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重役応援団 「重役は裸の王様」
第五章 管理部門の総点検と意識改革
日本が世界有数の経済大国になる過程で、官僚機構は大活躍しました。しかし今、経済企画庁長官を務めた堺屋太一氏は「平成官僚は日本を滅ぼす」として官僚支配からの脱却を叫んでいます。企業における官僚機構は管理部門です。
企業の成長を支えた官僚機構である管理部門が時代の変革に際して改革の阻害要因になっていないか、管理部門の総点検が必要です。
051 実務を知らない人間を管理部門に登用してはならない
もしあなたの組織で、リチャード・クーの言うように「管理部隊が専門職を怒らせることばかりする」ならば、(大多数の大企業では程度の差こそあれ、この傾向はあるものですが)この問題を第一に解決しなければなりません。
そのためには「管理部門は実務部隊の公僕である」と言う思想を浸透させることです。すでに述べたように勤労・人事・経理の担当は現場を這いずり廻り、実務部隊の心のひだに入り込んだ、本音の声を忠実に収集しなければなりません。
この大前提に立った上で管理部門に対して次のような指導をしてきました。
(一)管理部門は事業経営のプロでなければならない。事業所の事業執行機関である所長とは重要な意思決定の局面における事業運営の考え方について絶えず鋭い対立軸を持ち、議論を通じて、所長の意志決定に深みと幅の広さを与えることが出来る条件を備えなければならない。
(二)そのためにはまず猛烈に勉強せよ。(責任は取らずとも昔の官僚は猛烈に勉強した)視野はうんと広く、社内外の人との人脈を大切にして、そして何よりも物事の本質を見抜く鋭い眼力と柔軟な頭を持て。これは猛烈な勉強と多彩な人脈を持つことで容易に手に入れることが出来る。
(三)強い権力を意識できる部門には必ず甘い罠が待っている。その麻薬を断ち切れ。日本の官僚は清貧であったのに、昨今の腐敗は目を覆うばかりである。人に厳しい前に自分に厳しく、権力に寄り添う甘い罠を断ち切れ。
さらにリチャード・クーの嘆きを解決するためには管理部門が組織の最前線で行われている実務に通じていなければなりません。従って当然のこととして「管理部門生え抜き」では無く、実務部門で経験のある人間を頻繁に管理部門にローテーションさせます。そして何より大切なのは、特に事業戦略を練る企画部門には、新規事業に関して、プロジェクトを編成し、事業を軌道に乗せるまでの実施責任を持たせることです。立ち上げが完了すれば実務部門に引き渡せば良いのです。
すなわち官僚機構に「新規事業立ち上げ」の実施責任を持たせるのです。当然、企画部門だけで実施は出来ませんから、事業所の人的資源を縦横に使用させて、プロジェクト方式で実施させるのです。そうすれば企画部門も実務部門の実情が理解できて、血の通った経営戦略を立案できるようになるでしょう。そして頻繁なローテーションにより、管理部門を経験した視野の広くなった人間が、実施部門に移れば、戦略、戦術に長けた実施部門が誕生します。
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