この一冊で企業はよみがえる 旅のことならあっぷる旅行

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この一冊で企業がよみがえる

第七章 日産流企業蘇生術

日産のゴーン社長による日産蘇生術はまさに企業経営の基本です。忠実にゴーン社長の哲学を学び、強い意志で実行すれば必ず成功する「企業再建の王道」ともいえる手法です。手法は案外簡単ですが、簡単なことを実行することに難しさがあります。

060 木を見て、森を見ない

ゴーン社長は日産の内部で優先順位の考え方に混乱があったとも述べています。

「日産は細かな部分であれこれと経費節減に努めていた。海外出張で重役のビジネスクラス航空券使用中止とか社内の紙や事務用品の節約、さらには冷暖房の節約などである。これらの措置は社員に罰を与えているだけで、本質的な問題解決につながるものではない。暖房の設定温度を一度下げるのは、コスト削減のための優先順位設定からの逃避である。」

「社員に罰を与えている」「優先順位設定からの逃避である」などの表現は新鮮です。損益計算書を見ればすぐに分かるはずの「総コストの六十%を占める調達コストの削減」に最重点をおかず、こまごましたことに力を注ぐ、まさに「木を見て、森を見ない」典型例でしょう。

ゴーン社長は「経営トップは責任を持って、優先順位が正しく守られるようにしなくてはならない」と言っています。「優先順位を正しく設定しなおすためには二つのステップが必要である。第一にプラニングを中央集権化すること。第二に、実施に際しての明確な責任系統の確立である。社員が一点のあいまいさもなく、誰が意思決定し、誰が実施責任を負うのかをわかっていなければならない」と述べています。

これこそ企業経営の真髄です。ゴーン社長の言うとおりを実行できれば組織は見違えるほどによみがえります。日本の高度成長期には社員全員が長年の経験から「暗黙知」として「自分はいま何をなすべきか」がわかっていました。それが環境の激変で従来の「暗黙知」が全く役に立たなくなっています。もう一度原点に立ち返り事業戦略プランの抜本的構築をもとに、社員全員が「自分はいま何をなすべきか」を明確にしなければなりません。

そして何より重大なことは、社員一人一人が「今日は勝った」「今日は負けた」ことが明確にわかる仕組みと個人の成果が的確に評価されることに尽きます。


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