この一冊で企業はよみがえる 旅のことならあっぷる旅行

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ ビジネスノウハウ満載

この一冊で企業がよみがえる

第三章 失敗から学ぶ蘇生への道

皆さんの目の前には失敗の事例が数多く横たわっています。これらの失敗から共通点を探り出し、的確な対策を打つことが蘇生への近道であることは間違いありません。本章では過去の失敗から貴重な教訓を学びます。

020 全体最適の思考がまだ身についていない

失敗の原因の三つ目は「部分最適から全体最適へ」と思考方法が変わりきっていないことです。しかしこれは経営陣からの命令を待つまでもなく、数多くの「権限のない社員」たちが少し考え方を変えるだけで劇的に変化することが出来ます。

一般的には、永らく分業体制に慣れ親しんできたわけですから、なかなか部分最適から全体最適へと考え方を転換することは出来ません。そこで最初はごく簡単なことから始める必要があるでしょう。

異なった部門の人々がまず知り合いになることです。柴田昌治著「会社はなぜ変われないか」の中で提案されている「オフサイト ミーティング」がそれです。部門の違う人たちがあつまって「健全な井戸端会議」をする場を設けることです。そしてそこで他部門の人たちの考え方を知ることから始めなければなりません。

次に物事を決定するときに関係する他部門の人と一緒になって討議しながら、場合によっては喧嘩しながら決定するプロセスを作り上げることです。自部門にとって良いことが他部門には到底受け入れられない提案であったりすると、時には感情的な喧嘩になることもあるでしょう。そのような葛藤が激しければ激しいほど、相互理解が進みます。自然と全体最適を求める習慣がついて来ます。

製造業では設計・工作・資材・建設・営業などのメンバが工作現場で現物を目の前にして改善のための討議をすることが良くあります。このような方法は比較的簡単にセクショナリズムの排除に役立つものです。

また開発者が直接お客様へ出向いて売り込みをすることも多くの企業で実践されています。チェーン店のような流通業界では本部から販売最前線へ出向いて実際の状況を把握したり、販売最前線に権限を与えて地域に密着した品揃えをすることも必要です。

究極のセクショナリズムの打破は一人の責任者に企画・製作・販売・広告宣伝まで任せてしまうことです。現実にこのような思い切った施策を実施して成果をあげている企業も存在します。

しかしここで大切なのは目的を忘れないことです。あくまでも「全体最適を考えることが生き残りの道」との基本スタンスを崩してはいけません。「どうすれば全体最適になるのか」を突き詰めてゆくことが最も大切なことです。そうすれば自然と「何をどのようにしなければならないか」が見えて来ます。

また長らく部分最適に親しんできたわけですから、「部分最適における弊害」という宝の山が埋まっています。その弊害を全体最適の目で取り除くと、効果は劇的ですから、ドンドン改善は進みます。


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