重役応援団 「重役は裸の王様    藤原雄一郎のクルーズワールド

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重役応援団 「重役は裸の王様」

第四章 乱世のリーダは人の心を読める人

乱世のリーダは「世の中が何を求めているか」を読める人です。そして「世の中」は人で成り立っています。結局「人の心を読める人」が乱世のリーダなのです。 「企業は人なり」を深く心に刻んで、経営の大切な基本である「人の心」について学びます。

027  どのように演出しても従業員の心が燃えなければ駄目 

2001年二月末だったと思います。テレビのニュースを見ていたら会場にビートルズの音楽とともに舞台の下から何とも似合わないダイエーのカジュアルウエアに野球帽をかぶった高木社長、それにサングラスをかけた髭の平山副社長が登場していました。一体何事かと思ったら新生ダイエーの店長総会だったのです。

興味を持って若干調べてみましたら当日の意表をつく社長・副社長の登場と過激な挨拶。そして二人が熱っぽく「社員自らが改善の立案と実行」「元気で風通しの良い社風」とのメッセージを繰り返し、そのあと入社間もない女性社員が上司の理不尽な人事を滑稽に語る寸劇等々

恐らく出席した店長はびっくりしたことでしょう。そしてその夜、社員食堂での懇親会に社長と平山副社長があらわれ「いらっしゃいませ」と書いたタスキをかけて出席者全員にビールをついで廻る。そして全員に行き渡った頃、社長の合図で出席者全員が拳を突き上げる。心憎い演出ではありませんか。

この風景はどこかで読んだことがある・・・そうだリクルートだ!

そういえば高木社長はリクルートに在籍していたことを思い出しました。リクルートの自由闊達な社風、自ら創造する社風を高木社長はダイエーに注入しようとしているのだと思いました。

変革を訴えるとき、これほどまでに印象深い訴えが必要なのでしょう。

高木・平山のお二人はダイエーの出身で、しかもダイエーを外から見てこられただけに古巣に対するメッセージも恐らくは愛情に満ち溢れ、店長さんたちもその熱い志をひしひしと感じたことでしょう。

私は当時「これでダイエーは生き返る」と思いました。それから一年経過した2002年一月に金融支援を受けて新三カ年計画を発表、そしてさらに一年経過した、2003年になっても依然として経営危機が囁かれ続けました。そして改革の片腕であった平山副社長はダイエーを去り、とうとうダイエーは産業再生機構により解体への道を歩みました。

あれほど強烈に変革を演出しても、大きな組織は変わることが出来なかったのです。日産のゴーン社長のように「ダイエー社員に燃えさかる甲板を認識させることが出来なかった」すなわち従業員に危機感が浸透しなかったのです。


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