|
この一冊で企業がよみがえる
第八章 いまなぜトヨタ方式
いまトヨタ方式が世の中を席巻しています。確かに目先の改善の特効薬としての効果があることも事実です。しかしトヨタ方式の神髄は「企業に永遠の生命を吹き込む」ことにあります。それだけにトヨタ方式を理解することは極めて難解です。難解なトヨタ方式の扉をこじ開けることに成功すれば企業は完全に蘇ります。
074 まず白紙の状態に
なぜ企業が業績不振になったのか?そしてどのようにすれば蘇ることが出来るのか?豊富な事例とともに私の考えを述べて来ました。
しかし世の中は千差万別、多種多様で「あなたの会社にピッタリ」の企業蘇生術など世の中に存在しません。皆さんが皆さんの頭で考えて考え抜くしか方法はありません。しかし現状はどのように考えれば良いのかわからないのではないでしょうか。
それはあなた自身が過去を捨てきっていないからです。過去の成功体験や面子にしがらみといった事柄が自由な思考と発想を妨げています。人間というものは何か一つにひっかかりがあると、その事柄に集中して、他のことには一切目が向かず耳を傾けなくなります。
なぜ引っかかりが出来るかと言いますと、人間には防衛本能があり、例え会話であっても自分にとって不利であると思えば、まず防衛しようとして、いかにして自分自身を守るかに意識が集中してしまいます。端的に言いますと「人に良く見て貰いたい」「自分を認めてもらいたい」出来れば「人から尊敬を勝ち得たい」と思う気持ちが自己防衛に走らせます。
もし本当に困っていたならば、面子も何も捨て去って必死になって生き延びる道を求めようとします。日産のゴーン社長が「日産には燃える甲板(プラットフォーム)があった」と述懐しているのは、従業員が真に危機的状態にあると認識して始めて立ち上がる勇気が出てくることを意味しています。
時代は明らかに大きく変動していることは確かです。自分を捨て、完全に白紙の状態になって「溺れる者は藁をもつかむ」心境になることです。そうすれば頭がしがらみや面子などの自己防衛機能から解放されて白紙の状態になることが可能です。
このような状態になって始めて「色眼鏡(自分流に情報を選択して、自分の好みの情報のみを吸収する)」を外して世の中の森羅万象を見ることが出来るようになります。そして自分で一生懸命考えることに一歩踏み出すのです。
|