|
この一冊で企業がよみがえる
第八章 いまなぜトヨタ方式
いまトヨタ方式が世の中を席巻しています。確かに目先の改善の特効薬としての効果があることも事実です。しかしトヨタ方式の神髄は「企業に永遠の生命を吹き込む」ことにあります。それだけにトヨタ方式を理解することは極めて難解です。難解なトヨタ方式の扉をこじ開けることに成功すれば企業は完全に蘇ります。
071 トヨタ式元祖 大野耐一氏のナゼナゼ五回
トヨタ方式の根底に流れているのは「考える力」の養成です。そしてそれを可能にするのが「ナゼナゼ五回」の精神であると確信しています。「ナゼナゼ五回」は言うはたやすく行うのは非常に難しいことです。多くの企業ではぜいぜい二回か三回で止まっており、ひどい企業では一回ですませていることも多いと思います。「ナゼナゼ五回」を徹底して実施すれば必ずや成果が出ることは間違いありません。
そこで元祖大野耐一氏のナゼナゼ五回を氏の著作から引用します。
一つの事象に対して、五回の「ナゼ」をぶっつけてみたことはあるだろうか。言うはやさしいが、行うはむずかしいことである。
例えば機械が動かなかったと仮定しよう。
一 ナゼ機械は止まったか
オーバーロードがかかってヒューズが切れたからだ
二 ナゼオーバーロードがかかったのか
軸受け部の潤滑が十分でないからだ
三 ナゼ十分に潤滑しないのか
潤滑ポンプが十分くみ上げていないからだ
四 ナゼ十分くみ上げないのか
ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ
五 ナゼ摩耗したのか
ストレーナ(濾過器)がついていないから切粉が入ったからだ
このように五回のナゼを繰り返すことでストレーナを取り付けるという対策を発見できたのである。「ナゼ」の追求が足りないとヒューズの取り替えやポンプの軸の取り替えで終わってしまう。そうするとしばらくして同じことが発生する。
大野耐一氏はこのような事象に留まらず、ナゼ機械を一人一台しか持てないのか、ナゼ、ジャストインタイムが出来ないのか、事実を一つ一つ確認して世界に冠たるトヨタ式生産方式を磨き上げて行きました。
|