重役応援団 「重役は裸の王様    藤原雄一郎のクルーズワールド

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重役応援団 「重役は裸の王様」

第七章 不祥事を起こさぬために

何度も繰り返しましたが、名だたる大企業で続発した不祥事発生の土壌は多くの企業に共通のもの理解しなければなりません。一連の不祥事発生を自分のことと捉えあなたの会社が不祥事を起こさないために手を打たねばなりません。そのために私の信念を吐露したいと思います。

062  「企業文化は急には変わらない」ですまして良いものか 

日経ビジネス誌上での富士通秋草社長(当時)のインタビュー記事を読んで、秋草社長は正直な人だと思わず苦笑しました。それは過去六期連続で業績を下方修正させたことに対する質問の答えです。

「アナリストを含めて皆さん、そうおっしゃるが、ある意味、富士通の文化みたいなものなのですね。高い目標を挙げて、それに向かっていくというのが。『6期連続して』とおっしゃいますが、その前も実はずっとそうだったのです。高い目標を挙げて、『それ行け』とやっている。もっと緻密にやれとか、もっと最初から下に出したらどうかとか言われて、反省はしています。そういうのはまずいなと思っていますけれども。急には変わらないのだ。企業文化というのは。」

言葉の一断面をつかまえて批判するのはどうかと思いますが、この記事を読んで正直私は言葉を失いました。私の現役時代、親しい新任常務と話をした時「藤原君、うちは不思議な所だ。社内に目標がいくつもあるのだ。必達目標、最低必達目標、実現可能目標など一つ一つ内容を聞いてみれば理解出来るが、問題は一番高い目標を本社へ申し出ているから、うちは毎年毎年目標未達となる。あきれて「達成できなければ具体的に責任を取らなければならない目標」だけを目標に設定したら、社内で大反対の嵐だよ。この風潮を変えなければうちは良くならない」とこぼしていました。

その常務は長年務めた受注製品を扱う部署から業績不振の量産品を扱う部門に事業再建のため派遣されたところだったのです。

量産品を扱う富士通秋草社長の言葉はまさにこの常務が派遣された問題部署の文化そのものです。同じ量産品を扱う日産ではゴーン社長の「コミットメント」が定着しつつあります。日産内部では「コミットメントとは達成されなければ具体的な責任を取るべき目標」を意味しています。

富士通の言う業績目標こそは「コミットメント」に最も相応しい内容ではありませんか。それを「企業文化は急には変われない」などと雑誌のインタビューで社長が話すとは、私には想像を絶する出来事です。

現在最も必要とされているのは企業文化を早急に変えることなのです。


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