経済危機と構造改革のツボ
 藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

第一章 なぜ構造改革が進まないのか

高度成長期の若い日本から少子高齢化の老齢化日本へと激しく移り変わっています。若い日本から老齢化日本への徹底した構造改革をしなければ日本は破綻してしまいます。なぜ構造改革が必要なのか。どうして構造改革が進まないのか。一緒に考えましょう。

007 なぜ官の世界では無駄使いが発生するのか

ここで官と民における事業運営に対する根本的な考え方の違いをおさらいしなければなりません。民間では「利益をあげること」が事業運営の大きな課題となります。そのために「利益をあげるためには何をしてもよい」との誤った思想による暴走が多くの企業不祥事を招いて来ました。

一方官では「いかにして予算を獲得するか」が仕事を遂行する上で大きな課題となります。そして「一旦獲得した予算は余すことなく使い切る」ことが次の予算獲得のための必須項目となります。業務の効率化で予算を余らせることは「予算が過剰であって次回からは削減する」対象となり自らの首を絞めることになります。

国の予算である一般会計予算は国会で審議されるために、その査定がとても厳しく、予算を獲得することが困難です。そこで官僚たちは「特別会計」という複雑怪奇な伏魔殿に逃げ込みます。

「特別会計」とはたとえば社会保険料やガソリン税など特定の財源を持つ分野ではその用途が限定されますので特別に取り扱われます。しかも「特別会計」には社会保険料や税金の他に郵貯や簡保のお金まで加わって複雑怪奇です。しかもその規模は国の予算である一般会計予算の五倍にも相当する巨大な怪物にまで成長しています。

そして官僚や族議員はこの巨額の資金をあたかも自分の財布のように考えて使用しており、一般会計予算のような厳しい審議がありませんから無駄使いの温床となります。

具体的に説明しますと「厚生保険特別会計」や「国民年金特別会計」では、巨額の予算が不採算の保養施設「グリーンピア」の建設や、特殊法人や関係団体に天下った厚生労働省OBの高額の報酬などに使われていることが判明して一躍有名になりましたが、この時点で「特別会計」という魔物が原因であるとの認識を持っている国民は少ないと思います。

塩川前財務相はおもしろいことをいっています。「母屋(一般会計)でお粥を食っているのに、離れ(特別会計)で子どもがすき焼きを食っている」このようなひどい例は、他の特別会計にも数多く存在します。

官僚の遺伝子には「獲得した予算はすべて使い切る」ことがたたき込まれていますから、お手盛りで予算を設定できる特別会計では「腹一杯食べてまだ余る」状況になりかねません。特別会計にこのような無駄使いが発生しないような工夫が是非とも必要です。


前の頁>現在の頁<次の頁

WEB管理人 藤原雄一郎 fuji@inox-tabi.com
Copyright (C) 2004 iNOX Media Mix All Rights Reserved.