重役応援団 「重役は裸の王様    藤原雄一郎のクルーズワールド

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重役応援団 「重役は裸の王様」

第七章 不祥事を起こさぬために

何度も繰り返しましたが、名だたる大企業で続発した不祥事発生の土壌は多くの企業に共通のもの理解しなければなりません。一連の不祥事発生を自分のことと捉えあなたの会社が不祥事を起こさないために手を打たねばなりません。そのために私の信念を吐露したいと思います。

064  逃げ回るより正面突破の方が格段に易しい 

自由闊達な意見の飛び交う職場には、情報の公開と情報の共有化が必須です。職場の一人一人に対して、いま自分が何をすべきかを明確にし、その達成をゴーンさんの「コミットメント」のように約束出来る環境の設定が必要です。そしてその達成の状況と達成に対する評価も明確になっていなければなりません。

そして職場の雰囲気を明るくしなければなりません。「隠し事のない明るい職場」は不祥事を発生させないための必須条件です。人間は前向きな目標を持っている時には目も輝き自然と明るくなるものです。一方隠し事を何とか表面化させずに解決しようとする努力ほど空しくそして辛いことはありません。

私が業績の悪い部門の再建を命ぜられた時に、まず悪材料(採算面で)で今まで表面化することを憚ってきた事実を総ざらいして表面化させることに心を配りました。これは容易な仕事ではありません。新しい上司が派遣された時には警戒心が先に立ちます。新任上司にだけは自分たちの恥部は見せられないと、かえって隠匿してしまうことが多いのです。

そこで私は弱点も含めて自分自身をさらけ出して対話に努めました。そして信頼の置ける部下を選出し、本心を打ち明け、悪材料あぶり出しのリーダになって貰い、出てきた悪材料は組織の中で共有化し組織の総力をあげて対応しました。自分が悪材料を隠し持っているより、公開して組織の力を借りた方が良いと具体的に実証出来れば、悪材料はいくらでも表面化して来ます。

すると今度は責任者の私が困難な立場に立たされます。本社の重役から散々の罵詈雑言が浴びせられますが、その情報も包み隠さず公開しまた。そしてどのような罵詈雑言が飛んでこようと「隠し事のない職場」を確保するのだという強い決意を事実で示しました。

おかげで私が赴任したために更に業績悪化したと散々の不評でしたが、今まで「言いたくても言えない隠し事」から解放された人々の顔は明るくなり、前向きの改善が続々と出てくるようになりました。「逃げ回る努力より、はるかに少ない力で正面突破出来る」ことを実地に体験して人々は一回り強くなったと私自身実感しました。


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