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重役応援団 「重役は裸の王様」
第三章 社員の目は「外(顧客)より内(社内)」に向いている
「重役のあなた」はまだ心の中で「私だけは裸の王様ではない」と密かに思っていませんか。あなたの職場で起こっている具体的な事例をいくつかご紹介しましょう。
021 腰を抜かすほどおどろいたこと
もう一つ私の部長時代の面白い話を致しましょう。
あるたたき上げの経理の主任がおりました。名前を鈴木イチロー君としておきましょう。彼は経理課に在籍し、経理の表面上の数値を盲信することなく常に製品部門の現場を歩き回り、製品部門の担当者からうるさがられながら、非常に巧みに本音の数値を彼なりに聞きだしておりました。その彼が営業にスカウトされました。
私は当時技術部門の部長で、ある日客先へ受注第一回のキックオフミーテングに社の代表として部下と一緒に出席しました。その日が丁度彼の晴れの初舞台で、会議の最初に開会の挨拶をしました。「本日は弊社の藤原部長におかれましてはご多忙中にもかかわらず重要な会議のために出席され・・・」
私はそれこそ「頭が真っ白」になりました。パニックに陥り、暫くは彼が何を言っているか全く頭に入って来ませんでした。本当に赤面の至りです。会議が終わって「イチローよ!今日の会議冒頭でのイチロー挨拶に俺は腰を抜かしたゾ」と言うと彼はキョトンとして全く事の次第を理解していませんでした。
彼にしてみればお客様は大切。従って弊社の重要人物を「万難を排して」お客様の所へ連れて来たと言いたかったのでしょう。経理と言うお客様との接触の無い部門に長年勤務していると、このような常識すら欠けてしまうのだと、恐ろしく感じたことを鮮明に覚えています。好人物の彼には全く悪意は無いのです。
要するに長年にわたる「内向き、上向き」となった生活習慣はすでに遺伝子に組み込まれていて容易なことでは修正することが出来ないのです。「重役のあなた」が単に軽く口先で言ったくらいでは部下の頭の構造は変わりません。「遺伝子の組替え」が必要と肝に命じていただきたいと思います。
もっと恐ろしいことは他人(特に社外の人)から見れば「重役のあなた」自身がイチロー君でないかということです。地位が上がればイチロー君に対してのようには簡単にその事実を指摘してくれる人はおりません。
まず改革を始めるにあたって現在どのような遺伝子があなた自身ならびにあなたの部下に組み込まれているかと言うことを真剣に知らねばなりません。
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