この一冊で企業はよみがえる 旅のことならあっぷる旅行

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

この一冊で企業がよみがえる

第七章 日産流企業蘇生術

日産のゴーン社長による日産蘇生術はまさに企業経営の基本です。忠実にゴーン社長の哲学を学び、強い意志で実行すれば必ず成功する「企業再建の王道」ともいえる手法です。手法は案外簡単ですが、簡単なことを実行することに難しさがあります。

061 全体最適と部分最適

ゴーン社長登場前の日産は部分最適を追い求める会社でした。役員も部門で長く経験をつんだ部門代表のような存在で、全体最適を考えて事業を統括する訓練がなされていませんでした。一方トヨタには常に全体最適を追い求めることが遺伝子に刷り込まれているために、全世界にトヨタ方式が広がっています。

部分最適を追い求める組織を分かりやすく表現すれば「セクショナリズム」となります。営業・設計・製作・資材・運輸などの仕事の接点でどれほどのムダとムリが発生しているかは想像を越えるものがあります。

自分の部門だけの最適を追求した結果が全体としての混乱とムダを生ずることは良くあることです。同時にどれだけ部分的に優れた組織が多数あっても、非常に非効率な組織が「たった一つ」あるだけで、全体としての効率はすべて非効率な「たった一つ」の組織の効率になってしまいます。

大量生産、大量販売の高度成長期には部分の効率を求めることが全体効率を高めることに直結していましたから、多くの企業には「部分最適」を追い求める習性が遺伝子に刷り込まれていて当然です。セクショナリズムが無いと考える方が不自然です。

ゴーン社長はいち早くこの点に目をつけました。就任早々九つの「クロス・ファンクショナル・チームを結成しました。そして共通のゴールとして「事業の発展・収益改善・コスト低減を目的とする計画の提案」を義務付けました。そして全てのチームに聖域・タブー・制約、および日本・欧州・北米の文化的相違に起因する障害は一切排除するというルールを課しました。

このチーム作業には多くの人々が関与し、「行きつ、戻りつ」の激しい論議を経て、提案をまとめあげました。それが日産リバイバルプランとして公表されたのです。日産の再建計画は日産内部の日本人が自ら策定したものであるとゴーン社長は胸をはりました。一握りの経営陣から与えられたものではないと言いたいのでしょう。

ゴーン社長の指導のもと、部分最適しか考えなかった日産の社員が自らの発案で全体最適に向かって動きだしたのです。大きな意識改革です。


 前の頁 > 現在の頁 < 次の頁

WEB管理人 藤原雄一郎 fuji@inox-m2.com
技術指導 by Ivy SOHO
Copyright (C) 2004 iNOX Media Mix All Rights Reserved.