この一冊で企業はよみがえる 旅のことならあっぷる旅行

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

この一冊で企業がよみがえる

第六章 他社が真似の出来ない技術や製品をもつことが生き残りの道

企業蘇生の正念場は破壊の後に「創造」を可能にすることです。誰もが願う「世界で一つ」の差別化はどのようにすれば実現出来るのでしょうか。本章ではこの一番重要な課題に真っ正面から取り組みます。

049 V商品とそれを支えるブラックボックス技術

前章で述べたように松下中村改革による「破壊と創造」において「破壊」の部分では事業部制、販売店網、終身雇用などの聖域に踏み込む数々の改革を実施しました。そして「創造」の部分で中核をなすのは世界で一番を目指すV商品への絞り込みとそれを可能にするブラックボックス技術です。

V商品も次第に成果があがり売上では既に一兆円を越す存在になりました。その代表例は皆様ご存じのDVDレコーダ「ディーガ」とか薄型TVの「ビエラ」やIH炊飯器、新型洗濯機に皿洗い機など多士済々です。

そしてそれを支えるには要素技術が大切であり、出来るだけ多くのブラックボックスを取りそろえることが重要な戦略になっています。例えば今をときめくデジタル家電は半導体の塊であり、半導体に優位性があればデジタル家電に競争力が出てくる大切な部品です。

デジタル家電の生命線を握るシステムLSIなどの半導体を外部から購入していたのでは、どんなに商品のコンセプトが良くても瞬く間に類似品の追い上げを受けてしまいます。そこで松下では徹底した集中と選択を行って「DRAMからの撤退」によりひねり出した経営資源をシステムLSIに集中し、システムLSIの中でも文字通りブラックボックスになりうる分野に集中特化する戦略を取っています。

このような戦略にもとづいて過去最大規模のシステムLSI最先端工場の建設に踏み切っています。そしてシステムLSIのワンチップ化を推し進めることにより、ますます小型高性能のV商品を生み出すことを目指しています。

ブラックボックス戦略はこのような先端技術だけではありません。工場の生産性を上げるのにも必死です。例えば松下寿電子工業では1990年代の大量生産思想を実現させる「自動化ライン」を捨てて「どこにも負けないセル方式」を考案し、全ての作業をワンフロアで行うことが出来る生産方式で工場閉鎖の苦しみから抜けだし抜群の競争力をとりもどしました。

また従来では事業部制の壁が厚く、工場相互間の横串を通す生産技術の交流は「利敵行為」として実現しなかったのが、ドメイン制度の採用で自由に行えるようになり、工場の技術力も格段に向上しています。工作現場に共通しているのは「競争力の低下で工場閉鎖まで追い込まれ、このような苦しみを危機バネとして、従来なら不可能と思われていた革新を成功させている」ことです。


 前の頁 > 現在の頁 < 次の頁

WEB管理人 藤原雄一郎 fuji@inox-m2.com
技術指導 by Ivy SOHO
Copyright (C) 2004 iNOX Media Mix All Rights Reserved.