重役応援団 「重役は裸の王様    藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

重役応援団 「重役は裸の王様」

第七章 不祥事を起こさぬために

何度も繰り返しましたが、名だたる大企業で続発した不祥事発生の土壌は多くの企業に共通のもの理解しなければなりません。一連の不祥事発生を自分のことと捉えあなたの会社が不祥事を起こさないために手を打たねばなりません。そのために私の信念を吐露したいと思います。

059  敗北の方程式「パイプの詰まり」

パイプの詰まり

不祥事が発覚した時点で不祥事の内容が経営陣に的確に報告されているかが最初の一番大切なポイントです。私の現役時代「悪い情報はいち早くトップに、良い情報は遅くとも良い」と指導して来ました。しかしなかなか徹底しませんでした。 その理由に二つあります。

一つは単に「叱られるのが怖い」のが理由です。人間誰しも良い情報はいち早く報告したいものですが、悪い情報ほど報告しようとする姿勢にブレーキがかかります。そこで私は不都合な事態が発生した場合、とにかく報告を急がせましたが、全貌が明らかになった時点で、報告を時系列的に整理して、報告の早い部門は褒め、遅かった部門には叱責しました。不祥事でなくとも、事故、クレームの類は結構多発しますので、実際に起こった実例の「ほとぼり」が冷めない間に「悪い情報はいち早く上層部に」を徹底するように実地指導しました。

そして「悪い情報をいち早く報告する」ことを私が高く評価する事実を日常業務の中に植え付けたのです。

二つ目の理由は悪い情報ほど正確を期し、対策までキチンと記載した上で上局に報告しようとするために、報告が遅れる場合です。皆さんにも覚えがあるはずです。そこで私は口を酸っぱくして「情報と決裁を仰ぐこととは違う」と言って来ました。

不都合な事例が発生した場合、それを経営陣にいち早く伝えるのは「情報」です。「情報は鮮度が命」ですから遅くなるほど情報の価値は下がると叫んで来ました。従って経営陣に報告する時に「これは情報です」と明確に話せと言って来ました。そして対策について十分に詰めた報告は決裁であるから多少遅れても良いと指導して来ました。日本語の曖昧さで「経営陣への報告」と言うから間違うので「経営陣への情報の上程」「経営陣への決裁伺い」と明確に区別すれば誰も間違うことはないのです。

不祥事発生時点で「明確な情報が経営トップに伝わっていない」ことが致命的な打撃を企業に与え、社長の辞任とか会社の解散にまで結びつくことを頭の中にたたき込まなくてはなりません。


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