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この一冊で企業がよみがえる
第八章 いまなぜトヨタ方式
いまトヨタ方式が世の中を席巻しています。確かに目先の改善の特効薬としての効果があることも事実です。しかしトヨタ方式の神髄は「企業に永遠の生命を吹き込む」ことにあります。それだけにトヨタ方式を理解することは極めて難解です。難解なトヨタ方式の扉をこじ開けることに成功すれば企業は完全に蘇ります。
070 「智恵とカイゼン」「人間性尊重」
ここまで読み進まれると、本章の冒頭で述べた「トヨタ生産方式は『徹底した』ムダ取りにあり、その目的を達成するために『間題顕在化の仕組み』と『行動を起こさせる仕組み』が大切である」という金田秀治氏の言葉が多少たりとも理解出来るようになったのではないでしょうか。
究極の混流生産を可能にするためには作業の平準化が必要で、そのためには作業標準、すなわち作業の基準をつくることが大切なことは言うまでもありません。普通の企業では作業標準の成功により全体が流れるような作業の平準化が達成されるとそこで安心してしまいます。
しかしトヨタ生産方式では作業標準が成功すると、直ちにレベルを上げます。するとせっかく苦労して設定した作業標準に綻びが見えて来ます。そこで次のレベルに達する作業標準を智恵を絞って考える必要に迫られます。つまり意図して問題を顕在化させて、次の行動に進ませる仕組みです。
このサイクルは無限に続き終わりがありません。これこそがトヨタ生産方式による永遠のカゼン活動なのです。その結果三時間かかったプレスの段取りが三分にまで短縮出来たり、段取り替えのないボデーラインの実現などの夢が次々と実現するわけです。
トヨタの生産ラインではお客の注文の順序に車を次々と生産することが可能になってまさに究極の混流生産を可能にしています。
さてどうしてトヨタはここまでの飽くなきカイゼンを追求する風土の確立に成功したのでしょうか。金田秀治氏は「トヨタウエーには二本の柱がある。一つは『知恵と改善』であり、二つ目は『人間性尊重』である。トヨタは今後とも「知恵」で勝負していくのだと、私は理解している。」と述べています。
結局は人作りに尽きると思います。
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