この一冊で企業はよみがえる 旅のことならあっぷる旅行

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

この一冊で企業がよみがえる

第八章  いまなぜトヨタ方式

いまトヨタ方式が世の中を席巻しています。確かに目先の改善の特効薬としての効果があることも事実です。しかしトヨタ方式の神髄は「企業に永遠の生命を吹き込む」ことにあります。それだけにトヨタ方式を理解することは極めて難解です。難解なトヨタ方式の扉をこじ開けることに成功すれば企業は完全に蘇ります。

066 仕組み? 仕組み!

金田氏の言葉を理解するために「間題顕在化の仕組み」と「行動を起こさせる仕組み」について金田氏の言葉に耳を傾けて見ましょう。

かつて世界中の自動車メーカーは、ラインオフ後に手直しするタッチアップ工場を持っていた。ここで不具合を手直して完成車になる。これは自動車業界では常識であった。しかし、大野さんは部品を組む全ての工程で不良が発生したら必ずラインを止める新たな仕組みをつくった。不良品はその段階ですぐ手直しをする。コンベヤーから出る車は、すべて良品だからタッチアップ工場は必要なくなった。

ラインでの手直しとタッチアップ工場での手直しでは大きな違いがあった。ラインで手直しすると、不良が発生した時、どういう状態でラインが止まったのかがわかる。どんな異常が起きたからその不良が出たかもわかる。それを改善すれば同じ不良は二度と発生しない。タッチアップ工場での手直しでは、原因究明は困難だし、そもそも「なぜ不良品が出たのか」を突き止める必要がない。なぜならタッチアップ工場の存在は業界の常識だからだ。

このように他社では問題が見えていない状態を工夫して問題が見える状態にする。これが問題顕在化の仕組みである。

昔、プレスエ場での段取り替えには三時間はかかっていた。ところが大野さんはこれを「三分にしろ」と言う。いくらなんでもそれは無理だ。しかしトヨタでは、無理なテーマに取り組んだ人は評価される。この制度が「行動を起こさせる仕組み」となる。厳しい言い方だが、困れば人間誰でも知恵を出す、あるいは出さざるを得ない。三時間の段取り替えが二時間に縮まれば、普通は絶大な効率化と言えるが、トヨタの場合は三分が「ありたい姿」であるから、あくまで三分に向かってカイゼンが進む。

従来、同業他社では問題とは見ていなかった問題を「見えるようにする仕組み」と、徹底したカイゼンのための「行動を起こさせる仕組み」この二つが、大野さんがつくり出したメインの仕組みである。これが機能することで、他社では実現不可能なイノベーション(変革)活動を継続できる。

このように具体例で説明されると少し理解出来たような気持ちがします。要するに企業風土が変化しつづけることを良しとする、そのような人間を輩出することが一番大切なことだと言っています。


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