|
第一章 なぜ構造改革が進まないのか
高度成長期の若い日本から少子高齢化の老齢化日本へと激しく移り変わっています。若い日本から老齢化日本への徹底した構造改革をしなければ日本は破綻してしまいます。なぜ構造改革が必要なのか。どうして構造改革が進まないのか。一緒に考えましょう。
009 三位一体改革とは何?
毎日のように新聞紙上をにぎわしていた三位一体改革が静かになりました。毎年十二月は予算の大枠が決定する時期です。口で約束していたことが本当に実行されるかの試金石が予算なのです。
小泉総理が約束した「三兆円の税源を地方に移譲し、そのかわり補助金を削減する」との約束がどのように実行されるかを決める期限が来ていたために連日大騒ぎしたわけですが、結局三位一体改革も数字あわせで肝心な問題は得意の問題先送りで決着したために静かになりました。静かになったということは「無駄使いの根元が断たれていない」ということです。
税金などによる収入は一般的に国が三で地方が二です。ところが実際に仕事をするのは逆に国が二、地方が三という逆転現象が起こります。そこでその差を埋めるために国から地方に対して「補助金」とか「地方交付税」の名目でお金を渡すことになります。このような不自然なことをせずとも、収入と支出を同じにするような税源の移譲をすれば簡単に問題は解決しますし、お金の配分を巡る業務効率は飛躍的に向上します。なぜこのような簡単なことが実現しないのでしょう。
それは「お金を持つことが権力の源泉である」という実にわかりやすく単純な理由によるのです。中央官僚は補助金の分配で地方に対して絶大なる権力を持つことが出来ます。一般的に官僚は政治家に弱く、政治家は有権者に弱いといわれています。
そこで選挙で票をかせぐために、地元に有利な補助金を獲得するように国会議員は官僚に対して力を行使して予算の分捕りを働きかけるわけです。厚生分野、農林分野、道路分野など分野は色々ありますが、何の予算を地元に持ってくれば票になるかは議員さんが熟知しています。それが仮に農林部門であれば議員さんは血眼になってこの分野を攻めますから、必然的に農林部門が強くなります。これが俗にいう「族議員」です。
もし国と地方の収入と支出が同じで補助金による分配作業がなくなれば、国会議員は自分の役割がなくなると思っています。国からお金を貰う必要がなくなれば、地元の皆さんは仕事を貰うために地方自治体に陳情しますので、県会議員や市会議員が力を持つことになり、国会議員は県会や市会議員より下に見られると信じて国会議員は補助金の削減に大反対です。
たとえ三兆円といえども自分に関係する補助金を廃止されたのでは国会議員の死活問題となりますから、小泉総理が号令をかけても簡単には実行できないわけがおわかりでしょう。
また族議員には強力な応援団が存在します。それが官僚なのです。お役人から補助金配布の権限を奪ってしまうと、官僚の権力がなくなると信じていますから官僚は必死になって族議員を支援します。結局「世の中すべて金次第」の理屈で三位一体改革が難航するのです。
このような構図が続く限り、いつまでたっても税金の無駄使いはなくなりません。本来国会議員は国全体のことを考えないといけないのに、このような補助金制度があるために地元への利益誘導にばかり目が向いて国会議員の質の低下を招いています。補助金制度は是非やめなければなりません。
|