この一冊で企業はよみがえる 旅のことならあっぷる旅行

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この一冊で企業がよみがえる

第八章  いまなぜトヨタ方式

いまトヨタ方式が世の中を席巻しています。確かに目先の改善の特効薬としての効果があることも事実です。しかしトヨタ方式の神髄は「企業に永遠の生命を吹き込む」ことにあります。それだけにトヨタ方式を理解することは極めて難解です。難解なトヨタ方式の扉をこじ開けることに成功すれば企業は完全に蘇ります。

073 トヨタ方式は永遠ですか?

トヨタ生産方式でもう一つ忘れてならないのは現場・現物主義と全体最適思想です。

すでにここまで読み進まれた皆さんは良く理解していると思いますが、ニンベンのつく自働化で不都合があった場合には直ちにラインを停止して問題解決にあたることは現場・現物主義そのものです。昨今の企業では内部管理が過剰なあまり、現場・現物を確認することなく、机上のプランで激しい議論をしていることが良くあります。

すでにご紹介しました「失敗の本質 日本軍の組織的研究」の中にもいかに現実を無視し、机上の空論に精神論を交えたことが多かったかが詳細に記述されています。日本人の本質と理解しなくてはなりません。現場・現物に立脚しない机上の空論は論議するだけでも時間の無駄です。

企業が不振になればなるほど机上の空論が増大し、精神論に左右されることは残念ながら事実です。必ず現場・現物主義に立ち戻ることを心がけなければなりません。

トヨタ生産方式は大量生産華やかな頃から多品種・少量生産で大量生産と同じ効果が得られる究極の混流生産を目指して来ました。「カンバン方式」はすでに説明しましたように、絶えず全体の工程が見事なチームプレーにより流れるように生産することを目指して、その夢を実現しています。

まさにこのシステムこそが常に全体最適を考えなければ実現出来ないようになっています。トヨタの社員には遺伝子の奥深くまで現場・現物主義と全体最適思想がしみ込んでいます。トヨタ生産方式とはこのように企業風土を根本的に変える仕組みにより成り立っていますので、その実現には相当な時間と困難さがつきまといます。

そのかわり一旦その極意を体得したならば、効果の持続性は抜群であることは間違いありません。

トヨタ生産方式の伝道者金田秀治氏の言葉である「『徹底的に』ムダを排除するということを核に『間題顕在化の仕組み』と『行動を起こさせる仕組み』が張り巡らされ『ナゼナゼ五回』で成功に導く。そして二本の柱としての『知恵と改善』『人間性尊重』がある」が完全に理解できたとき、あなたの会社は蘇生しています。

しかし何事にも完全とか永遠はありません。トヨタ方式にもアキレス腱があります。「トヨタ方式とは究極のところ人材育成」につきるわけです。前章でも述べた通り、事業規模の拡大に人員育成が追いつかなかった時に、トヨタ方式には地獄が待っています。

特に世界中に事業を展開する時に、文化・風俗の異なる外国人にどれだけトヨタイズムを体得させることが可能でしょうか。これからも注意深く見守ってゆかねばなりません。


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