重役応援団 「重役は裸の王様    藤原雄一郎のクルーズワールド

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重役応援団 「重役は裸の王様」

第六章 創業者の精神に学ぶ

「企業は人なり」とならんで企業経営の最重点事項に「顧客第一の精神」があります。世界同時デフレ時代には従来とは比較にならないほど「顧客第一の精神」が重要になってきています。創業者が今日の栄光を勝ち得るために艱難辛苦した時代の「創業の精神」に今こそ学ばなければなりません。

056  社是・社訓の価値を見直そう 

創業の精神を知る一番手っ取り早い方法は社是・社訓を深く追求することです。そこには創業者が血のにじむ思いで顧客の心をつかんだ過程で得た貴重な教訓が込められていることが多いものです。

例えば野村證券の場合は社訓を設定したのは2001年と新しいのですが、その契機となったのは1997年に発覚した総会屋への利益供与事件でした。この事件の反省に立って野村證券を眺めてみると、事業性と社会性のバランスが取れていないことに気付き、2000年八月に四十台の社員を中心に「社会的承認向上プロジェクト」を発足させて得た結論が「事業性」と「公共性」のバランスを社内に徹底させるための社訓の設定でした。

社訓の設定に際しては創業者野村徳七が残した文章の中から選び出しています。 そのほんの一部を紹介します。「 」内は野村徳七の言葉そのものです。

野村證券の存在意義
「証券報国こそは野村證券の職域奉公の実態にして、あくまでもこれを貫徹すべく」

顧客第一の精神
「自己の利益よりも顧客の利益を先にす」

とあります。米国の不正会計事件とそれにからむアナリストの人たちに是非聞かせたい言葉です。 本当に公共性、社会性を重視した言葉が野村證券の社訓の最初にならんでいるではありませんか。 雪印乳業の創業者である黒澤酉蔵は「健土健民」の言葉を残しています。創業者の精神が引き継がれていれば雪印の今日はもっと違ったものになっていたかも知れません。

さらに住友商事の1998年に発生した銅取引における巨額赤字事件などは住友家の家訓である「浮利を追わず」の精神からは想像もつかない出来事です。

本書の冒頭の部分で述べましたように、職場の最前線でのモラルの崩壊、企業経営者のモラルハザードが懸念されている昨今、創業者の精神に思いをはせ、今一度社是・社訓を深く追求しなければならない時代に来ています。


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