この一冊で企業はよみがえる 旅のことならあっぷる旅行

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

この一冊で企業がよみがえる

第三章 失敗から学ぶ蘇生への道

皆さんの目の前には失敗の事例が数多く横たわっています。これらの失敗から共通点を探り出し、的確な対策を打つことが蘇生への近道であることは間違いありません。本章では過去の失敗から貴重な教訓を学びます。

022 客観的な数値経営で精神論から脱却せよ

それでは日本人の特徴である「精神論重視の無謀を挑戦とはき違える精神構造」から脱却するにはどのようにすれば良いのでしょうか。具体例で説明しましょう。

日産のゴーン社長は経営戦略の大枠を明確な形で社員に示し、基本方針の枠を外さない範囲で自由裁量を認めました。そしてその進捗状態を定期的にフォローしてコミットメント(実現すべき約束)が果たされたかをチェックしました。このように明確なルールを定めルールに従って丁寧に実行して行くことはとても大切です。

三菱商事では2001年三月に全ての事業を約二百のビジネス・ユニットに分割して業績や事業戦略をこの単位で把握出来るようにしました。すなわち三菱商事の中に二百の会社が存続して、それぞれが成果を競うシステムです。

そしてこれらのビジネス・ユニットに対して、MCVAと呼ぶ業績評価手法により業績判定を行います。MCVAの詳細説明はしませんが、事業の儲けが資金調達コストを賄えているか?また取引先の信用度や株式・不動産の価格下落リスク、カントリーリスクなどのリスクを考慮すれば業績はどうなるか?と言った観点からビジネス・ユニットを評価します。

さらにこのような評価の結果、ビジネス・ユニットを「将来の種をまく成長型」と、「現在の稼ぎ頭である拡張型」、「期限内に結果を出さなければ縮小・撤退を考える再構築型」の3つに分類し経営資源の有効な配分を行いました。

三菱商事で特筆すべきことは勇気を持って縮小・撤退を果敢に実行したことです。日本の企業ではなかなか撤退・縮小の実行が出来ずにズルズルと傷口を広げています。三菱商事の場合は「再構築型」と明確に宣言することによって、期限内に「再構築型」から脱却出来なければ果敢に縮小・撤退を実行しました。

しかもいち早く「縮小・撤退」を実行し傷口の拡大を事前に阻止することに成功したマネージャーには最大級の賞与を与えて評価しました。

このように明確なルールのもとに厳正な競争をすれば「無謀と挑戦」の差に悩むこともありません。これこそ米軍流の「情報に裏付けされた戦略による作戦の遂行」そのものです。


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