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この一冊で企業がよみがえる
第八章 いまなぜトヨタ方式
いまトヨタ方式が世の中を席巻しています。確かに目先の改善の特効薬としての効果があることも事実です。しかしトヨタ方式の神髄は「企業に永遠の生命を吹き込む」ことにあります。それだけにトヨタ方式を理解することは極めて難解です。難解なトヨタ方式の扉をこじ開けることに成功すれば企業は完全に蘇ります。
067 私たちの言葉で理解を
金田さんの言葉ではなかなか理解出来ません。そこで私たちの言葉で理解するようにしましょう。
まず「問題点を顕在化させる仕組み」これこそが企業にとって一番大切なことではないでしょうか。多くの企業において問題点は深く静かに潜行し、仮に顕在化しかけても隠蔽に走る傾向が強いものです。私自身問題を顕在化させるのにとても苦労しました。
なぜ人は問題を隠そうとするのか。それは問題の発覚がその人の評価を悪くし、場合によっては企業生命の終わりを意味するからです。三菱ふそうのリコール隠しのように、長年の間に少しずつ蓄積した負の遺産がいつのまにか企業の生命を脅かすまでに大きくなっていよいよ隠蔽に走らなければならなくなります。
つまり世の中の一般常識では「間題顕在化の仕組み」が「企業人生の終わりの仕組み」とペアになっているから人は隠蔽に走るのです。従って「間題顕在化の仕組み」が出来てもそれをどのように活用するかについて社員の疑いを取り払うに十分な透明性の高い活用方法を明確にしなければ全く意味がありません。
トヨタ方式のように日常活動として絶えず問題を顕在化する仕組みを確立し、そして問題の存在をカイゼンへの一里塚として喜ぶ職場風土の確立がとても大切になって来ます。また顕在化した問題点をよってたかって解決することが必ず問題顕在化とペアになっていなければ、問題の存在は忌むべきものと化し、隠蔽へと進んで行くことは間違いありません。
このように考えれば「間題顕在化の仕組み」と「行動を起こさせる仕組み」が明確にペアになっているトヨタ生産方式が「徹底的に」をキーワードに「変化し続ける方式」を推進するエンジンであるとの説明が理解出来てきます。トヨタの社長はトヨタには失敗を咎める風土は無いといっています。
「間題顕在化」の扱いにトヨタと他の企業では天と地ほどの差があります。まずこの出発点を同じにしなければいくらトヨタ生産方式を勉強し、採用しても永続するものではありません。まさに企業の大胆な風土改革が必要なのです。ここにトヨタ生産方式の難しさがあることを明確に理解しなければなりません。
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