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この一冊で企業がよみがえる
第六章 他社が真似の出来ない技術や製品をもつことが生き残りの道
企業蘇生の正念場は破壊の後に「創造」を可能にすることです。誰もが願う「世界で一つ」の差別化はどのようにすれば実現出来るのでしょうか。本章ではこの一番重要な課題に真っ正面から取り組みます。
048 自分の個性をはっきり認識することが差別化への始まり
日経ビジネスから元ホンダ社長の川本信彦氏の言葉を借ります。
「日本人の中で、ちょっと価値観が違うと、あいつは変わっていると決めつけて変人扱いする。日本人同士で隣にいる価値観や個性の異なる『変な人』をちゃんと受け入れることからしか、日本人のグローバリゼーションは始まらないのではないでしょうか。
個性を認め合う、その前提として『自分の個性をはっきりと認識する』ことがこれからは特に重要になると思います。世界の中で日本はどんな個性が発揮できるのか、企業で言えば日本企業の価値観を世界にどう示せるかと言う重いテーマです」
また同じく日経ビジネスで松井証券をネット証券の最大手にまで育て上げた松井道夫社長は次のように述べています。
「リーダは、皆で額を寄せ合って『これが組織の結論だ』では駄目です。そんなものは決断ではない。実は結果がわからないから決断が必要なのです。右が天国で左が地獄か、その逆か、とにかく決めるのがリーダです。決まったら信じて進む。結果が間違っていれば潔く退き、次のリーダは逆の意見を言った人から選ぶ。間違った人たちのナンバー2を次のリーダに選んではいけないのです。こういう仕組みを作らなければ、結局問題を先送りして何も決められずに、皆で地獄へ行くしかないのでしょうね。」
この二つの意見は高度成長期を「農耕民族的発想」で成功してきた日本人にとって大きな考え方の転換を必要としていることを示しています。「会議でしか物事が決められない」日本特有の意思決定方式が、経営のスピードを遅らせ、先鋭な結論が会議の総意により、いつの間にか平凡な結論になってしまい、市場の要求と乖離して行くことが明確になっています。
そして何よりも悪いことは「会議で決定したために、失敗の責任の所在があいまいになってしまう」ことです。「皆が努力した結果だから」との意識が、明確な変化への対応を集団で拒否し、競争から取り残される結果となっています。
最近、企画から製造、販売、商品管理までを一貫して、若くて優秀なその道のプロに権限を持たせ、成功している事例が増えてきました。「会議で物事を決定する」ことは「集団での責任回避」と認識して下さい。
まず「他の人と違う、自分の個性をはっきり認識する」ことが他人では真似の出来ない技術への始まりであることを心に銘記し、良いにつけ悪いにつけ、責任の所在を明確にしなければなりません。そして「自分の頭でとことん考える」習慣をとりもどすことです。
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