重役応援団 「重役は裸の王様    藤原雄一郎のクルーズワールド

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

重役応援団 「重役は裸の王様」

第一章 不祥事の原因は経営トップにあり

長い間に蓄積した「負の遺産」を経営トップがどのように直面するかで不祥事が発生するか否かが決まります。多くの不祥事は経営陣が真正面から「負の遺産」と対峙しなかったことが原因で発生しています。まさに経営トップの力量が試されています。

007 素直に現実を認める勇気を失った 

あなたの会社で社員の関心が「外(顧客)より内(社内)」「下(部下・同僚)より上(上司)」になるのはそれなりに理由がります。

過去を振り返って見ましょう。日本経済の高度成長期は日本人の持つ「異常なまでの品質へのこだわり」と「集団としての創意工夫と団結」が世界に例を見ない素晴らしい製品を生み出して来ました。そして日本製品はどんどん売れて、働けば働くほどに成果が出る素晴らしい好循環となって日本経済は躍進したのです。この時の成功体験による行動様式が経営トップをはじめとして社員の遺伝子に深く埋め込まれてしまいました。

ところが冷戦の終了とともに、世界規模での厳しい生存競争が始まり、日本経済は失われた十年へと突入しました。 諸外国、特に中国を中心とする東南アジアの躍進はめざましいものがあり、世界中の経営資源(人・物・金)が最も投資効率の良い国へと凄まじい勢いで駆けめぐり、高度成長期とは行動様式も経営手法も完全に変わってしまったのです。ところが日本企業の大半はこのような大変化に対応できず業績が悪化し、そしてお決まりの「リストラ減量大作戦」に走ります。このあたりから日本人の持つ別の特性がマイナスとして発揮されてきました。それは「問題先送り」体質です。

思うように成果が出ない場合、本来ならいち早くその事実を公開して組織をあげて対策を打たねばならないのですが、高度成長時代の体質が遺伝子に埋め込まれているために「ここで弱音を吐くわけには行かない」「もっとがんばらなくては」との行動に走ります。そして事態はさらに悪化して、どうしようもない状況に追い込まれても「もう少しすれば世の中良くなる」と顕在化を避けるため、抜本対策がドンドン遅れ、行き詰まってしまいます。要するに過去の負の遺産が問題先送りの間にどんどんとふくらみ限界にまで達しました。それにもかかわらず多くの企業では素直に現実を認める勇気を失ってしまっているのです。過去の負の遺産を早い内に精算しないかぎり不祥事は必ず発生します。


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