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重役応援団 「重役は裸の王様」
第七章 不祥事を起こさぬために
何度も繰り返しましたが、名だたる大企業で続発した不祥事発生の土壌は多くの企業に共通のもの理解しなければなりません。一連の不祥事発生を自分のことと捉えあなたの会社が不祥事を起こさないために手を打たねばなりません。そのために私の信念を吐露したいと思います。
065 不正は絶対許さない雰囲気を
既に「創業の精神に学ぶ」の項で述べましたように企業経営の基本は「誠心誠意」「公明正大」です。戦後の高度成長期に築かれた「全ては会社のために」の思想から「会社のためなら法律にさえ触れなければ多少灰色の部分にも手を染めてとにかく業績を上げる」ことが「私腹を肥やしているわけでなく会社のためだから」と大目に見られる風潮が出てきました。
そして「日本経済の失われた十年」の間に、次第に企業経営者もモラルを喪失し、業績至上主義の厳しい締め付けがはびこってくるに従って、一般従業員の間にも苦しさに耐えかねて「灰色から黒」への行為に走る傾向が出てきたのが昨今の不祥事多発の真の原因ではないでしょうか。
この状態から脱するためにまず「重役のあなた」の心の中から「業績を上げるためには多少灰色の部分にでも手を染めて」との気持ちを完全に取り去らねばなりません。そしてそれを明瞭に部下に示すのです。例えば「サービス残業」をあなたの職場から根絶させなければなりません。
私の場合不正行為根絶のため、過去の事例であっても厳しく摘発しました。その結果「藤原取締役になってから不正行為が増加した」などと本社から叱責を受けましたが、それは不正と真正面から対決する姿勢の現れで何も私の時代になって増加した訳ではありませんので、本社からどのような批判を浴びようともひるむことはありませんでした。
経営トップがこのような姿勢を示すと職場には「不正を許さない雰囲気」が次第に浸透してきます。最初は「藤原さんも馬鹿だ。そんなに清廉潔白なことを言っていたら業績が上がらず、ご自身のためにも良くないのに」との陰口を良く聞いたものです。この言葉に代表されるように経営トップの心の中に「多少の灰色行為をやっても良いがばれないように」との気持ちが以心伝心で職場を汚染していることに「重役のあなた」は気がつかなければなりません。
米国では人間性悪説に基づいて厳しい監視機構と厳罰が不正行為に対して待っていますが、日本の場合は監督官庁にまで「事なかれ主義」の「隠匿体質」「先送り体質」が蔓延しています。しかし時代は大きく変わりつつあります。「ルールを厳守して公明正大な中にも厳しい競争に打ち勝つ」ことを遺伝子に植え込まなくてはなりません。
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