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この一冊で企業がよみがえる
第七章 日産流企業蘇生術
日産のゴーン社長による日産蘇生術はまさに企業経営の基本です。忠実にゴーン社長の哲学を学び、強い意志で実行すれば必ず成功する「企業再建の王道」ともいえる手法です。手法は案外簡単ですが、簡単なことを実行することに難しさがあります。
059 経営陣は裸の王様
経営陣と現場の距離を無くすこと、あるいは近づけることは経営の最重点事項です。ゴーン社長は「日産にこの一番大切なことが欠けている」ことをすぐに見破っています。
「ルネッサンス」の中で「重要な問題が浮かび上がってきた。社内で起きていることをマネージメント側が正確に把握していないという問題だった。従業員とマネージメントとの間に双方向コミュニケーションがほとんど存在しなかったのである」と述べています。
ゴーン社長は「マネージメントが会社の現状を詳細に把握していなければ会社を正しく導くのは難しい」との哲学を持っていました。そしてゴーン社長は人から貰うデータや情報だけに依存するつもりはないと全社員に言い、現状に関する情報を社員からじかに仕入れることにしました。大変に重要なポイントです。拙著「重役は裸の王様」にはその重要性について実例をまじえ記述しています。
IBMを再建させたガースナも全く同じです。彼の場合は顧客を含めて、自分の目と耳で現場の実情を正しく把握することに力を注ぎました。この問題をトップマネージメントのことと皆さんは聞き流していませんか?大企業では課長レベルから「裸の王様」は始まるのです。
上司と部下、社内の同僚との間でも「喧嘩をするがごとき激しい議論」がなければなりません。そして上位者はヘリコプタ管理で上空から眺めながら、必要な時には地上に降りてきて、枝葉末節にこだわりを見せるくらいでないと、現実に起こっていることが理解できません。
ゴーン社長は「社長たる者、顧客満足や価値創造にかかわるすべての事柄について、仕事をスピードアップさせる機会や仕事を妨げる障害のすべてについて知っていなければならない」と述べていますがまさにその通りです。
日本の大企業がいかにこの問題で迷路に陥っているか、数多くの実例を知っています。雪印食品、日本ハム、三菱自動車などの不祥事はまさに「経営陣は裸の王様」の典型例ではないでしょうか。社員と経営陣、会社と顧客の間の双方向でのコミュニケーションすなわち情報の共有化が企業経営の基本中の基本です。
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