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この一冊で企業がよみがえる
第八章 いまなぜトヨタ方式
いまトヨタ方式が世の中を席巻しています。確かに目先の改善の特効薬としての効果があることも事実です。しかしトヨタ方式の神髄は「企業に永遠の生命を吹き込む」ことにあります。それだけにトヨタ方式を理解することは極めて難解です。難解なトヨタ方式の扉をこじ開けることに成功すれば企業は完全に蘇ります。
069 ジャストインタイムを可能にする仕組み
ジャストインタイムを可能にするにはそれなりの仕組みが必要です。
ニンベンのついた自働化
まず個人の技量を磨かなければなりません。トヨタの機械には全て自働停止ボタンがついていて、不都合が発生するとラインを停止しますので、弱い所がすぐに顕在化します。するとその箇所に特訓を施し選手の技能の上達をはかります。強いチームは「チームワーク良し」「個人技量良し」でなければなりません。トヨタではこのようなチームをつくり上げるのが管理・監督職の役割と決められていて野球に例えれば監督・コーチに相当します。このようにして絶えずチームとしての技量を磨き上げることを心がけています。
ロットを小さくしてなるべく同じモノを流さない
トヨタ生産方式の神髄は究極の混流生産ですので段取り替えを頻繁に行わなければなりません。段取り替えを速やかにする工夫が必要になります。そこで数多くの段取り替えのニーズをつくり出し、それに対応するような場を作り出します。例えば一番時間を取るプレスの段取り替えは昭和20年代2〜3時間であったのが30年代15分、40年代後半には3分にまで短縮しています。このように不可能に挑戦する風土をトヨタはつくり出しています。
最終工程のみが日程を持つ
後工程が引き取ったものだけをつくることは最終工程のみが日程を持つことになります。前工程がいつ引き取りに来るかわからない中で、引き取られたものを次に引き取られるまでにキチンとつくらなければなりません。すなわち流れるようにつくらなければなりません。生産工程全体が同期化するような作業手順を確立しなければ不可能です。
生産の平準化が絶対条件
工程全体が同期化を達成するには生産工程が例えば組み立てから機械加工まで流れるようにすることが不可欠です。そのためには作業の平準化のために「標準作業」を決めて行なわなければなりません。この流れを協力会社まで広げなければ意味をなしません。そして最終工程のバラツキが大きいと全体に大きな悪影響を及ぼしますので生産の平準化が絶対条件となります。
自律神経を現場に
このような困難なことを実現するにはいちいち生産管理が口を出さずとも、現場で反射神経を働かせて自立的に最適を求めるしくみがなければなりません。それがカンバン方式であり、ニンベンのついた自働化なのです。現場の問題は現場の最前線が一番良く知っていますので、仕組みさえ整えば自律神経のように最適を求めて縦横に動き始めます。
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