ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2007年4月号

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪

藤原雄一郎の時事通信 2007年4月号

 新聞の報道姿勢 4/27

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

週刊朝日が各大新聞で「長崎市長射殺事件と安倍首相秘書との接点」の広告を出しました。しかも「山口組系水心会と安倍首相の『関係』を警察庁幹部が激白」と言う副見出しがついていますので、この広告を見れば安倍首相の関係者があたかも暴力団と関係があったと誰しも思うことでしょう。

これに対して安倍首相が激怒し、法廷闘争へ持ち込むと息巻きました。すると今度は朝日新聞が朝刊の社会面で、週刊朝日の山口一臣編集長の「一部広告の見出しに安倍首相が射殺犯と関係があるかのような不適切な表現がありました。おわびいたします」という話を掲載しました。これでこの広告が捏造であることが判明しました。まさに「あるある捏造事件」と同じことが朝日新聞ならびに週間朝日でも起こっていたことになります。

このような無責任な捏造を放置していて良いのでしょうか。安倍首相のような力のある人間だから週刊朝日も捏造を告白したわけですが、力の無い人は捏造広告で社会的生命をたたれることもあります。

一般に新聞記者と言っても社会部の記者はその品性に問題のある傲慢無礼な人がいます。私の現役時代、自然現象で尊い命を奪われる事故が発生しました。当然大勢の新聞記者が押しかけてきます。そして死亡者の顔写真を出せ、出せぬで総務課長と言い合いになりました。当時負傷者もいましたが、その新聞記者は「次に死亡する人の顔写真を今から準備しておけ」との捨てゼリフを総務課長に発しました。負傷者への必死の治療に全力をあげているさなかに、総務課長はあまりの非人道的発言を聞いて、思わず涙したと私に報告しました。

この経験から鳥インフルエンザで問題になった人が自殺した時、マスコミが彼を死に追いやったと直感しましたが、その後、メディアは知らんぷりです。知る権利を振りかざし、一方でこのような非人道的発言をする記者が許されるはずもありません。

社会部の記者に比較して経済部の記者は温和しいです。私の現役時代、ビジネスマンなら誰でも購読している経済新聞のインタビューを受けました。そしてそれが記事になって、私は本当にびっくりしました。確かに記事の中の私の発言はその通りです。しかし趣旨が全くねじ曲げられているのです。

あらかじめストーリを決めておいて、その趣旨にあう発言をそのまま埋め込む手法です。「発言は正しいが趣旨が全く違う」記事に仕上げられるのです。会社に迷惑をかけたとお詫びをしたら「藤原君、そのようなことはしょっちゅうあるから心配するな」との言葉を貰いました。あるある捏造現象は「誰もが素直に信じる」傾向のある大新聞にも潜んでいるということを皆さんに知って貰いたいのです。

メルマガやブログは無法地帯のネットで存在しますから、このようなことは日常茶飯事です。しかし大新聞は真実の報道をして欲しいものです。また読者は大新聞の報道に対して、無法地帯のネットのように真贋を見抜く力を持たねばならないと痛感しました。

 課長が市長に 統一地方選挙総括 4/25

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

統一地方選挙が今月二度にわたって行われました。その特徴としてとらえるべきことは、政治に関心を失ったせいか、投票率が低下したことと、自民、民主などの政党が十分に魅力を発揮出来なかったことです。

また注目すべき選挙も結構ありました。まず長崎市長選挙です。伊藤市長が暴力団員の凶弾に倒れて、選挙目前に市長の娘婿が立候補しました。同時に長崎市の課長も立候補しました。長崎の実情には疎いのですが、この間際に立候補した二人がトップを争いました。よほど対立候補が泡沫だったのでしょう。

そして当選したのは長崎市の課長さん。企業で言えば一介の課長が三日間で社長にまでのぼりつめたことになります。伊藤市長の跡を継ぐものが弔い合戦で勝利するのが常識です。長崎市民はこの常識に「ノウ」をつきつけ課長さんを選びました。また果敢に挑戦した課長さんには脱帽です。

次に高知県東洋町です。高レベル放射性廃棄物の最終処分場に「ノー」という民意を突きつけたのです。過疎で財政難の町で政府からの高額の補助金という餌を振り切っての町民の選択です。これも常識を覆す決定です。

さらに8日に行われた滋賀県の県議会では新幹線の新駅凍結に反対する自民党が大幅に議席を減らし、今後は新駅凍結の方向に舵をきると予想される事態まで招きました。

以上のべた例では民意が従来と大きく変わっている証拠を示しています。それにもかかわらず、旧態依然とした参院自民党と民主党の小沢代表は、従来通りの既得権益を守る組織を固めることに躍起になっています。いいかげんに目を覚ましたらと思うのですが、彼らの常識は世間の非常識という従来志思考から脱却できていないのでしょう。

安倍総理も支持率の低下に歯止めがかかり、天下り禁止についてもあれほど総理を馬鹿にした発言を繰り返し、反対していた参院片山幹事長を一応は黙らせることに成功しています。たぶん官僚にとって死命を制する大切なことがらですから、必死になって骨抜きに勤めるでしょうが、表面的には一歩前進です。

この調子でドンドン税金の無駄使いにメスを入れれば国民も自民党を見直すこと必定です。民主党も「格差、格差」と内容のないお経を唱えないで、国民の琴線にふれる政策を出して欲しいものです。このままでは自民も民主も国民から愛想をつかされます。両党に奮起して貰いたいものです。

 天下りと官製談合 4/23 

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

お役人のモラルも「ここまで地に落ちたか」という事件が発覚しました。緑資源機構という耳慣れない組織が官製談合を組織的に行っていたのです。しかも仕事を落とす相手はこれまた天下り先の公益法人で、まさに税金泥棒以外の何物でもありません。

緑資源機構自体が官僚の天下りの受け皿であり、さらに仕事を重点的に発注していた相手がこれまた天下り受け入れ数を基準に選ばれていたというのですから、「乱脈もここにきわまれり」と言っても過言ではありません。

このような実態は公然の秘密であったのでしょう。時代の流れが長い間続いたこのような「私利私欲の天下りと官製談合」にスポットライトをあてたのだと思います。今までは国交省と地方自治体の官製談合が俎上にあがって来ていましたが、松岡農水相に代表される「利権の巣窟農水省」にこれから私たちは厳しい目をむけて行かなければなりません。

利権の代表が林道です。日本全国に2000キロの林道を建設する計画で、すでに6割が完成しています。「これほどの林道が果たして必要か」と誰しも思うことでしょう。農水省のうち林野庁の仕事をここで抜本的に見直すべきではないでしょうか。かつて「第二の鈴木ムネオ」と囁かれた松岡大臣は林野庁の出身です。なんだか利権の臭いがフンプンとします。

林野庁では国交省のように談合をする民間側に強力な取り仕切り屋がいなくて、官側が今回の緑資源機構のように取り仕切るようになるとも囁かれています。ここは林野庁に徹底的にメスをいれるべきです。

このような官製談合は日本全国で行われていると考えて間違いないと思います。その根源は天下りです。天下りが徹底的に出来なくなれば官側にメリットがなくなりますので、少なくとも官製談合は根絶出来ます。それと同時に一般競争入札を徹底することです。そのいづれもが実現すると、関係者の死活問題となりますから容易なことでは根絶出来ません。

しかし将来の増税の前にこのような税金の無駄使いを根絶しなくては私たちは増税に賛成出来ません。現在進行中の天下り禁止法案は効果のあるものに是非して貰わねばなりません。安倍さん、がんばってください。

 天下りと官製談合 4/20

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

アメリカでは銃乱射事件の犯人が韓国人であったことで、米国社会に住む日系人を含む東洋人への迫害が起こらないか心配するむきもあります。これはアメリカ社会の良識に頼るしか方法がありません。余計な騒ぎたてをするよりは静かに見守ることです。

アメリカでの銃社会を総括すると、人口3億人弱のアメリカで個人の銃の保有は何と2億丁ちかいといいます。また憲法では個人の銃の保持を保障しています。今回の事件で、銃規制に向かうところか「大学構内で学生に銃保有が認めていないからこのような悲惨な結果になった」という意見すら出ているといいます。

これほどまで根強く「自分の安全は自分が守る」という思想が行き渡り、また全米ライフル協会が政治に対して強大な力を持っていることを見ても、この痛ましい事件を契機に銃規制に向かう気配は一向にありません。これでは再発防止は絶望的だといわざるを得ません。

また今回の事件でアメリカに住む韓国系ならびに韓国人の数が200万人を超えると聞いて驚きました。多くの韓国人は教育熱心で、子供の教育のために一家そろって留学や移住をすることも珍しくありません。韓国にも優秀な大学があると思うのに、これは愛国心の強い韓国人ではありますが、祖国を信用していない証拠です。

北朝鮮の脅威を最近は感じなくなった韓国人ですが、このように絶えず不安定な要素をかかえる韓国人の富裕層は、祖国の将来に対して不安をかかえているのだと思います。その点、愛国心というと物議をかもす日本ではありますが、一家そろってアメリカ留学などあまり普及していません。またアメリカの大学を卒業したことが日本の就職に有利に働くかといえば、むしろ逆で、日本の大学卒のほうが有利です。これは祖国を信用している証拠ではないでしょうか。

愛国心というと物議をかもす日本が、かえって祖国日本を信用している奇妙な現象です。戦後長らく続いた平和ボケで反戦をとなえていれば、祖国は永久に安泰だという神話が国民の中に浸透しているのだと思います。韓国・日本のどちらが良いかということよりも、意外な相違点をみつけたなという思いです。

銃乱射事件に対する雑感でした。

 銃社会の怖さ 4/18 

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

長崎市長が暴力団により至近距離から銃撃され死亡し、海の向こうのアメリカでは、多くの学生が銃の乱射によって死亡しました。あらためて銃の怖さを思い知ることになりました。

日本では厳しい銃規制があります。したがって銃を持っているのは暴力団他一部の人に限定されています。それでもこのような悲惨な事件が起こります。もしこれが「一般の人が自由に銃を持つことが出来る社会」だったらと戦慄が走ります。ですから日本では「銃規制のさらなる強化」は国民に素直に受け入れられます。

ところがアメリカは違います。銃の保有が憲法で保障され、40%の世帯が銃を保持している銃社会です。西部開拓時代から「自分の安全は自分で守る」という風土が根強く残っており、日本と比較すれば問題にならないほど自由に銃を手にすることが出来ます。精神異常者はどこの国でも一定比率で存在します。その結果日本では刃物を振り回して殺傷する事件が多発しています。これが銃ならもっと多くの人が犠牲になっていたでしょう。

日本の刃物がアメリカでの銃に相当し、今まで数え切れないほどの悲惨な出来事が起こっています。それにもかかわらず、銃の規制が一向に進む気配もありません。それは全米ライフル協会が強力な力を持って、政治に圧力をかけているからです。特に現政権の共和党の有力な支持基盤が全米ライフル協会でありますので、銃規制が進むはずもありません。かえって悪化しています。

全米ライフル協会のメンバは富裕な銃愛好家であり、自分たちの安全は十分な金をかけて確保しているのでしょう。しかし一般庶民は違います。これら富裕な銃愛好家のおかげで、今回のような危険な状態に日夜おびえることになります。例えは大幅に異なりますが、「日本の既得権益層が政官業の癒着で大部分の人の願いとは別方向で政治を動かしている」のと類似の状況のように思われてしかたがありません。

西部開拓から幾世代を経た現在、いまだに「自分の身の安全を銃に頼る」アメリカの政治のゆがんだ姿勢を一刻もはやく、正して欲しいものです。我々日本人がいつこのような悲惨な事件に巻き込まれるかわかりません。また今回の事件が韓国出身者の犯罪であったように日本人が加害者になる可能性も十分にあります。アメリカが真剣に銃規制に取り組むことを心の底から熱望します。

同時に日本における銃規制の一層の強化を目指し、世界における銃規制の模範にしたいものです。

 国民投票法案  いいかげんにしろ民主党 4/16

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

国民投票法案が衆議院で混乱の中、成立しました。現在の状態では憲法改正をしようと思っても、そのための手続き法案がないのです。このような不可思議なことが戦後延々と続いてきました。(きわめて遅まきながら)このような不自然な状態を解除するための法案が国民投票法案です。

自民党は国の根幹にかかわるこのような重要事項は自民党の独断でなく、野党第一党である民主党の賛成を得ようと、7年の長きにわたり協議を続け、例えば投票年齢を18歳からにするなど、民主党の主張を大幅に採用し、昨年末には合意寸前まで来ていました。

ところが「国政よりは選挙」に目がくらんだ民主党の小沢代表が、反対の意向を表明し、誰が考えてもおかしい「憲法だけでなく他の重要問題についても対象とする」ということを言い出して反対に回ったのです。このような問題を可決すればそれこそ議会民主主義の根幹にかかわります。

例えば、郵政民営化が旗色が悪いと国民投票に持ち込むなら、「国会は一体何のために存在するか」ということになります。「国会は必要ない」という、まさに荒唐無稽の対案で「到底呑むことが出来ない内容を政府に呑むようにせまり、対決姿勢を明確にする」戦略以外の何物でもありません。これも憲法改正に反対する共産、民社党との連携を重視しているあらわれです。

社民党の辻元清美氏は「安倍首相のタカのツメだけではなく、角も牙も出てきた。憲法を総理大臣が私物化している」と批判しました。一体何をもってこのような発言をするのか理解に苦しみます。このような支離滅裂な党と協調したいがために国民投票法案に反対する民主党!

ことの善非をわきまえず、とにかく「何でも与党に反対すれば、国民は民主党に投票してくれる」との小沢代表の考え方は私たち国民を馬鹿にしています。私たちは何でも反対の民主党より、政権を担当する能力のある民主党を期待して民主党に一票を投じるのです。小沢代表の「見境無く与党のすることには何でも反対」の誠に古色蒼然とした考えでは国政を任せようとする気持ちになれません。

本当に政権を獲得するつもりなら、党首討論をすっぽかす態度はもういいかげんにやめて欲しいものです。民主党に猛反省を促します。

 公務員の天下り禁止 与党案まとまる 4/13 

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

自民党と官僚が組んだ執拗な反対を、形の上では政府が押し切り、このほど与党案がまとまりました。抵抗勢力の象徴的存在である自民党参院の片山幹事長がおれたのです。これも参院選をひかえ選挙民の反発を恐れての収拾です。私たちの力の大きさをあらためて確認した次第です。今後とも厳しい監視の目を政治に注ぎ続けなければなりません。

しかし官僚の真骨頂は「政治家に名をとらせて、実はガッチリ取る」ことですから、法案成立まで執拗な骨抜き攻勢が続きます。その骨抜きのたくらみをいち早く報道すべきマスコミの役割は重大です。

さて前置きが長くなりましたが天下り禁止の骨子は次の通りです。

(1)各省庁のあっせん禁止対象をすべての営利企業と非営利法人とする
(2)新人材バンクスタッフは出身省庁職員の再就職に関与しない
(3)これらの将来的な見直し規定を関連法案に盛り込む

しかしバンク職員は「キャリア及び人的情報の把握のため、人事当局等と必要に応じて協力する」との項目で出身官庁の関与の可能性を担保しています。

はっきり言って民間企業は関係省庁の「天下り受け入れをせよ」との脅迫を受けなければ、誰も受け入れません。そのことを熟知しているのが官僚です。表面的には人材バンクが中心の就職斡旋になりますが、その背後では従来通りの関係省庁の脅迫は続くことでしょう。従来とあまり変わらないと思います。それだけ官僚の天下りに対する執念は強いということです。

それより重要なのは天下り禁止に独立行政法人など特殊法人の衣替えの「非営利法人」を含めていることです。この法案成立で税金のムダ使いである官僚の「天下りを目的とする組織拡大欲」がいささかでも抑制されればと思います。同時に官僚が定年まで省庁で仕事を続行する人事制度の改革が必須です。そうでないと官僚のなり手がなくなります。

 西武裏金問題 調査委員会は良くやった 4/11 

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

西武の裏金問題で調査委員会は思い切った発表を行いました。これまで疑惑として感じていたことを疑惑ではなくて真実だと公表したのです。いいかげんな調査で終了した関西テレビのあるある捏造問題と鮮やかな対比を見せています。

中でも特筆すべきは平成17年までの27年間に、延べ170人の高校・大学・社会人野球の監督ら関係者に現金または商品券で約1億3500万円を渡していることです。報告書には、スカウトの話として「アマチュア選手側関係者から支払いを要求されることもあった」と記載されています。

今まで盛んにプロ球界を攻撃し、きれい事を言ってきたアマ側は、きわめて歯切れが悪いのです。産経新聞には社説で「アマ側が報告に色を失ったことは無理もない。アマ組織はアマチュアリズムを神聖視するあまり、負の部分には目をつぶってきた。裏金問題が発覚したときもプロの非を責めたてた。しかし、実態はどうであったか。受け取る側と渡す側、両方が存在して初めて癒着は生まれる。責任の重さをしっかりと受け止めてほしい。」と言っていますが全く同感です。

また調査委員会の報告ではは「他球団においてもやっているのではないか」「他球団に後れをとるわけにはいかない」といった記述が随所に見られます。これもまた真実でしょう。有名な読売新聞の渡辺恒雄氏がこのくだりに激怒していることが何よりの証拠です。

「徹底的に調査を進めていけばプロ野球は壊滅する」と業界の人はいっているそうですが、球界のタブーであった負の遺産を太陽のもとにさらけ出した西武調査委員会の英断に拍手を送りたいと思います。マスコミと並んでもっとも古い体質の球界に新しい風を吹き込んで貰いたいものですが、球界あげてこの問題を西武だけに封じ込めて逃げ切ろうとしているように思えます。それでは絶好のチャンスを逸し、永遠に信頼回復はないと思います。残念なことです。

またテレビ業界も関西テレビだけに限定することなく業界全体として番組捏造問題の厳しい原因追及で業界としての自浄作用が働くことを実証して欲しいものです。

 統一地方選挙 4/10

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

4月8日に統一地方選挙の第一弾が実施されました。宮崎県の「そのまんま東旋風」の影響もあり、「政党隠し」が横行しましたが、選挙民は賢く、その手にはのらず、無党派の風は吹きませんでした。

政治不信はやむを得ないにしろ、「だから投票しない」という行動には悲しいものを感じます。せめて投票率を上昇させ白票を投じることにより無党派の存在だけでも示せば、政党も無党派をおろそかに出来なくなります。仮に白票が投票の半分にも達すれば無党派の存在を大いに誇示することが出来たはずです。無党派の動向こそ従来の既得権益を脱皮して新しい国民の声を聞く姿勢を政党に聞かせる絶好のチャンスなのにと残念です。

従って今回の選挙は旧態依然の「既得権益という組織たよりの選挙」になってしまいました。政策はほったらしで、「選挙のためにはなりふりかまわず」の節操のない民主党の小沢効果が出ています。44道府県議選(総定数2544)は、民主が前回の205人を大幅に上回り、375人の当選を決めました。一方自民は1212人が当選ましたが、過半数(1273)には届きませんでした。

来るべき参院選で自民の苦戦が目に見えています。このような時こそ旧態依然の組織選挙に奔走する他に、無党派層に深く食い込む政策で古い自民党の象徴である参院自民党の体質をかえるべき時が来ています。いっそ自民党が敗北して守旧派のドンである青木・片山両氏が第一線から引退して貰うのが改革への早道かもしれません。

一方古い民主党指導者小沢代表も参院選で敗れ、民主党を「政策の民主党」へと舵を切らせるか、空中分解して政界再編へと進ませるか、自民も民主も敗北した方が改革への早道ではないかとさえ思う、統一地方選の選挙結果でした。

 公務員の天下り禁止 4/7

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

公務員の天下り禁止を目的とする人材バンク案が参院選の目玉として登場しています。ところが参院自民の重鎮である片山幹事長すら猛反対です。それも当然のことで公務員、特に特別待遇のエリート役人にとっては天下り禁止は死活問題なのです。ですから猛烈に族議員へお役人が働きかけているから、自民党内に反対の大合唱が発生しています。なぜお役人が反対するか、その原因は古い人事政策にあります。

エリート官僚は横並びで昇進します。入社年次を重く見る完全な古い人事政策です。そして役職が少なくなると、役職につけなかったお役人は職場を去り、天下りします。民間でも昔はそうでした。しかし次第に受け皿となる子会社もそうそう天下りを受け入れることも出来ないので、能力主義による入社年次の逆転や、課長や部長ではないスタッフへの登用などで、人事制度の横並びからもうとっくの昔に脱皮しています。

ところがお役人の世界では、人事制度が大幅に遅れています。人事政策がそのままで、50台前半から天下り禁止で職を失うとしたら読者の皆さんでも猛反対をして徹底抗戦をするでしょう。有能な人材の民間での有効活用といいますが、企業の内側にいた私は、天下り受け入れをいかに回避するかに必死でした。

だってコスト意識の全く無いお役人は民間では使い物にならないのです。せいぜい出身官庁へ出向いて情報をとってくるだけの期待しかしません。まさに談合の温床になっています。利権に直接結びつく官庁の「受け入れなければ仕事を回さない」という脅迫でもなければ誰もお役人を受け入れたがりません。

今回の人材バンク法案で特筆すべきは独立行政法人や、特殊法人への天下り禁止が盛られていることです。これはお役人にとってまさに絶対反対のところです。しかし天下りの受け皿になるからこそ、お役人は無駄な組織の創設やら役割の終わった組織の存続に血眼になり、結果として大きな税金の無駄使いになっています。挙句の果てに特殊法人の渡り歩きで法外な給料と退職金を手にします。

民間への天下り禁止が骨抜きになっても、独立行政法人や、特殊法人への天下りは絶対に禁止されるべきだと思います。天下りの甘い汁がなければ、積極的に無駄な組織を温存しようとの情熱が薄れます。この画期的な「独立行政法人や、特殊法人への天下り禁止」を法案として成立させれば、私はもろ手をあげて自民党を支持します。それほど税金の無駄使いに有効な政策だということを私たちは忘れてはならないと思います。

 あるある捏造 関西テレビに自浄能力なし 4/05

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

4月3日夜、関西テレビで「あるあるの捏造」がどうして発生したのかを検証する番組が放映されました。

捏造に至る経緯はかなり詳細に説明されていましたが、結局のところ捏造者に責任をおしつけて、関西テレビとしての責任は口先ばかりで、これで果たして再発防止になるのだろうかと不信感を抱きました。また捏造当事者の態度も「大変なことをしでかした」という反省が見られませんでした。その証拠に捏造にいたる動機については「私もわかりません」という無責任さです。

本件の原因はきわめて明瞭なのです。業界をむしばむ視聴率至上主義が引き起こした問題であることは明かなのに、その点に対する反省も対策も全く言及されていません。普通の会社でも経営者が「利益よりも品質」「利益よりもコンプライアンス」と言う会社は本当に再建が可能です。しかし利益最重視のもとにいくら品質とかコンプライアンスを唱えても所詮は口先だけのことで、必ず同じことが発生します。

普通の会社の利益重視がテレビ局の視聴率至上主義にあたります。今回の検証番組ではこの点については一切ふれられていません。これではいくら口先で再発防止を唱えても全く効果はありません。

その端的な例が人事です。フジテレビからの天下り会長は現職のまま、そして社長は辞任しても取締役にとどまる。毎日新聞では「表紙のつけかえ」と誠に当を得た見出しがついていましたが、その通りです。口先だけの反省です。

そして普通の会社にはきわめて厳しい追及で経営者を自殺にまで追い込むテレビ局も今回の事件ではおとなしすぎます。テレビ業界に自浄作用が働かないとすれば政府による介入しかありません。もうテレビ局には「報道の自主性」など述べて欲しくありません。今回の事件は業界をむしばむ視聴率至上主義からの脱出の絶好の機会であったのに、そのチャンスを逸しました。とても残念です。

関西テレビのこの傲慢な態度の裏には、今回の事件があっっても視聴率に変動はなく、経営的な打撃も軽微であったことが原因です。視聴率が関西テレビを救い、同時に業界の自浄作用を妨げました。結局私たちの態度がテレビ局をますます悪い方へと導いているようです。せめて「テレビ局は嘘を報道する」と信じてテレビを見ない運動を展開すべき時がきていると思います。

ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2007年4月号