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この一冊で企業がよみがえる
第七章 日産流企業蘇生術
日産のゴーン社長による日産蘇生術はまさに企業経営の基本です。忠実にゴーン社長の哲学を学び、強い意志で実行すれば必ず成功する「企業再建の王道」ともいえる手法です。手法は案外簡単ですが、簡単なことを実行することに難しさがあります。
058 燃える甲板(プラットフォーム)
それでは日産のゴーン改革をゴーン社長自身の著作である「ルネッサンス」から拾って見ます。(本章でのゴーン社長の言葉は「ルネッサンス」からの引用です)ゴーン社長の実施したことはまさに「平凡なことを積み重ねて平凡でない結果を出す」ことにつきます。
「ルネッサンス」の164頁に日産社員の当時の認識度合いが次のように書かれています。
「誰もが自分たちは目標を達成していると思っているのに、会社の状態は悪い。誰もが、自分個人の仕事は、あるいは自分の部門で取り組んでいる仕事はうまくいっていると感じ、すべての問題の責任は他の部署や部門にあると思い込んでいる。これが日産の姿だった。」
これはまさに「日本経済失われた十年」における日本そのままの姿であると思います。皆さんの会社でも同じではありませんか?日本企業の共通の問題点は「危機意識がなかなか浸透しない」ことにあります。
156頁を見ますと「日産のようにビジネスや事業構造がいかんともしがたいほど日本文化に絡み合っている企業が抜本的な変革に着手するには、燃え盛る甲板(プラットフォーム)が必要である。早く脱出しないと船もろとも海中に没してしまう。生き延びるにはたとえ行き着く先が見えなくとも、ある方向を選んで泳ぎ出さなければならない。重要な決断を下す際には燃え盛る甲板が不可欠である」と述べています。
今多くの企業は「燃え盛る甲板に立っている」との認識を従業員に浸透させるのに苦労しています。「会社が危機なのは良くわかる。リストラも必要だろう。しかし自分だけはリストラの対象になりたくない。会社がつぶれることは無いだろうから嵐が過ぎ去るまで静かに目立たないように隠れていよう」と考える従業員は大企業になるほど多いのです。
この点に関して、ゴーン社長は社員に日産の実情を明確に説明し「復活に貢献するチャンスは社員全員にあるが、貢献したくない社員には二度とチャンスは訪れない」と言い渡しています。ゴーン社長自身「一年目にゴールを達成できなければ去る」と宣言し、本気であることを明確に示しました。一番大切なポイントに的確に手を打ちました。
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