重役応援団 「重役は裸の王様    藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

重役応援団 「重役は裸の王様」

第三章 社員の目は「外(顧客)より内(社内)」に向いている

「重役のあなた」はまだ心の中で「私だけは裸の王様ではない」と密かに思っていませんか。あなたの職場で起こっている具体的な事例をいくつかご紹介しましょう。

022 内部管理資料の作成で仕事にならない 

ある時課長クラスの人間に設計効率をあげる上で邪魔になっている業務は何かと質問しました。するとその男は直ちに「コストフォロー」と答えたのには正直言って驚きました。なぜなら設計がコストのことを考えずに設計をして、顧客に受け入れられるはずが無いからです。

お客様は品質と性能は高く、価格は安い製品なり商品を求めています。そこで製品設計で一番大切なのは「良い品を安く」提供できるコストに対する強烈な意識です。それを「設計に邪魔な作業」とは、と驚きました。 しかし彼の言うことを詳細に聞くうちに、今度はこちらが驚きました。それは月に一度実施される私のコストフォローと称する儀式に問題があったのです。

私はその時々のコストの推移を詳細に報告させていました。そして数値に悪化傾向が出るといち早く手を打とうと、その対策を説明させていました。いつしかその資料は莫大な量となり、月のうち三分の一は私のコストフォローのための資料つくりに費やされていました。さらに悪いことには私に対する説明資料は膨大な準備資料から抜粋したものなので、私には実際に作成されている資料の多さに気がつかなかったのです。

私は常日頃から「私に対する余分な資料を作成する必要は無い。自分自身の管理のための資料をもとに説明してくれれば良い」と言い続けてきました。しかし私に対して少しでも良い印象を与えようと「説明のための説明資料」を作成する習慣が出来上がっていたのです。

また本社の役員が来訪する場合もその「御説明資料」(御のつくことに注意)の作成にすさまじく時間を消費しています。このようなことはある程度以上の企業では必ず起こっていることです。

社員の目が完全に「外(顧客)より内(社内)」「下(部下・同僚)より上(上司)」に向いている証拠です。このような内部管理に費やされる膨大なエネルギーから社員を解き放ち、そのエネルギーをお客様に対して使わなければなりません。


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