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重役応援団 「重役は裸の王様」
第四章 乱世のリーダは人の心を読める人
乱世のリーダは「世の中が何を求めているか」を読める人です。そして「世の中」は人で成り立っています。結局「人の心を読める人」が乱世のリーダなのです。
「企業は人なり」を深く心に刻んで、経営の大切な基本である「人の心」について学びます。
032 「ナゼナゼ五回」の精神で原因追求の掘り込みを深く
犯人探しの話はこれぐらいで終わるとして、不都合対策について少し述べたいと思います。
中国で製作させた2000トンもの鉄骨が南米での現地工事の段階で塗装の不備が発覚し、塗装のやり直しで多大な損害を蒙りました。海外調達の塗装の問題では散々失敗しているのに、またもや発生です。部長が原因と対策の説明に来ました。
「過去の失敗に鑑み、発注仕様書、手順書、その他万全を期し、現地にスーパバイザを派遣して検査に当たらせておりましたが、工程がタイトなため二十四時間体制での突貫工事でした。スーパバイザは二十四時間張り付くわけには行かないので、彼が宿舎に戻った真夜中に中国人が手抜きをしました。今後は・・・」と発生した局面に限定した対策を持って来て、今後は大丈夫ですとの発言をしました。
「部長ともあろうものが」と私は絶句しました。部長は本当の原因がわかっていないのです。確かに表面上は「二十四時間体制の仕事でスーパバイザが不在でその間に手抜きをされた」のが原因です。しかし中国側が何故手抜きしなければならなかったのか、その原因に対する追求が全くなされていませんから、必要な対策が打たれていません。
ナゼこのようなことが発生したのか?(一回目のナゼ)
中国側が手抜き工事をしたからです。
ナゼ中国側が手抜きしなければならなかったのか?(二回目のナゼ)
諸悪の根源は突貫工事にあるのです。もし真夜中にスーパバイザが検査して手抜きを見つけたとしても、この突貫工事ではもはや修正する時間も無かったのが実情なのです。
ナゼ突貫工事になったか?(三回目のナゼ)発注が遅れたからです。
ナゼ発注が遅れたのか?(四回目のナゼ)予算が厳しく予算以内に収めるには時間がかかったからです。
ナゼ予算が厳しかったのか?(五回目のナゼ)
製品に付加価値が薄く、価格競争に追い込まれたからです。
結局は製品に競争力がなかったことが真の原因であったのです。従って対策は単純な価格競争に巻き込まれない魅力ある製品に仕上げることになります。
要するに表面上の原因追及で止めてしまい、「不都合発生の仕組みの究明」がなされていないのです。このように不都合の原因と対策の検討の多くは発生した局面に限定し、仕組みの追求にまで及んでいないことが多いのです。これではいつまでたっても再発防止は出来ません。
要は、マネージメント上の原因の追求を徹底することが大切です。トヨタが強いのは「ナゼナゼ五回」の精神で徹底的に物事を追求する姿勢が各人の遺伝子に埋め込まれているからです。
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