重役応援団 「重役は裸の王様    藤原雄一郎のクルーズワールド

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重役応援団 「重役は裸の王様」

第七章 不祥事を起こさぬために

何度も繰り返しましたが、名だたる大企業で続発した不祥事発生の土壌は多くの企業に共通のもの理解しなければなりません。一連の不祥事発生を自分のことと捉えあなたの会社が不祥事を起こさないために手を打たねばなりません。そのために私の信念を吐露したいと思います。

061  謝罪の機会はたった一度だけ 

不祥事発覚の後、会社側の発表が二転三転することは会社の信用を一気に失い、結果として一番恐ろしい事態を招くことを心に銘記してください。

この場合、情報の提供と会社としての意志決定は峻別すべきです。恐らく不祥事発覚の時点で全貌を直ちに掴むことは難しいことでしょう。その場合社外に対し「経営陣の知り得た情報は情報として公表する」そして「全貌が明確になった時点で経営責任をはっきりさせる」と明言すべきでしょう。

さらに情報の透明性を高めるために「第三者機関に調査をゆだねる」ことにすれば万全です。経営陣は退陣することになっても、会社は残るでしょう。「雨降って地固まる」の結果にしなければなりません。

「謝罪する機会はたった一度だけ」は何も不祥事に限ったことではありません。業績発表も全く同じです。通常決算発表の時に次年度の予想を発表します。また上期決算発表の時には下期と通期の決算予想を発表します。この予想は守れればよろしいが現在のような環境変化が激しい時代にはなかなか予想通りには行きません。決算が近づいて、予想数値と大幅な変動がある場合は修正数値をしかるべき時期に発表します。特に下方修正の場合には株価に対する影響もあり、余りに悪い数値を公表することを躊躇します。その結果下方修正を重ねることになると市場の信用は失墜します。

皆さん覚えていますか?日産のゴーン改革では2000年三月期の連結決算で六千八百億円もの大幅赤字を出しましたが、翌年以降三千億円を大幅に超える見事な回復を示し、信用を一気に勝ち得ました。

一方東芝では単独決算で2000年三月期に二千四百億もの大赤字を出して膿みを出し切ったはずが、対策が十分でなかったとして2002年三月期には再度二千六百億円もの大幅赤字を出しました。日産と東芝で何という大きな差でしょうか。当時「東芝は本当に大丈夫か」と言われました。不祥事であれ業績不振であれ「謝罪するのは一度だけ」の精神で臨まなければ信用を失うだけでなく、「悪い情報を小出しにする」ことにより、社内に緊迫感がみなぎりません。結局事態は悪化するばかりです。


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