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この一冊で企業がよみがえる
第四章 まず徹底した意識改革から
「企業が蘇る」ために欠かせないのが徹底した意識改革です。組織の大部分を占める「権限のない社員」が火と燃えて立ち上がれば、風土は一変します。「意識改革なくして企業再生なし」と言い切っても間違いではありません。多くの業績不振企業は意識改革が出来ずに敗れ去っています。
034 「権限のない社員」が企業再生のカギを握っている
それでは意識改革の重要性について具体的事例について学んで行きましょう。組織の大部分を占める「権限のない社員たち」のちょっとした心の持ち方で企業は劇的に変わることを学びたいと思います。
日経ビジネスのそごう和田社長インタビューからは経営不振企業の共通項が浮かび上がって来ます。まず印象的な次の言葉を紹介します。
「私は小売業のプロです。現場を見て、破綻が経営陣だけの責任ではないとすぐに気づきました。社員の中に『悪いのは放漫経営のせいであって、我々は悪くない』という無責任な考え方が蔓延していたのです。」
その根底に「いい加減な社風」がありました。商品知識のテストをすると点数が極端に低い。ルールを守らない。ベテランは面倒な仕事を新人に押しつける。気が遠くなるほどクレーム件数が多いのに、苦情を社の問題として処理せず、その場しのぎの対応に終始する。つぶれる会社はこんなもんだなと実感しました。」
皆さんの職場を見回して下さい。経営不振の会社は多かれ少なかれ似たような傾向にあるのではないでしょうか。「権限のない社員」の心の荒廃を放置していては、何度債権放棄をしても、経営は一向に改善されません。まさに「企業は人」であることを再認識する必要があります。
和田社長は係長の教育に一番力を注いだと言います。およそ企業再建のプロと言われる人々は企業再建とは「人の再生である」と断言しています。それほど多くの不振企業では社員の心の荒廃からモラルが著しく低下して「必要最低限のことをしていれば良い」との思想が職場に蔓延している証拠です。
この言葉は、逆を返せば、日本の企業にはまだまだ希望があると見ることも出来ます。日本電産の永守社長は再建の神様と言われていますが、まさにこの点を鋭くついて、多くの企業を再生させています。
例えば従業員が始業時間ギリギリに出社し、それから作業服に着替え、機械に電源を入れるのを、十五分早く出社し、まず電源を入れて、それから作業服に着替え、職場の回りを整理整頓する。このような基本中の基本をたたき込んで、社員に働く意欲をかき立てています。そして事実ほとんどの不振企業が一年で見事に再建しています。
みなさんの職場はいかがですか。職場のモラルが低下していたら幸運だと思いましょう。当たり前のことを当たり前にするだけで企業がよみがえるからです。その実例を永守社長は示してくれています。
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