関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪藤原雄一郎の時事通信 2006年10月号 |
日産 業績に陰りが 10/30藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込みゴーン革命で見事に生き返った日産が国内販売で苦労しています。12ヶ月連続前年割れが続いているのです。私は前々からゴーン革命が成功したあとのことを予測して来ました。それがここに来て的中しそうです。 日産はゴーン革命以前には、全く改革の無い宝の山でした。要するに経営陣が無能であったのす。そこへ類い希なる名経営者ゴーンが登場して、見事な回復を遂げました。その結果手つかずの宝の山はほとんど食い尽くしてしまいました。 私の良く知っている超大企業がまさにそうでした。中興の祖が出現し、いままで手つかずの分野や聖域にドンドン踏み込み、まさに松下の中村改革のような見事な成果をあげました。「数百億円もするプラントを4割赤字で受注し、それを黒字にする」ということが常態化し、しかも中興の祖とは実力も格段に劣るミニ中興の祖が跋扈しだし、「黒字に出来ないのは無能の証」の意識が職場に定着しました。 しかし中興の祖が手つかづの宝の山を食いつぶして4割赤字を黒字にしましたが、達成した基準からさらに4割改善の目標はまさに「無謀であって挑戦」ではありません。しかしそれが達成できないのは無能の証ですから、容赦のない数多くの赤字受注は続き、最高益達成の翌年には目もくらむ赤字に突入しました。まさに中興の祖のイエスマンが跋扈して経営陣は裸の王様になっていたわけです。 日産では今、ゴーン革命の神髄である「約束したことは守る:コミットメント」のレベルが高すぎるとの不満の声があがっています。コミットメントレベルが無謀の域であるならば、米国のエンロンのような不正まで発展します。 トヨタと日産はまるでちがいます。日産はゴーン革命でシステムと言うかプロセスの大改革で「目標に向かって透明性の高いシステムで励む」素晴らしい改革を進め成功しました。その核心がコミットメントです。これは諸刃の刃です。トップダウンの命令に対して、日本人の特性である隠蔽体質と事なかれ主義は必ず不正を生み出します。ゴーンさんはそのあたりをどのように考えているのでしょうか? ところがトヨタは違います。「永遠に続くカイゼン」を達成する人材育成に力を注いでいます。トップダウンではなくて、自ら考えて永遠のカイゼンに突進する人材がトヨタの財産です。ですからトヨタのアキレス腱は事業の拡大に人材がついて行けなくなった時に破綻が来ます。 トヨタには今その危機が忍び寄っています。トヨタにしろ日産にろ、これから正念場を迎えます。サラリーマンの皆さんはこのような観点から両者を眺め、ご自身の職場に生かしてください。 たまにはテレビも誉めないと・・・ 10/27藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み公務員の規律は一体どうなっているのでしょうか?社会保険庁のデタラメぶりから始まって、岐阜県他の裏金問題、大阪市職員厚遇問題、奈良県の5年間で8日出勤で全額給料、学校現場でのイジメに対する鈍感ぶりと隠蔽体質、さらには必須科目を履修しない問題に加えて、宿痾の完成談合による知事の逮捕・・・・公務員の規律の乱れには目をおおうものがあります。このような行為で私たちの血税は存分に無駄使いされています。 その根底の第一は「お金はいくらでも沸いてくるもの」という公務員の心の奥底に潜んでいる根深い問題があります。どうしてこうなったのか?「公務員には民間のような解雇がないし倒産もない」「失敗しても責任を誰も取ることはない」との見事なシステムに原因があります。これは「公務員は国民のために奉仕する公僕であるとの高いこころざし」を前提にしてこそ成り立つシステムです。 ところが実際は「働かない労働組合指導者自治連」に引きずられ「事なかれ主義の高級官僚」とのなれ合いが大阪市の厚遇問題や岐阜県の裏金問題に社会保険庁のデタラメなど全ての不祥事の根底にどっかりと腰をおろしています。このようなことがまかり通ったのも情報開示の不足による国民の監視の目が行きとどかなったことだと思います。 長い間、問題の根底にメスが入らず、規律の乱れが社会保険庁のように常態化して、そのたまった結果が押さえきれず、ついに表面化したのが昨今の状況だと思います。 前置きが長くなりましたが、関西のテレビ「ムーブ」を私は良く見ます。この番組では大阪市と京都市の公務員問題を結構執拗に追求しています。そして京都市環境局の数々の問題を暴き出しました。その手法も視聴者から情報を公募し、それをテレビで検証するというものです。 その結果京都市環境局の職員がある聖域団体をバックに治外法権になっていることがおぼろげながら見えてきています。大阪市も奈良県も不祥事のかげに聖域団体の姿が出てきています。聖域団体を恐れて事なかれ主義で過ごして来た負の遺産の顕在化です。 私たちが積極的に公務員の仕事ぶりに目をくばり、来年の参院選を絶好の機会ととらえ、声を高くするべきでしょう。その意味で番組「ムーブ」を私は応援します。 補欠選挙に自民は勝ったけれど・・・ 10/25藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み補欠選挙に自民が勝利して、自民党や安倍総理は安堵したことでしょう。ここで一敗でもすれば民主党を勢いづかせるばかりでなく、安倍総理への求心力も衰えるからです。 敗北した民主党からは「北朝鮮のおかげで安倍政権が浮揚した、これは北風効果だ」「安倍政権のアキレス腱であるアジア外交にいち早く中国・韓国訪問を果たし当面の関門を乗り切ったのは予想外」「そのために民主党の格差問題がかすんでしまった」との恨み節が聞こえてきます。これは民主党の言い訳にすぎません。 政策はほったらかして、古い自民党のドブイタ選挙に邁進し、当選するなら何でもありの自民党の伝統を民主党に植え付けようとした小沢戦略が成功しなかっただけです。しかし票差がさほど大きくないのは小沢ドブイタ選挙が成功したとも言えますが、結局敗れてしまえば小沢戦略の失敗となります。 また党首討論で「小沢ベテラン」と「ひよこ安倍」の歴然たる格差を見せつけようとしましたが、これも成功しませんでした。このような要因が民主敗北であって、冒頭の民主党の恨み節は全くの的はずれです。 ところがこの「的はずれ」が自民党にとって、悩みの種であることを自民党は自覚しているでしょうか。今回の選挙は投票率が低かったから勝利したのです。その何よりの証拠は、浮動票の6割を、何もしない小沢民主党が獲得しているのです。一方北風効果の自民党は浮動票の3割しか獲得していないのです。しかも小泉さんの地元神奈川でこのていたらくです。 小沢民主党は何もしないで6割もの浮動票を獲得しています。民主党小沢代表こそ北風効果を発揮する時なのに、持論の国連が決めれば軍隊を派遣しても良いとの見解をかなぐり捨てて、北朝鮮船の臨検に異をとなえています。戦略の大きなミスです。 一方安倍効果がたったの3割しかなかったことを自民党は猛反省すべきです。それに今回の選挙では公明党が新党首のもと、その実力を鮮明に自民党に見せつけました。これで安倍政権に対する発言権がうんと増したと思います。このような状況では来年の参院選はきわめて危ないと思います。 自民党勝利の唯一の策は、参院選までの知事選や統一地方選挙で勝利することです。民主党は「小沢代表は選挙に強い」という小沢神話でかろうじて結束を保っています。その神話が崩れればお得意のバラバラ民主党のお家騒動が始まります。これが唯一参院選に自民党が勝利する方策です。 公務員が国を潰す 自治体財政破綻 10/23藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み夕張市が財政破綻しましたが、民間で言えばカネボウの粉飾決算と同様、粉飾に粉飾を重ねた結果の財政破綻です。カネボウの場合経営陣は刑事責任を含め、責任をとらされましたが、夕張市の場合誰も責任を取っていません。 ほかにも赤字隠しは北海道だけでも8市で行われていることが判明しています。今後財政破綻する自治体は続々と現れることだと思います。なぜこのようになるのか?公務員の体質の問題だと思います。 その証拠に、財政破綻だけでなく、社会保険庁のデタラメ状況に岐阜県の裏金事件や京都市役所の犯罪者続出(某聖域団体への呪縛)、さらには奈良市の5年間で8日出勤で給料全額支払いなど、民間では考えれないことが続出しています。また「いじめ」に対する教育関係者の隠蔽体質もあります。公務員の意識改革を一日も早く実施しなければなりません。 公務員の意識改革と言っても「働かない組合」自治労が控えているだけに、容易なことではありません。このような公務員体質の基本には「お金に対する考え方」があります。 民間では会計基準が一元化されており、毎年2回決算が行われて「投資対効果」が明確になります。民間でも公務員以上に、不祥事や放漫経営、法令違反は続出していますが、そのような会社には倒産の危機が待ち受けていますので、自ずと自浄作用が働く仕組みになっています。 一方公務員の世界では「予算はぶんどってくるもの。獲得した予算は使い切ること」との考えが基本になっており、会計制度も不透明そのものです。また競争の無い世界ですから「サービスに対する対価」も明確ではありません。赤字を出せば税金で穴埋めすれば良いシステムになっていますから「国民の血税の無駄使い」という意識がありません。 ですから組合と公務員幹部がなれあいをすれば、大阪市の厚遇問題のようにいくらでも血税の浪費が出来ます。自治労幹部の考え方はたとえば「公務員の給料が高いと批判するのは的はずれで、民間の給料を公務員並に引き上げることこそ大切」とうそぶいています。 事実、官業の民間委託の業者の従業員に激しい攻勢をかけて労働争議に持ち込む実例が日経ビジネスに出ていました。そこには「自分たちの厚遇を守るには国民から税金を取り上げればいくらでもカネは出てくるのだ」との思想があるのです。民間労組のような「組織が潰れる危機感」は自治労には皆無です。 「公務員のサービスに対する評価基準の確立(たとえば住民一人あたりの公務員の数など)」「公務員組合である自治労の革命(民主党が本腰を入れてまともな組合へと指導する)」の二つの柱がなければ、日本は公務員で食い尽くされ、国を潰すことになります。自民党も民主党もこの点に着目して改革競争をして欲しいものです。 北朝鮮問題 風向きが変わってきた? 10/20藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込みあくまで強気の北朝鮮ですが、ごく最近、北朝鮮に対する風向きが変わってきました。中国が北朝鮮に対して厳しい姿勢を取りだしたことです。新聞情報しか持ち得ない、私の情報収集力の弱さに嘆きますが、予感として何かがおこるような気がしてなりません。 唐国務委員(副首相級)が世界を駆けめぐっています。北朝鮮への制裁内容の協議でこのような大物が走り回ることは無いと思うのです。何かあるのでは・・・ ともあれ「ならず者国家北朝鮮」の核保有だけは断固として阻止せねばなりません。今や北朝鮮の当面の敵は中国となった様相を呈しています。北朝鮮は中国を敵にまわしてどうするのでしょうか?とにかく中国は北朝鮮の生殺与奪の権限を持っています。中国の北朝鮮への要望は明確です。先軍政治をやめて、中国のように改革開放政策で国が栄えるように強力に指導しています。 中国とロシアは北朝鮮の体制崩壊で難民が押し寄せることをきわめて恐れています。日本も、韓国も状況は同じです。国が経済的に栄えることが、北朝鮮の混乱を収拾し、数多くの難民の流入を阻止する有効な手段と中国は考えています。それに対し北朝鮮の軍部が反発し今回の事態を招いたというのが定説となっています。 それはそれとして、今回の事件で米国と中国が緊密に連絡し、米・中協調体制が一歩も二歩も前進したように見えます。私は「米国はアジアを中国に任せたな」と思い始めました。そのためには前回も述べましたように、アメリカとしては是が非でも、中国単独のアジア支配に、日本も加わって欲しいと思っているに違いありません。 日本は米国の意向には逆らえません。安倍総理は靖国参拝も出来ないのではとさえ思います。日本と中国が協調してアジアのリーダとなることに異論はありませんが、したたかな中国に今までのような事なかれ主義の日本外交では太刀打ちできません。安倍総理らしく、主張すべきは主張する頼もしい外交を展開して欲しいものです。 アジアをめぐる情勢は北朝鮮の出方次第で激動の時代を迎えることになるでしょう。穏便に北朝鮮が核兵器を放棄することが北朝鮮にとっても良いことだと思い知らせなければなりません。ここでクリントンのように恫喝に負けて、北朝鮮に甘い汁を吸わせないことが肝要だと思います。 日本が核武装?? 10/18藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み北朝鮮にも困ったものです。北朝鮮のおかげで日本はドンドン右傾化しています。中川政調会長が司会者の挑発があったとは言え、「核兵器保有について議論することは良い」と発言して大騒ぎになっています。 すかさず安倍総理が「非核三原則(核を持たない、作らない、持ち込まない)は日本の国是」と発言しているのはまことに適切だと私は思います。しかしながら「日本が核兵器を持つぞ」と絶えず言い続けることが核兵器拡散の抑止力になるとの見解が、静かに広がって来ています。 ここで北朝鮮が「化学・生物兵器」で日本でテロでも起こそうものなら、再び日本の核武装論議が沸騰してくることでしょう。ここは何が何でも、北朝鮮の核兵器保有を国際社会が一丸となって阻止することです。 現在拒否権を持った安保理常任理事国5カ国がそろって「自分たち以外は核兵器を持ってはならない」という見解です。核兵器の拡散には中国・ロシアも同意出来ます。イランと北朝鮮の核兵器保有を何としても止めねばなりません。イラン・北朝鮮が核兵器保有に成功すれば、後に続く国が続々と出てくることは間違いありません。本当に恐ろしいことです。 特に北朝鮮はミサイルや核兵器を他国に売りつけ、金を稼ごうとの意図が見え見えです。このような無法者が核兵器を保有する恐ろしさを私たちは真剣に考えて、北朝鮮への締め付けを厳しくしなければならないと思います。 同時に恐ろしいのは極東の安全を守ることに消極的になった米国が日本に核保有をそそのかす事態です。今回の北朝鮮問題でも米国は対応を中国に任せています。その中国と日本が結びつき、「極東のことは中国・日本にまかせ、極東のトラブルから米国が身を引きたいと」考えるふしは十分にあります。 それを避けるために小泉首相は靖国参拝で中国との協調を拒否しているとの説もあり、もっとびっくりする噂は「小泉首相の日中協調拒否に手を焼いた米国が、安倍総理に中国訪問を命令した」というものです。イラク政策の失敗で米国が極東まで手が回っていないことも事実です。 現実に韓国での軍隊の統帥権が米国にあるのはおかしいとノムヒョン大統領がいうと、統帥権の返還を韓国の要求より早めて承諾しています。日本では米軍基地反対運動が根強くありますが、韓国のようにこれが実現すると、日本は米国の傘からはずれ、自分自身で日本を守らなければなりません。日本からの撤退の条件として、「日本が攻撃される抑止策として日本の核武装を米国が要求する」可能性も大いにあるのです。恐ろしいことです。 なんだか日本の将来の大きな分岐点にさしかかっているような気がします。 第二の人生 田舎暮らしもいいけれど・・・ 10/16藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み団塊の世代の定年を控え、雑誌やテレビで盛んに田舎暮らしや海外移住の素晴らしさが伝えられています。このような番組を私は大好きなので良く見たり読んだりしていますが、いつもいいことづくめでマイナス要素はカットしています。 まず第一に認識しなければならないことは「人間、死ぬことは大変だ」ということです。病気持ちの人は重篤であれば病院で死ぬことができますが、健康な人の老衰はとても問題です。 年金生活者が頼りにするのは特別養護老人ホームですが、容易なことでは入居出来ません。そしていよいよ死期を迎えたら特別養護老人ホームから病院に行かねばなりません。病院では延命治療を要求します。これを拒否すると病院からの退去を要求されることもあります。 都会であれば選択肢も豊富で何とか解決しますが、田舎ではそうは行きません。ですからこのような事態を避けるにはその土地の事情を熟知しておかなければなりません。 海外移住ではなおさら、この点の調査が必要です。日本でもたとえば離島の田舎暮らしでは介護保険を支払っていても、実際には介護を受けることが出来ない状態もあります。結局介護を受けるには離島を出なければならないのです。 ですから田舎暮らしや、海外移住を決める前に、まず「自分がどのようにしたらトラブル無く死ぬことが出来るか」の確実なプランを描くことです。そして田舎暮らしや、海外移住を計画すべきなのです。 雑誌やテレビは、「田舎暮らしその後」「海外移住その後」を全く知らせようとしません。田舎暮らしや海外移住は60歳から80歳までです。それから死を迎えるまで、田舎暮らしや海外移住をしたばっかりに不幸な目に遭うかも知れません。ここの所を良く考えて行動すべきですし、このことを番組は知らせるべきだと思います。 住み慣れた所で、また都会で、第二の人生を豊かに暮らす方法はいくらでもあります。田舎暮らしから都会暮らしへ転換し、見知らぬ都会で、過去を全く捨て去って、ゼロからのスタートで自分を試して見るのも一つの選択肢です。そして数多くの「プチ冒険」をしてみて、楽しむのもとても良いものです。皆さんの意見はいかがですか? 北朝鮮の核実験に思う 10/13藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み北朝鮮の核実験で、ついに中国・ロシアも国連の制裁決議に同意せざるを得なくなりました。このような北朝鮮の挑発的態度に首をかしげますが、これは北朝鮮をまともな国家と見ているからに他なりません。 「オーム真理教や暴力団が国家となったのが北朝鮮」と理解すれば、偽札に麻薬など通常では犯罪行為と見なされることを国家が実施していることからも、うなづけます。暴力団にとっては「力による脅し」と「脅しに屈しなければ実力行使」が常套手段です。 クリントン政権が脅しに屈して甘い汁を吸わせた実績がありますから、北朝鮮が世の中を甘く見るのも不思議ではありません。しかし今回は少し勝手が違ったようです。警察が暴力団対策に力を入れた状態になって来たと解釈すれば良いのでしょうか。とにかく不正には断固たる処置が必要です。 アメリカも世界の警察を気取っていますが、実質は世界一強い暴力団みたいなものです。しかし世界警察が無い現状では、しかたないことだと容認しているのが現状ではないでしょうか。要するに弱肉強食の世界では強いものに媚びるしか生き残るスベも無いのかと悲しい気持ちではあります。 しかしながら核実験については少し違和感を感じています。唯一の被爆国日本としては核兵器の根絶こそが悲願であるとの立場に立てば、現在の状況はまるで「警察の飲酒運転は良くて、一般市民の飲酒運転はいけない」「飲酒運転はいけないが一旦やってしまったら、警察の仲間に入れよう」というように感じてなりません。 現在堂々と核を保有している国が、あらたな核保有を認めようとしません。これは当然ですが、インドやパキスタンのように、ゴウゴウたる国際的非難をものともせず、核実験をしてしまったら、今度は米国やロシア、中国などの核兵器保有クラブの仲間入りです。これでは北朝鮮やインランが核兵器を保有すれば核兵器クラブに入会出来るという意識を持つのは当たり前です。 ここはイランや北朝鮮の事件を契機に核廃絶にむけて「核兵器保有は罪悪」の精神で軍縮にもちこむ丁度良い時期に来ているのではないでしょうか。時あたかも右翼と見られている安倍総理が「核兵器三原則はいささかも揺るぎはない」との方針を打ち出し、右傾化する日本の「核兵器を日本が保有すべき」との潜在的意識に反対の意向を示したのはとても良いことだと思います。 唯一の被爆国日本は、声高らかに「核兵器根絶」を叫び続けなければならないと、改めて認識しました。 安倍政権順調なスタート 10/11藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込みのんびりと船旅を楽しんでいる間に、北朝鮮の核実験というビッグニュースが飛び込んできました。まだ船旅気分が抜けきれませんので、今日は安倍政権のスタートにあたっての感想を述べます。 安倍総理が中国・韓国を訪問すると聞いた時、少し焦りすぎではと正直思いました。歴史認識や靖国問題でかえって立ち往生するのではと危惧したのです。しかし結果として見れば(不謹慎な言い方ですが)北朝鮮の核実験という神風が吹いたことも助けになって、訪問して良かったと思います。私としては安堵のため息です。 安倍総理のあいまい路線と日本の野党やマスコミから散々叩かれていますが、中国・韓国訪問に先立って、民主党、菅氏の執拗な攻撃に対して、歴代総理が示した戦争責任、なかんずく村山談話を認めたことは評価に値します。そして祖父である岸元総理がA級戦犯として「第二次世界大戦を開始した結果責任はある」と答えたことはさらに評価に値します。 この事実をもって安倍総理を変節漢呼ばわりするのはいかがなものかと私は思っています。国の方針は、よほど綿密な検討無くして、単に一個人の思想信条で簡単に変えては諸外国の信頼を失墜します。国益を考え変更にはそれなりの国民が納得するキチンとした説明責任が必須です。その意味で阿部政権は無難な船出をしたと言えましょう。 さてこれからです。論功行賞人事と散々叩かれた安倍人事ですが、大臣選考は古い自民党に逆戻りですが、官邸機能強化には見るべきものがあります。小泉前首相は「たぐいまれ」なる直感と閃きで物事を決めてきました。安倍総理は促成栽培で経験が絶対的に不足しています。 そこで官邸機能を強化し、間違いのない判断をしようとしていることは誠に結構なことです。問題は官邸機能が十分に働くかということです。民主党の代議士が言ってましたが「百日間は愛情を持って見守ろう。そして百日がすぎて官僚が穏やかな顔をしていたら、官邸機能は働かなかった。すなわち官僚に負けたと判断しよう」と述べていました。全く同感です。 最大の課題である官僚支配の弊害からいかに抜け出すか?官邸機能はその真価を問われています。 企業よ「責任追及から原因追及」に意識を切り替えよ! 10/4 前回 10/2藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込みこの何年か、人命にかかわる重大な欠陥を放置して事故やトラブルが発生しても隠蔽に走る企業の不祥事が頻発しました。私は長い間企業に勤務し、平社員から経営トップまで勤めましたので従業員の心理は各階層において熟知しています。 私の現役時代、問題が発生すると、直ちに原因究明のためのアクションが取られました。しかし実態は原因追及というよりも責任追及の場になっていました。いわば事件が起こって警察が事情聴取をしたり、逮捕されてから検察が逮捕者を追いつめるのと大同小異なのです。 これでは表面的な原因は追及できますが、ミスの本当の原因はわかりません。そこで私が経営トップの立場に立ったときに、原因追及の会議に出席し、責任追及の立場をとる部課長を叱責し、本音がが出るような雰囲気に極力もって行こうとしました。しかし経営トップの出席している場ではなかなか本音は出てきませんでした。 前置きが長くなりましたが、日経ビジネスを見て「責任追及から原因追及へ転換」という記事を見て我が意を得たり、と嬉しくなりました。トラブル続きの日本航空がそれを始めたのです。しかも私がやろうとして出来なかったことを新しい観点から実施しているではありませんか。 日本航空ではミスを犯した社員に対して職場とは全く関係のない心理学や大脳生理学を学んだ専門のカウンセラが対応して、ミスの深層を掘りさげ、本当の原因追及を行っているのです。「必要なことはやらず、必要のないことばかりやる」よ揶揄されている日本航空も今度こそは本気だなと思いました。 企業の不祥事は経営トップが裸の王様となり、机上の計画で激しいノルマを課し、その結果情報が隠蔽され、不祥事へと転落するのが常態でした。大事件をおこした三菱ふそうや森ビルでも「責任追及から原因追及」へと切り替わりつつあると日経ビジネスは報じています。 民間はやっと立ち上がり始めました。社会保険庁の原因追及には自治労にメスを入れなければ到底体質改善は出来ません。責任追及さえしないお役人の世界もこのような民間の世界を学ぶべきです。社会保険庁のトップは民間出身ですが、彼の出身母体が不祥事で揺れています。彼の頭はまだ不祥事体質から抜け出していません。これではいかに解体的出直しを唱えても所詮は看板の付け替えとなります。安倍さん頑張れ!! 参考文献:「重役は裸の王様」 「権限のない社員が会社を変える」 「君が代訴訟」に思う」 読者からのメールその2 10/2藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み私の意見に賛同でない読者からのメールを頂きました。待ち望んでいた素晴らしい内容のメールですので紹介させていただきます。 「藤原様の考え方は右よりとは思えませんが、問題の捉え方がいつも一面的だとは感じています。」とのご意見はまことにその通りで、何となくそれを売り物にしている傾向がありますが、原点に立ち戻り、私なりの情報発信を続けたいと思います。 また日本がドイツと異なり、戦後処理が明確でないのも事実です。ここらで村山談話やA級戦犯問題を明確にしないと、いつまでたっても歴史認識問題は続くと思います。私は「第二次世界大戦、なかんづくアジア諸国に対しては侵略戦争であったと明確に認め、A級戦犯はその責任を負う」との見解をもっています。安倍新政権がこのような首相談話を発表すべきと思いますが、彼の思想信条から言えば不可能でしょう。安倍政権の前途は多難です。 引用開始−−− 藤原様の考え方は右よりとは思えませんが、問題の捉え方がいつも一面的だとは感じています。(それはそれで大変面白いので、藤原通信を楽しみにしている理由の一つです) 私は、「国旗・国歌」(というより、帝国主義の象徴としての「日の丸・君が代」)の問題には大きく二つの側面があると考えています。 一つは「戦後処理」の問題。もう一つは「愛国心」の問題。 国旗・国歌を否定する人々の多くは、戦後教育の影響はあるにせよ、戦争の責任対する総括・清算が、その点について徹底した姿勢を貫いてきたドイツと比べて不十分すぎる点に問題を感じているのではないでのでしょうか。それは近年のアジアのなかにおける日本の位置付け、という点においても本質的に同じです。 私はアジアの国々に賠償せよと主張しているのではありませんし、これを国家間の問題とも捉えていません。ただ単に、本質的な問題を先送りしてきた日本という国(政府)に対する、日本の国民を含め、アジアの人々の評価なのだと思っています。 愛国心については、日本国民が日本という国を誇りに思っていないかといえば、それはないと思います。少なくとも私は、日本は世界に誇るべき独特の自然観に根ざした文化をもつ、すばらしい国(国民)だと思います。ただ残念ながら、それらは明治以降の西洋化、さらには戦後の経済発展のなかで否定され続けてきましたが。 いづれにせよ、愛国心は法律によって制御できるものでもありませんし、自由な思想・信条の保護という観点からも明らかに違法性を感じます。国旗・国歌の否定は、政府批判の方法の一つですから、それを非国民呼ばわりするより、自由な主張ができる方が国家として健全な姿といえるでしょう。 私個人としては、右寄りの方々に「君が代」への確執を捨てていただき、おもいきって国歌を「ふるさと」に替えてほしいと思います。やはり問題の根本にあるのは政治不信であり、それは国民としての成熟度に起因すると考えられますから、政府には「靖国」の代替施設建造、公害・薬害問題への真摯な対応、拉致問題への毅然とした対応など、国民の生命・財産の保全を国政上の第一義としてしていただくことを期待しますし、国民の一人として、政治に無関心にならないよう、すくなくとも選挙へは必ず投票に出かけたいと思います。 以上、長くなりましたがご清覧に心より感謝申し上げます。あわせて、今後益々のご健勝とご活躍をお祈りいたします。 引用終わり−−− |