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藤原雄一郎の時事通信 2007年8月号

 騒ぎすぎ 朝青龍問題  8/31 

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最近マスコミが執念を持ってキャンペーンを張っていることが二つあります。その一つは「安部退陣」でありもう一つが「朝青龍我が儘盛り上げ」です。マスコミにとって残念なのは安部改造内閣の支持率が軒並み上昇したことです。そこで各社競って「朝青龍問題」にとびついています。テレビに映し出される狂想曲はすでに常軌を大幅に逸しています。

そもそも最近の大相撲は「国技」と呼ぶにはふさわしくなくなっています。大相撲を伝統芸能ととらえる傾向が未だに去っていませんが、それはそれで一つの見識でしょう。そうであるならば伝統芸能的な側面が維持される状況を相撲協会はつくらなければなりません。伝統芸能はその国の人間にしか伝承出来ない民族の文化です。

それを嵐のごとく外国人に門戸を開放し、その結果随分長い間日本人横綱不在です。文化も風習も違う外国人に、ろくすっぽ伝統芸能の心を植え付けもせず、「強いのが正義」みたいな風潮を作り出した相撲協会に大きな問題があります。このような状態でのし上がってきた横綱に「心技体」などと要求しても通じるはずがないではありませんか。

特に朝青龍については一人横綱で今まで甘やかし放題にしておいて、やっと二人目のモンゴル人横綱が誕生したからと言って、急に厳しくしても「我が儘放題を放置してきた」朝青龍にとってはキョトンとするばかりです。

ここは「大相撲は国技」であることを即刻やめて、余計な権威つけでごまかそうとする横綱審議会も廃止して、格闘技「K-1」やプロレスと同格におくべきです。そうすれば朝青龍問題でこれほど騒ぐこともありません。外国人もドンドン入れて全く差し支えありません。要するに「伝統芸能をサラリと捨てる」ことです。「大相撲も格闘技の一つ」と位置つければ良いではありませんか。

それがいやなら、外国人を全員締め出し、歌舞伎や能や狂言のような伝統芸能の世界に没頭すれば良いのです。今やプロレスや「K-1」並になっている大相撲に、変に上品ぶった権威つけをするようなことは断固やめて欲しいと思います。日本からまた一つ、伝統芸能が消えたと認識すべきです。このへんの整理をマスコミはすべきなのです。

安部問題といい、朝青龍問題といい、問題の本質に鋭くメスを入れる役割を放棄し、「弱い物を徹底的に叩いて国民の関心を買う」マスコミの視聴率至上主義は日本の品位を大いに傷つけています。メディアは強い影響力を持っていますから、長い間に日本を破滅の淵に追い込んでゆくことでしょう。これがマスコミのいう崇高な理念でしょうか。「あるある捏造」で見るごとく、全く自浄能力のないマスコミを追放しないかぎり日本の将来はありません。

 人心一新 内閣改造  8/29 

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参院選の惨敗を受けて、自民党役員人事ならびに内閣改造が遅まきながら実施されました。メディアの報道姿勢はきわめて明確で「安倍政権打倒」を前提とし、各社それぞれに「自分のストーリをあらかじめ組み立て、それに合致する情報を取り上げる」という、かって私が取材対象として苦渋をなめた手法そのものでの報道ぶりが感じられました。

人事というものはどんなに立派でもケチをつけることはいくらでも出来ます。各メディアは散々の罵詈雑言を今回の人事に浴びせかけましたが、そのような世論誘導にもかかわらず、世論調査では軒並み10ポイント以上支持率は上昇しています。今後は世論調査という国民の声とメディアの綱引きが始まることでしょう。

さて安部総理は小泉手法を引き継いで、派閥の推薦を一切受けない方針を貫きました。おかげで、名前はあえてあげませんが、女性法務大臣で、その無能さを満天にしめしたような年功序列、派閥滞貨一掃人事は少なくなり、いわゆる業務に精通している人が要職についたのは評価できると思います。またあの小泉総理ですら手をつけられなかった参院人事にメスを入れたのも評価出来ると思います。

当然順送りで入閣すると思っていた当の本人がモーニングまで準備してテレビに登場し、結局入閣がなかったと安部総理に直接電話で執拗に抗議したのはまことに情けなく、恥を満天にさらしています。どこの会社に役員になれなかったと社長にねじ込む会社があるでしょうか。もしあるとすれば危ない会社です。それが自民党参院の実態です。

今こそ参院敗北を受け、参院改革に踏み出したのですから、当の本人に「人事は総理の決定することで説明の必要はない」とつっぱねれば良いものを「私が続投していたら次回には起用する」などとリーダシップ欠落の対応を安部総理がしたのには失望しました。

今回の内閣改造での目玉は総務大臣と厚生労働大臣であることは衆目の一致するところで私もそのように思います。そのような期待が支持率上昇になったのでしょう。ただ桝添大臣は「諸刃の剣」で、救世主になるか自爆テロになるか予断を許しません。また岩手県知事を総務大臣に持ってきたのは良いのですが、安倍内閣としてどのような方向で取り組むのかが見えていません。また地方を見下す中央官僚が地方で名をなした大臣の意向に従うかも注目です。この二人にかける国民の期待が大きいだけに、期待が失望にかわった時が、本当に安倍政権ならびに自民党の終わりです。

またこれだけ思想信条のことなった実力大臣が顔をそろえていますので、閣内不一致も心配です。いよいよ安倍総理のリーダシップが試されます。国民の多くは安倍総理にかわる人材がいないことを熟知しています。ここは自民党が一体となって、進むべき方向性を明確にして、必死になって安倍総理をささえることです。まず、参院で与党となった「民主党の政権担当能力」に揺さぶりをかけ、民主党が政策よりは政局を、すなわち「何でも反対で安倍政権打倒のみに突っ走るのか」をあぶり出すために、自民党は一致結束して民主党を揺さぶるべきです。

その第一歩が「テロ特措法」への対応であり、「天下り禁止」「年金資金の流用禁止」の三点セットです。多くの煽動型評論家は自民党が「テロ特措法」で自爆するような一大キャンペーンを打ち上げています。これら悪意に満ちた評論家どもにその作戦が誤りであったことを天下に示せば安倍政権も生き返ることでしょう。

それにしても安部総理の説明能力の欠如には絶望感が走ります。せっかくの記者会見も退屈で聞く気がしませんでした。リーダシップと説明能力に大きな疑問符のつく安倍さん!がんばって下さい!

 地域格差論議 「国のありかたを抜本的に考える」 

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「地域格差の是正」これはきわめて難しい問題です。日本経済が輝き、世界を席巻していた時代はまだ国の財政も豊かでした。その時の思考パターンが今もしみついて、「国の懐には無尽蔵のお金がある」との幻想にとりつかれています。誰もが国と地方自治体をあわせた借金が1000兆円を超える危機的状態であることは承知していても、実際にその借金を返済するわけでもなく(返済はしていますが、それ以上の借金を積みましていますから結局は返済していないのと同じです)、「借金踏み倒しの官僚と政治家の精神構造」がありますから、実感として国民には伝わってきません。

自民も、民主もバラマキ政策でさらに借金踏み倒しへとつき進もうとしていますし、また財政危機に直面する自治体はもはや思考停止状態です。ここで基本中の基本を考えてみようではありませんか。

「地方交付税」が自治体を脳死状態に追い込んでいます。「全国あまねく、どこに住もうとも、同じ行政サービスを受ける」という大前提があるから、地方の赤字補填に税金をつぎ込んでいます。自治体は経営努力で財政が改善すると地方交付税を減らされますから、バラマキへと走ります。そこでその大前提を破棄するのです。

北海道と同じ程度の広さと人口の国で、立派に国を運営している事例は、北欧をはじめとして数多くあります。あらためて日本政府は何をするのかを考え直し、ここは国のありかたを根本的に考え直す時だと思います。私の提案では「国の役割は防衛(軍隊)と外交」に絞ります。それ以外は道州制を徹底し、日本に自己完結型の「いくつかの独立国家」を作るのです。

もちろん「税制も教育も福祉も住むところで全部異なっても良い。」「税制は道州で自由に設定できるし、税の徴収ならびに使用権限は道州にある。」「国を運営する費用は道州からの上納金でまかなう」このような大前提で「規制を徹底的に撤廃し、地方に大幅な行政、立法、司法権限を移譲する」のです。

もちろん道州は自己完結、独立採算となります。そして日本国民に対して、自分の道州へ勧誘合戦をすれば良いのです。日本は連邦制度へと移行するのです。北欧のように「高福祉、高負担」の道州があっても良いし、アメリカ型の「自由競争、弱肉強食」の道州があっても良いではありませんか。どれを選択するかは国民の自由です。

丁度欧州のEUをイメージしてください。国民は道州を自由に行き来できて、通貨も同じです。ただEUと異なるのは防衛と外交は連邦政府にまかせるところだけです。教育を売り物にする道州があっても良いではありませんか。何もかも中央の官僚が指示し、地方を脳死状態に追いやっている現状をを打破し、自由に考える力を我が日本国にとりもどすのです。中央集権から地方分権に一度大きく舵を切ってみてはいかがでしょうか?

 安倍さん!何とかならないの?  8/22 

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私の下関時代「安部総理の素顔を知る機会を得た」私としては「安倍ひいき」で、こと安部総理に関しては、とても客観的に時事通信を書いているとは思えないことは事実です。その私が、あまりの安倍不人気に落ち込んでいます。しかもその理由が「組織をひっぱって行く、リーダシップに欠ける」というのですから、本当に泣けてきます。

たしかにその通りです。ごく最近の小池百合子騒動などはその最たるものです。安倍ひいきの私ですら「安倍さん!一体どうなっているの」と嘆くくらいです。とにかく物事が発生した時の反応がきわめて鈍感なのです。そして一番初めのもっとも大切な時に「何事もない」と事態の深刻さを否定し、やがて「騒ぎが大きくなって初めて対策をとる」ことの繰り返しです。このスタイルがあるかぎり、安倍総理は再起不能ではないかとさえ思われます。今回でも騒ぎが起こった瞬間に「小池、塩崎!一体何をやっているのか。今はそのような争いをしている時ではなかろう」と公衆の面前で、二人を痛罵すれば良いのです。そして「お前らが解決出来ないのなら、俺が直ちに解決させる」とすごめばよほど印象はちがったことでしょう。

27日に予定されている人事が終われば、一斉に不満分子が蜂起すると思います。また小池百合子への対応を誤れば田中真紀子の二の舞になることは火を見るよりあきらかです。その時に安部総理がどれだけ人心を掌握できるかですが、よほど大きな変身を遂げない限り、従来の延長線上ではその期待もむなしいように思えてなりません。

そして自民党も自民党です。自民党の賞味期限は何度も申し上げている通り、かなり前から切れています。このような自民党の一大事に、仲間内で権力闘争などしている暇は無いのです。「安部総理の代わりに誰が登場しても、全く代わり映えはしない」ことがどうして理解出来ないのでしょうか。まがりなりにも安倍政権は小泉路線を踏襲しています。しかし安部総理を引きずりおろしたあとは、「派閥均衡型ボス政治」に戻ることは確実です。そして年功序列で無能な大臣を輩出して、今度こそ自民党に最後の時が訪れます。

誰の目にもこのような事態が予想されるとき、どうして足の引っ張り合いばかりするのでしょうか?ここは難破船である安倍丸を沈没から救うための党内一致結束が必要なのではありませんか。幸い民主党が参院で躍進し、野党が与党となりました。民主党はもはや野党的無責任な行動は取れません。ここで堂々と政策論争を挑み、どちらが政権担当能力を持っているかを日本国民に示す大切な時期です。総理の面前でしたり顔に退陣を求める演説をする暇があれば、その目を国民にむけるべきです。

安部総理を引きづりおろしても、自民党の将来に活路はありません。だからこそ安部総理も続投出来たのです。だからこそ安倍政権の力を自民党内が一致結束して盛り返す以外に選択肢がないことを、自民党の先生方は明確に自覚して欲しいものです。

 地域格差にどのように対応すれば良いのか  8/15

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地域格差は厳然と存在しています。地方では十分な仕事が無く、ワーキングプアーを生み出していることも事実です。田中角栄の「日本列島改造論」以来、地方の実質的な失業の対策として、公共工事のバラマキで、土建業をその受け皿としてきました。そこに数々の政官業の癒着を産み、1000兆円近い多額の借金を後世に残す、自民党の大失政でした。

マクロ経済学者は、金をドブに捨てても、バラマキ財政は経済を活性化すると主張していましたが、全く効果がなく借金の山を築く結果になったのは歴史が証明しています。本来のマクロ経済では政府がお金を投じると、そのお金の何倍、何十倍もの波及効果があるとの学説でした。

ところが失業対策としての公共投資は、注入した金額だけの経済効果しかないことは誰が考えても自明の真理です。そして談合や政治利権でお金はきわめて非効率に使用されます。いわば税金のムダ使いです。ところが地方自治体は未だに建物を中心とした「箱物行政」の呪縛から脱皮していません。しかし国と地方の莫大な借金と年金、医療などの費用の天文学的増大で、このような再生産の効果のない公共事業に投入する資金が枯渇してきました。まさに「無い袖は振れない」状態なのです。

何も小泉首相の自由競争政策の結果ではありません。自由競争は経済がグローバル化した現在では誰が総理になっても防ぎようがありません。国の財政破綻を懸念した小泉政権は投資効率の悪い公共事業の削減に踏み切ったのです。その結果、箱物行政で散々国の税金を食い物にしてきた夕張市など、地方自治体は破綻または破綻寸前となり、地方格差は拡大したのです。

参院惨敗を受けて、民主・自民ともに将来を考えない借金行政で過去のバラマキ行政に逆戻りする方向にあります。過去の失敗をここで再現するつもりです。

地方の格差解消のためには手を打たなければなりません。それは「規制緩和で新しい仕事を生み出す」ことです。地方の建設業者の中には農業に業態を変えつつあるところもあります。農業の規制緩和を大幅に進め、小規模・非効率農業から大規模・高効率農業へ転換すれば、建設業を中心とした労働力が生き返ります。

また中国製の農産物の安全・安心が懸念されている現在、大規模・高効率の農業が登場すれば、安価で品質の良い農産物が提供され、また自給率も高まる一石三鳥もの効果があります。日本よりはるかに高い価格の米が中国で完売したり、和牛が国際的な人気を博すなど、日本の品質へのこだわりは輸出の面でも大いに効果があることでしょう。

世界を一時席巻した製造業の低価格・高品質の成功例を、農業、畜産、林業の分野へ水平展開するには既得権益にまみれ、ガンジガラメの規制を撤廃し、参入機会を増加させるべきです。農業の活性化は全ての地方で可能です。これこそ格差解消の切り札ではないのでしょうか。

 民主・自民の先祖かえり  8/13

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相変わらず安部たたきは続いていますが、その課程で、今後の政治の行く末がおぼろげながら見えてきたように思います。それは「民主・自民双方による古い自民への先祖かえり」です。小沢民主は小泉政権の改革路線が格差を生んだとして、昔の自民党でさえしなかった農家への所得補償という驚くべきバラマキを公約しました。

一方自民は今回の敗北を受けて、既得権益層へのバラマキ行政こそが格差是正だと公共工事増額の大合唱です。全く芸がないことおびただしいと思います。格差是正が失業対策のバラマキであれば、それは未来永劫続けなければなりません。全くの「死に金」です。これでは日本の財政破綻はますます加速されます。そして結局増税で泣くのは既得権益とは無縁の私たち庶民です。

もちろん格差是正はきわめて大切ですが、中国製食品の安全・安心に対する懸念を背景に、例えば農業の大幅自由化で効率の良い、安価で品質の良い農業製品を生み出す、一大構造改革で農業の活性化を目指すべきです。そのためには農地を解放し、株式会社化などの規制緩和こそが必要です。

小規模農家に生産価格と市場価格の差を補填するという「競争原理を排除した民主の案」では「努力しなければそれだけ多くの補填金が貰える」と農業の非効率をますます増長させるだけで、百害あって一利なしです。地方交付税の非効率(コストダウンをすると補助金が減らされる)を農業にまで蔓延させるだけではありませんか。思い切った規制緩和で現在疲弊している建設業者と大規模農業の合体による大規模農業株式会社の登場で農業を蘇らすことです。このように地方活性化の方法はバラマキ以外にいくらでもあります。

また民主党の改革阻止の姿勢も見えてきました。今度の参院選の結果に対する安部居座りは民意無視と連呼しながら、あれほど明確に民意が示された郵政民営化を凍結する法案を出したことです。これこそ最大の民意無視ではありませんか。そしてアメリカ大使との面談では「アメリカの番犬」と揶揄された自民党のむこうを張って「アメリカ隷属からの脱皮」を申し出ています。

一般向けのするかっこいい姿勢ですが、日本の安全保障がアメリカ頼みで、アメリカが真剣に日本の防衛をしてくれるのか疑問視されている中でアメリカを怒らして、日本の安全保障をどうするつもりでしょう。まさかアメリカに頼らず日本は核武装して、自分自身を守るつもりでもないでしょう。

久間前大臣がアメリカに批判的な発言をしただけで、訪米してもアメリカ要人は会ってさえくれませんでした。日本の安全保障の基本姿勢もなく、いたづらにアメリカと対立するのは野党なら大いに結構ですが、政権を担当する政党としては無責任きわまりない行動だといえるでしょう。

また自民は自民で安倍総理をなめきって、古い自民への先祖帰りに懸命です。安倍総理を引きずりおろしても、ますます自民消滅へのカウントダウンが加速するだけです。私利私欲、権力抗争むき出しの今の自民にはほとほと嫌気がさします。この上はせめてエリート官僚に厳しい民主と安倍総理が組んで、自民党抵抗勢力や官僚と決死の戦いをして欲しいものです。そのための第一歩は政治資金規正法と官僚の天下り防止法案を「民主案丸呑み」にして、改革を一歩前進させることだと思います。

 チャイナ・フリー(中国製品は置いていません)  8/10

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今、アメリカでは商店の目立つところに「チャイナ・フリー」の看板を出すことが流行となっているようです。あの衝撃的な「ダンボール入り肉まん」でもわかる通り、中国製品の粗悪さがアメリカの消費者に浸透し、チィナフリー、すなわち「中国製品は置いていません」と明示しないとお客が逃げる事態にまでなったのです。

中国では拝金主義が蔓延しており、あの広大な中国を政府も十分に統制できないどころが、お役人の腐敗も進んでいると言います。「世界の工場」中国とこの現実との落差はどこから来るのでしょうか。20年も前から中国で生産してきた私から見れば、その落差は良く理解できるのです。

もともと過去から現在に至るまで、中国の品質は劣悪で拝金主義が蔓延しています。ですから中国製品をそのまま購入すれば、当然「安かろう、悪かろうの中国製品」になります。今も昔も変わりません。それを私たちが「中国の工場設備と人員を借りて、私たちの品質管理、生産管理をいかに中国の工場に植えつけるか」が私たちの大きな課題だったのです。

それに成功したのがユニクロだったのでしょう。このような動きが全世界に広がり「中国は世界の工場」の地位を得たのです。ですから中国の実力でのし上がったのではなく、豊富で安価な労働力だけで勝負してきたわけです。その結果中国製品に対する信用が高まり、実力のない中国の企業の製品まで世界が購入するようになったのです。

しかし、このような諸外国の努力をもってしても、絶えず厳しい監視を続けていなければ品質は維持されません。真夜中に監視の人間をはりつけなかったばかりに、手抜きをされて大きな損失を出した経験もあります。

今、話題になっているのは特に「食の安全、安心」です。大手の商社はこの辺のことを熟知していますから、日本流の品質管理、生産管理を徹底し、本来は安全なのです。ところが中小の商社は力がありませんから、結局値段にひかれて粗悪品をつかまされるのです。しかし一般消費者は食品の管理が大手か中小かわかりません。ですから「中国の食料品全体が安全性に欠ける」と判断し、私などは中国産の食品は一切購入しません。

日本でもミートホープのような会社が存在して来ました。ましてや拝金主義蔓延の中国では、このようなことが起こらないはずがありません。結局「中国製品と真面目に取り組んできた会社まで消費者に見放されてしまう」という、まことにもったいない事態になります。中国ももっともっと品質に力を入れないと、せっかくの中国の発展に水をかけることになることを重大視して欲しいものです。

 参院議長に江田五月氏  8/8

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参院選での民主党圧勝を受けて、参院での民主党人事が固まりました。参院議長には江田五月氏が、民主党議員会長には日教組出身の輿石氏の就任が内定しました。参院は自民では既得権益を代表する組織で固めた議員が(今回の参院選で、医師会代表議員などかなり討ち死にし、参院自民の大掃除には成功したのですが・・・)、かたや民主では日教組、「働かない組合」自治労、民間労組出身者など改革に背を向ける議員がゴロゴロしています。

その民主党の要である議員会長に日教組出身者の輿石氏、そして注目の議長に江田五月氏の内定です。江田議長の起用は民主党内の旧自民の保守派と旧社民党など左派勢力のどちらにも属さない中間的存在としての役割を江田氏に期待してのことでしょう。これではまるで自民と旧社会党が表面では厳しく対立しながら、裏では取引していたいわゆる「55年体制」を思い起こす人事です。

旧態依然の古い参院がますます既得権益層の魔窟になった気がします。民主に期待を持って投票した人々は参院改革の旗手として民主党に一票を投じたのではないでしょうか。民主党参院人事には改革の「カの字」も感じられずがっかりです。結局一昔(ひとむかし)も二昔も前の55年体制に日本は先祖かえりをするのでしょうか。マスコミの煽動した結果がこのありさまです。

一方マスコミが「続投、居直り、民意無視」と口を極めて非難した効果が顕著にあらわれ、安部内閣の支持率は危険水域を割り込みました。しかし参院選の敗北を錦の御旗に例えば政治資金規正法などは「いわゆる民意」にそうかたちでの再検討がなされています。今後の人事では「挙党一致」の名目で、自民の派閥政治への先祖かえりが危惧されますが、そこを国民の納得する形で乗り切って欲しいものです。

まさに安倍総理は正念場を迎えました。はっきり言って賞味期限切れの自民は小泉前総理のたぐいまれなる「国民を煽る」手法で自民党を生きながらえさせて来ました。今の自民党は安倍総理を退陣させて誰が総理になっても、「派閥政治への先祖帰り」で、いよいよその賞味期限切れを明確にするだけです。それより「政治の空白」をさけて安倍総理を続投させたほうがよほど国益に沿っています。一方の民主党も「改革に一生懸命逆行してきた」働かない組合「自治労」を筆頭に、既得権益層が巣くう組織です。

小泉前総理は自民党ばかりではなく、民主党や共産、社民党など日本の政治をぶっ壊してしまいました。小泉前総理の引いた「小さな政府、官僚の税金無駄使いの排除」路線はもう後戻り出来ないところに来ていると明確に認識し、正しい方向へと日本を導く政治家は消えてしまいました。この上は私たち国民が腹をすえて我が国の行く末を誤らないように、マスコミ煽動の呪縛から脱出することだとしみじみ思いました。

 参院選の結果について  8/1 

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ご承知のように参院選は自民の大敗北で終わりました。マスコミは実にヒステリックに安倍続投を批判しています。特に「安倍おろし」に狂奔した朝日新聞はせっかく自民大敗に成功したのに、肝心の安部総理が居座ることに対して、社説で狂ったように批判しています。朝日新聞は「安倍続投にはあきれた」と言っていますが、朝日新聞の常軌を逸した感情的な報道姿勢こそ「あきれた」ものです。報道機関ではありません。

その中で、何と労働組合の総元締めである連合の高木会長がきわめて冷静に次のように言っています。 まず高木氏は「政治とカネや閣僚の問題発言など自民党の失点があるので、今回は有権者が民主党に票を入れた」と述べ、民主党の勝利は「敵失」だったと分析しています。まことにその通りで、自民敗北の最大の原因は閣僚のお粗末さで赤城大臣はまさに自民大敗北への「トドメ」をさしたと言わざるを得ません。

また高木会長は「次の衆院選に向け、政策準備をていねいにやってほしい。解散だけにギラギラすると国民の支援を失う」と語り、衆院解散に追い込むための与党との駆け引きより、自らの政策の充実を目指すべきだと提言しまた。まさにその通りで、今回の民主の甘い言葉には財政的な裏付けが何もありません。せっかく参院で議会運営の主導権を担うことができるようになったわけですから、国政調査権を活用し、何でも反対と寝っ転がるのではなく、民主党本来の美点である政策をしっかりと打ち立て、「やはり信頼できる民主党」との評価を確立してこそ初めて政権担当の準備ができたと思います。民主党の支援団体である、この「労働組合の元締め」の高木会長の含蓄のある言葉を小沢代表はかみしめてもらいたいと思います。

安部総理が退陣し、早期の解散総選挙に打ってでても、現状は何も変わらず、ジリ貧になるだけです。そこをマスコミは「安倍退陣、衆院の解散総選挙」をすれば全てがバラ色であるかのごとき幻想を振りまいています。現在の衆院は三分の二の勢力を誇る与党の大切な宝で今後しばらくはこれ以上の宝を手に入れることはできません。ですから早期解散などするはずがないのです。早期解散は与党にとって自爆テロみたいなものです。ここを見失わないで下さい。

さらに自民大敗北の中にあって安部総理肝いりの候補者はほとんど当選しています。6勝23敗と惨敗した1人区のうち、和歌山の世耕弘成首相補佐官(広報担当)、群馬の山本一太、山口の林芳正両氏らが当選しています。東京選挙区で当選した丸川珠代氏も、安倍首相が人選した候補であり、逆に同選挙区では、3選が有力視された伊吹派の保坂三蔵氏が落選しました。 比例代表でも、やはり首相補佐官(拉致問題担当)の中山恭子氏、教育再生会議の担当室長に抜てきされた義家弘介氏などが、公示直前の出馬にもかかわらず当選しました。

安部総理が「現状の候補者では選挙に勝てない」からと候補者の差し替えを要求したのに、現状を理解しない青木-片山ラインは断固拒否しました。そして旧態依然の既得権益層の組織固めで選挙を戦い、惨敗したのです。ですから参院自民党の改革こそ急がねばならないのです。小泉前総理は文字通り「自民党の古い体質をブチ壊した」のです。そのあおりを後継の安部総理がモロに受けたと解釈しましょう。

民主党は小沢代表の古い自民への先祖返り選挙に打ってでましたが、唯一良かった点は若い候補、女性候補を擁立し、見るからに古色蒼然とした自民党の候補と戦わせたことです。「姫の虎退治」がその典型例です。既得権益死守の自民の組織は小泉さんがブチ壊していますから地方にも賞味期限が切れた自民党に忠義立てする必要性が無くなったところに、新鮮な民主党の候補があらわれ、財政的裏付けのない甘い言葉で誘った結果、地方での民主の大勝利に結びつきました。

参院自民は「地方組織が壊滅した現状を熟知している安部総理など側近の危機感を全く無視」し、我を通した結果の大敗北です。このような参院自民を近代化するのが今、自民党に一番求められていることです。自民党は旧来の既得権益死守の組織選挙に変わる有効な手段を未だ見つけていません。ここを立て直さなければ容易に衆院の解散総選挙には打ってでられないのです。解散総選挙は民主が参院大勝に浮かれて、政策そっちのけで、あらゆる法案に寝っ転がり、国民の民主に対する信頼が地に落ちた時を見計らって伝家の宝刀を抜きます。

ですから今度は自民が虎視眈々と民主の「敵失」を待つ番です。参院での数の横暴を縦横に駆使し、すべての法案に対して寝っ転がったら、自民の思うつぼです。高木会長の言う「解散だけにギラギラすると国民の支援を失う」という貴重な言葉をかみしめて、党利党略から離れて、国民の信頼を得ることができる政策競争に与野党ともに励んで欲しいものです。そうすれば今回の参院選は日本の歴史を変える重要なターニング・ポイントとなります。

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