この一冊で企業はよみがえる 旅のことならあっぷる旅行

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

この一冊で企業がよみがえる

第三章 失敗から学ぶ蘇生への道

皆さんの目の前には失敗の事例が数多く横たわっています。これらの失敗から共通点を探り出し、的確な対策を打つことが蘇生への近道であることは間違いありません。本章では過去の失敗から貴重な教訓を学びます。

021 無謀と挑戦のわかれ道

失敗の原因の四つ目は「挑戦」が次第に「無謀」へと変わってしまったことです。

まだ余り真剣になって努力していない時は、高い挑戦目標を立てても成功します。日産の場合ゴーン社長が就任する前の状況がまさにその事例です。ゴーン社長は「世の中の常識と離れた」日産の社員に解決への明確な処方箋を示しました。過去のしがらみを解かれ自由に振る舞うことが可能になった日産は短期間にめざましい飛躍を成し遂げました。しかし日産はこれから無謀と挑戦の分かれ道を迎えます。

私の知っている会社での実話です。その会社は中興の祖とよばれる強いリーダの出現で彼はコスト半減を成し遂げました。ところがそのリーダが経営トップに就任するや状況は一変しました。全社にコスト半減指令が響き渡ったのです。

当然、はじめのうちはめざましい成果が上がります。しかし次々とハードルが高くなっても、最初と同じ成果が出ないのは無能の証(あかし)との職場風土が確立してしまいました。つまり最初に50%のコスト低減が実現すると、後続はそのまた50%の削減を達成しないと無能だと見なされるのです。

しかも悪いことに「改善先取りの安い値段」で受注するものですから、ある時点から目もくらむ赤字が積み上がりました。最初は「挑戦」であったものが、次第に「無謀」へと変化して行ったのです。

部長や課長たちは「挑戦と無謀の差」を良く理解していたのですが
「出来ないと言うと無能の烙印を押される。」
「部下に出来ないことを認めると緊張の糸が切れて、部下が苦しい努力をしなくなる。」との二つの恐怖感から「挑戦では無くて無謀」と言い出すことが出来ず、ずるずると奈落へと墜ちてしまったのです。

経営トップに近くなればなるほど(現場と乖離して)無謀と挑戦の間に明確な一線を引くことが難しくなります。しかし日本海軍の敗戦に見るごとく、ともすれば日本人は「現実には目をつむり、精神力に頼りがち」です。

しかしIT技術の発達した現在では、豊富な情報で足下を固め、しっかりとした基盤の上に立って高い目標を設定し挑戦することが可能です。打つ手に窮したからと精神論で鼓舞するのはまさに無謀以外の何物でもありません。的確な情報収集と情報分析に裏付けされた「戦略に基づく挑戦」と「精神論のみの無謀」とは明確に区別して下さい。


 前の頁 > 現在の頁 < 次の頁

WEB管理人 藤原雄一郎 fuji@inox-m2.com
技術指導 by Ivy SOHO
Copyright (C) 2004 iNOX Media Mix All Rights Reserved.