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重役応援団 「重役は裸の王様」
第五章 管理部門の総点検と意識改革
日本が世界有数の経済大国になる過程で、官僚機構は大活躍しました。しかし今、経済企画庁長官を務めた堺屋太一氏は「平成官僚は日本を滅ぼす」として官僚支配からの脱却を叫んでいます。企業における官僚機構は管理部門です。
企業の成長を支えた官僚機構である管理部門が時代の変革に際して改革の阻害要因になっていないか、管理部門の総点検が必要です。
049 管理が出来ず専門知識も無い人のために管理部門はある?
再びリチャード・クーの登場です。「良い財政赤字・悪い財政赤字」の中で彼は痛烈なことを指摘しています。
組織で働く人間には次の四タイプの人間が存在する。
(一)専門分野に優れているが管理には興味が無い人
(二)管理に優れているが専門知識が無い人
(三)専門・管理の両方に優れている人
(四)両方とも出来ない人
多くの日本企業では専門分野と管理分野を分けてしまい、上記(三)の人材を育ててこなかった。その結果管理分野の人間は最前線で戦っている専門分野の人間を理解していないため、専門分野の人間を管理出来ない。それどころか彼らは専門職の足を引っ張ることを平気でやり、優秀な専門職ほど嫌気がさして外資に走る。
なぜ日本の企業は専門職を怒らせることばかりするのかと言えば、日本の企業は「管理能力が無い、そして専門知識の無い」上記(四)タイプの人たちを想定しており、これらの(四)タイプの人たちが脱線したり、変な方向へ行かないようにするにはしっかりとした管理が必要だからである。
そしてこれら(四)タイプの人間は市場価値が無いから終身雇用になる。一生会社が面倒見るなら彼らに好き勝手はやらさない。これが大多数の日本企業の実態であると指摘しています。
まことに耳の痛い話です。私が今まで一生懸命の述べてきたことを、外国で育ち、日本の会社で専門職として活躍しているリチャード・クーは全く別の表現で述べています。
彼は管理の得意な人と専門知識に卓越した人間とのコンビ経営を提唱しています。その成功例がホンダとソニーであると言っています。熱血エンジニア(上記一タイプ)と手堅い管理者(上記二タイプ)が百%信頼関係を持って経営にあたれば技術系からも実務派からも尊敬される経営陣が出来ると主張しています。そして同時に経営と管理は全く別次元のものであるとも言っています。
私は「重役のあなた」ひとりでこの問題を解決できるようにと「重役は裸の王様」に始まる多くの提言をしてきました。そして最後に残った難問がこの管理部門と称する官僚機構の適切なありかたなのです。
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