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重役応援団 「重役は裸の王様」
第四章 乱世のリーダは人の心を読める人
乱世のリーダは「世の中が何を求めているか」を読める人です。そして「世の中」は人で成り立っています。結局「人の心を読める人」が乱世のリーダなのです。
「企業は人なり」を深く心に刻んで、経営の大切な基本である「人の心」について学びます。
035 「修羅場での格闘」の大切さ
次に人はどのようにして育つかについて話しましょう。
私が部長時代、ある重要なプロジェクトの取り組みについて、本社の常務に説明していた時のことです、「藤原君そのプロジェクトに任命した最高責任者は過去どのような成功体験を持っているかネ」と聞かれました。
「いや平沼君は大変優秀ではあるけれど、不幸にして、このような大きな仕事での成功体験はありません」と言ったところ、その常務は平沼君の最高責任者起用に強硬に反対されました。
強硬に反対されて私自身のことを思い起こしました。日常業務で幾多の困難に遭遇した時、その難局を切り抜けるアイデアは過去に遭遇した色々な経験の中の成功体験から派生して出てきます。そしてその成功体験が大きな自信となって次なる困難に立ち向かうエネルギーとなります。
「修羅場をいくつ切り抜けて来たか」でその人の実力が決まるのも真実です。成功体験とは本当に重要なものだと、その時、つくづく思いました。
ここで大切なのは「修羅場を切り抜けた成功体験」なのです。「修羅場」とは何かを定義しましょう。
工学の世界では線形、非線形と言った言葉を良く使います。過去に得た多数の経験パターンの積み重ねから、推敲を重ね解決にいたる思考を線形的思考と私は定義しています。すなわちその職場で長く仕事をして、その経験の中から構築される処理方法での成功体験は言わば「生き字引」的成功体験で、ある程度、誰でも経験すれば体得できるものです。
「修羅場」とは過去の経験が通じない世界です。類似の参考となる成功事例が無い世界で、これを私は非線形の場と呼んでいます。このような場合、全智全霊を傾けて、ある種の閃(ひらめき)きまで動員して解決にあたらねばなりません。過去の延長線上の思考では解決しない非線形なるものとの格闘の場を「修羅場」と呼んでいます。「修羅場を駆け抜けること」で人は大きく成長します。
この「修羅場」を「非線形的思考」で克服出来る人材の育成こそ、変化の激しい、これからの世の中には絶対に必要なのです。
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