称するバラマキがなければこれほどまでにひどい借金地獄にはなりませんでした。そして借金の山を築いた景気対策が経済の活性化には無力であったことを歴史が証明しています。今後二度と繰り返してはならない貴重な経験です。

国の収入が四十兆円であるにもかかわらず、どうしてこのような巨額の借金をするのでしょう。全く狂っているとしか言いようがありません。年収四百万円の家庭が定年間近に七千万円の借金をかかえ、返済のめども無いのに、さらに毎年三百万円以上の借金を続けているのと同じと考えればいかに恐ろしいことかおわかりになると思います。

どうしてこのような法外な借金が出来るのでしょうか?それは郵貯・簡保が一つの大きな原因になっています。特に郵貯は皆さんが記憶に新しい定額貯金により民間の銀行には出来ない有利な条件で国民のお金を集めました。そして集まった巨額の郵貯・簡保のお金を特殊法人の資金に注ぎ込むだけでなく、国の借金である国債を大量に購入して国を助けています。


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