ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2006年8月号

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪

藤原雄一郎の時事通信 2006年8月号

 飲酒運転に日本社会はもっと厳格に 8/30 

藤原雄一郎 政治と経済を語る メルマガ申し込み

福岡市の市職員による飲酒運転で3名の幼子を失った悲劇は胸にせまるものがあります。昨日まで元気に走り回っていた子供が全員、一瞬にしてあの世に行ってしまった両親の心情は想像するだに残酷なものです。

加害者の福岡市職員も若く前途があるのに、これで社会生活も終わりです。加害者の若者が悪いのは当然としながらも、そこに何となく釈然としないものを感じます。飲酒運転をする若者はいくらでもいます。しかし一緒に飲んでいた人、飲食店の人は泥酔して運転しようとする若者をなぜ止めようとしなかったのでしょうか?

日本の社会に「飲酒運転は殺人と同じ罪悪である」との認識が決定的に欠けているのです。「飲酒運転事故は他人の話、自分たちには関係ない」との意識が蔓延しているのだと思います。本来、私たちにお互いを思いやる心があれば、少なくとも泥酔状態にある人が運転しようと思えば止めるはずです。

社会が荒廃しているとなれば、罰則を厳しくするしかありません。金銭に敏感な関西人は「酒気帯びの罰金が高額で、同乗者まで罰金を取られ、場合によっては一車合計100万円にも罰金がなるらしい」という噂が出たとたんに酒気帯び運転が激減したと聞きます。

刑罰が厳しくなりつつある交通事故関係の刑罰を、今回のような痛ましい事故の場合は死刑もあるように早急に改正すべきです。そして何よりも大切なのは「酒気帯びを知りつつ止めなかった同乗者」「酒気帯びを知りつつ飲酒を許した業者」も厳罰の対象にするような法規制を早急に整備しなければ、福岡の一家や数多くの酒気帯びによる犠牲者の魂が浮かばれません。

しかし一番大切なのは運転する全ての人に「乗るなら飲むな」「飲むなら乗るな」の大原則を遺伝子レベルにまで染みこませることです。また走る凶器を提供する自動車メーカも「乗るなら飲むな」「飲むなら乗るな」の大キャンペーンをする責務があるのではないでしょうか。車の一番目立つところに「乗るなら飲むな」「飲むなら乗るな」を焼き付けて、決して消せないようにするとか、アイデアは色々あるはずです。

とにかく私たち日本国民の全てが、この際真剣に酒気帯び運転の根絶に立ち上がらなければなりません。福岡の被害者、加害者の立場にある日突然、私たちがなる可能性はきわめて大きいからです。

 安倍政権近し しかし短期政権 8/28 前回 8/25

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来るべき総裁選挙でまだ正式立候補も表明していないのに、すでに安倍政権に向けてなだれ現象となっています。これは安倍官房長官にとって大変まずいことだと思っています。本来反小泉=反安倍勢力が担ぐべき候補者を擁立できず、反安倍勢力が安倍支持に向かっているのが一番困るのです。

その典型が党内守旧派の元亀井派の伊吹派と古賀誠ひきいる丹羽・古賀派です。特に古賀誠は反小泉=反安倍の筆頭でした。本来なら旧宏池会大統合を目指して、一致協力して麻生、谷垣のいずれかを押すべきなのです。それが何と一致結束して安倍支持にまわるとは、何という変節でしょうか。政治に必要な「こころざし」は一体どこへ消えてしまったのでしょう。

また派閥横断で安倍応援団が続々と誕生しています。あきらかに猟官運動で「これだけ応援したのだから当然しかるべき人事を配慮してくれるだろう」との下心が見え見えです。

要するにポストさえ得られれば政策などの主義主張はどうでも良いとの「勝ち馬に乗る」心理です。これが安倍新政権にとって最大の障害になるでしょう。新政権での最初の人事で「あてがはずれた」人たちは一斉に「隠れ反安倍」になって求心力が失われます。一方求心力を高めようと、彼らの希望にかなう人事をすると、安倍新政権は今度は国民の人気を一挙に落としてしまいます。

次に難関は参院自民党です。ここは小泉政権の下でも青木・片山ラインの強い壁を崩すことが出来ませんでした。しかも郵政造反組の整理も出来ず、改革が全く進んでいません。そこへ来年の参院選挙です。新政権発足と同時に「天下分け目の決戦」である参院選にむけて、青木・片山守旧派ラインはまなじりを決して、旧自民党的選挙へとまっしぐらとなること間違いありません。

しかし小泉首相が既得権益保持の支持団体を壊滅的に破壊して以前の力はありません。今や世の中は既得権益集団より、声なき浮動票をいかに集めるかに大きく時代は変わっています。しかも自民党守旧派の本流である民主党の小沢代表が大いにその力を発揮して、自民党から離反した既得権益層に食い込んでいます。

小沢民主党は何でもありです。改革阻止のお役人の労働組合や社民党、それに自民党の既得権益層などなりふりかまわず、政策抜きでとにかく「選挙に勝つ」ことに集中しています。国家の安全保障、憲法改正、教育問題など党内でもめる事項はすべて封印して、良い幻想を振りまきながら、水面下での活動に力をそそいでいます。

自民党で絶対的多数の支持を安倍官房長官が得ることと引き替えに、参院選の主導権を旧来自民党に握られて、来年の参院選ははっきり言って自民党敗北が濃厚だと思います。そしてもともと政策や主義主張で安倍政権を支持していないわけですから、あっという間に求心力が消え失せて、わずか10ヶ月でその命を終わらせる展開が私には目にうかびます。

前回述べましたように安倍官房長官ひいきの私としては、総裁選での安倍圧勝はきわめて嬉しくない事態です。党内守旧派と激しく戦って勝利する試練を経ていないだけに、新政権誕生後の問題が山積となりました。誰か素晴らしい参謀がついて欲しいものです。

 靖国問題にたいする読者からのメール 8/25 

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小泉首相が8月15日に参拝したことにかんする藤原通信にはかなり反響があり、メールをいくつも頂きました。その中で「ぽかり」さんのメールはとても新鮮に感じましたので皆さんにご本人の承諾を得て紹介させて頂きます。

「ぽかり」さんのおっしゃっているように、私たち国民の一人一人がメディアに惑わされることなく、しっかりと事実をつかんで自分なりの考えを持つことだと思います。

そして草の根での話し合いもとても大切だと思いました。中国、韓国では、かなり誤解のある情報で満ちあふれ、同時にマスコミを通じてしか知り得ない中国、韓国の意見も、私たち日本人が大きな誤解をしているかも知れません。

−−−−−−紹介開始

いつも楽しく拝見させていただいております。

以前、靖国問題で意見させていただいた事もございました。最近、ちょっと違う考えを持ってきましたので紹介させていただければ、と思います。

「中国、韓国をはじめとするアジアとの外交に 支障がでるから」というお話をよく聞きます。ただ、それは「政治的に」では?と思うのです。つまり、外交官同士の交渉では、そうかも知れませんし、中国や、韓国は、これを「武器」に外交を有利に進めてくるかも知れません。でも、私たち、国民自体は、個々が、しっかりとした意見を言えれば良いのかな?と思うのです。

というのは、仕事がら、若い、アジアの方々とお話する機会が多いのですが、彼らは、彼らなりに、しっかりした情報源(決して、政府の言いなりではなく)を持ち、それに沿った判断をしております。彼らが言うのは「政府はね」という言葉。一般国民と、政府は違うという意味かと感じています。

藤原さんもお気づきのように、この問題は、一筋縄ではいきませんが、話し合える方が目の前にいるのであれば、ゆっくりとお話することで少なくても、部分、部分では、分かり合えると思うのです。

政治に期待するのでは無く、私たち個人が、アジアの方々に説明できるように、しっかりとした事実をつかんで、自分なりの考えを持つことが大事だと思っています。

・・・政府、官を信頼できないことは悲しいことですが・・・

−−−−−−紹介終了

 安倍政権近し 8/23

私は10年ほど前に下関商工会議所副会頭をしていました。(藤原雄一郎はペーンネームで本名ではありません。念のため)下関は安倍晋三と林義郎を中心とする林一族が自民党の地盤を固めていました。商工会議所の会頭も林一族でしたのに、どういうわけか安倍代議士と会うことが多かったと記憶しています。

安倍応援団の重鎮 Kさんは我が社の顧客筋で「安倍君はひよこだけど、藤原さん、暖かい目で大きく育ててね」と会うたびに言われました。そして安倍代議士が我が社を訪問し、話をさせていただいたことも再々ありました。その時の安倍代議士はほんとうに「ひよこ」だという印象でしたが、最近知ったことですが安倍代議士は政治家になって14年といいますから、私のおつきあいのあった時は本当に「ひよこ」だった訳です。

熱烈支援者のKさんも安倍代議士が立派になった時には、あの世に行かれておりました。今頃は「藤原さん私の目に狂いはなかったでしょう」と歓喜の涙を流しておられることでしょう。

前置きが長くなりましたが、そのようなわけで私は安倍さんにどうしても肩入れしてしまいます。そして興味もわくのです。ただ私の疑念は「どうして安倍さんが短時間でこのように立派な存在になったのか」ということでした。そこで最近の著作「美しい国へ」を早速購入し読みました。たぶんゴーストライターがついているのでしょう。とても読みやすい著作ですので是非一読をおすすめします。

冒頭「戦う政治家」と「戦わない政治家」に言及しています。著作から引用すれば「戦う政治家」とは、ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する政治家である。「戦わない政治家」とは「あなたのいうことは正しい」と同調はするももの決して批判のやおもてにたとうとしない政治家である。として拉致問題での実例を示しています。

そして安倍さんは「私は初当選以来、たえず戦う政治家でありたいと願っている。それは闇雲に戦うことではない。国民の声に耳を澄ますことなのである」と述べています。安倍さんは小泉首相と同じく「ぶれない政治家」であることを実感しました。

そして「ひよこ」がなぜ短時間にこのような大きな存在になったのかその謎がわかりました。幼少の頃から祖父である岸信介元首相にかわいがられ、潜在意識下に政治の一番大切なことは何かを遺伝子レベルにたたき込まれていたわけです。ですから政治信条の骨子はすでに安倍さんの中にしっかりと根付いていたことが著作から明らかになりました。

そして素晴らしいのは「確かな国家観」を持っていることです。従来の自民党は田中首相以来媚中派(マスコミの造語)に指導され確かな国家観というより自虐的なものであったと私は思っています。

「日本がどうあるべきか」との考え方がしっかりしていれば、「我が家庭」「我が郷土」そして「我が日本」と一本の力強い筋で結ばれます。その上で、外交、安全保障、福祉、教育といった諸問題の改革を推し進めれば日本は随分良くなると思います。そのあたりを著作ではわかりやすく説明しています。

「ぶれない政治家」「国家に対する考え方に一本筋が通っている政治家」安倍晋三をますます応援したくなりました。しかし安倍晋三も10ヶ月の短期政権になることは確実です。その話は次回に!

 AOKIの敵対的企業買収ならず 8/21

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敵対的企業買収はどうも日本では分が悪い結果になりそうです。今回AOKIは敵対的TOB(株式公開買い付け)を行うことを断念し、フタタはコナカと経営統合することになりました。また王子製紙の北越製紙に対する敵対的企業買収も苦戦を強いられています。

もともと海外でも敵対的企業買収はあまり成功していません。ある日突然、金に物を言わせて無理矢理企業を乗っ取るという行為は誰しも望むものではりません。しかも狙われるのが優良企業であるとなるとなおさらです。

日本の企業は長らくこのようなマネー・ゲームとは無縁でした。それは銀行を中心に、仲の良い企業同士が株の持ち合いで安定株主を形勢していましたから、マネーゲームである日突然乗っ取られることなど無縁の世界にいました。

それが金融ビッグバンをはじめとする「グローバル・スタンダード」なる欧米の陰謀にまんまと乗せられて、一挙に世の中が変わってしまいました。しかし経営陣はその恐ろしい変化に気がつきませんでした。それを否応なく気づかせたのがお騒がせ「ほりえもんと村上世彰」だったのです。その意味では彼らは功労者です。

ある程度「グローバル・スタンダード」を導入しないと欧米から厳しいお仕置きを受けますから仕方がないとしても、日本政府ならびに官僚はもっと勉強して、肝心なポイントは日本企業有利になるように押さえるべきでした。経営の安定のための長期株式保有についてはもっと良く考えて制度を作るべきだったのです。しかし後悔先に立たずです。

王子製紙にしろAOKIの敵対的企業買収にしろ、まともな日本的企業がなりふりかまわず、金にものを言わせて優良企業を手に入れようとするほど状況は厳しくなっていると言うことです。「生き残りのためには何でもする」そのような時代になったのだと思い知らされました。

また優良企業で自分自身は安泰だと思っていても、いつ何時、乗っ取られるかわからない時代になりました。しかもマネーゲームではなく、相手は同じ業界内の企業であることに時代の大きな変化が感じられます。企業経営に専心すると同時に株主対策を怠りなくしなければならない経営者は大変だと思います。

同時に社員も研鑽し、真の実力をつけて、誰が経営者となろうとも光る存在にならなければいけないことを心に銘記しなければならないとしみじみ思いました。

 小泉首相の靖国参拝 8/18

8月15日に小泉首相が靖国参拝を挙行したと新聞・テレビは大騒ぎです。靖国問題の賛否はまさに国論を「真二つ」にする状況を呈しています。ところが私には靖国反対の理由は「中国・韓国が反対しているから」と聞こえてしかたがありません。事実中国は日本のマスコミ、旧田中派など政財界を巻き込んで強烈な反対運動を従来から展開しています。

靖国問題は純粋に国内問題で、他国があれこれいうことではありません。しかし私たち日本人が戦後総括をしていないことも事実です。小泉総理の5年間にわたる靖国騒動で、A級戦犯の分祀問題もクローズアップしています。今が戦後総括のチャンスです。

東条英機は日本国民を塗炭の苦しみに追いやり、敗戦した責任を明確に認め「その罪は万死に値する」と言っています。事実戦争末期には、意味の無い反攻で大部分の兵士を死に追いやったり、神風特攻隊のような戦術で多くの前途有為な若者を死に追いやっています。赤紙一枚で戦地に送られ命を失った多くの兵士は「天皇陛下万歳」「靖国であおう」と叫んで死んでゆきました。

「靖国で会おう」と言って死んで言った多くの兵士たちに私たちは心からの哀悼と感謝の気持ちを捧げなければなりません。天皇陛下のために死んで行ったのですから、本来は天皇陛下はもとより総理も参拝すべきなのです。それをこのような混乱状態に陥れた靖国神社の宮司には怒りを感じます。

宮司の判断により、無謀で無能な意志決定で多くの貴重な人命を失わせた張本人(A級戦犯)が同じ靖国で祀られているのでは、死んで行った多くの兵士は死ぬに死にきれないことでしょう。またそのような戦争責任者が祀られている靖国に参拝するのも誤解を生むことになります。その意味ではA級戦犯を合祀したことは大きな間違いだと思います。

東条英機も認めている「日本の敗北と日本国民を不幸に陥れたのは誰か」の戦争責任を明確にして、日本国の正式見解として公表すべきであると思っています。その上で堂々と総理が靖国に参拝すれば良いのです。

一方、この混乱の解決策として、靖国神社を特殊法人にして、国家が管理する方法も出ていますが、右傾化する日本において、再度「靖国であおう」と若者を戦場に送る道具に使われる可能性があります。財政破綻を平気で行う「国家(官僚と政治家)」は信じられない存在だと考えるべきです。靖国の国家管理だけは避けたいと思います。

ともあれ「靖国で会おう」と言って死んで言った多くの兵士たちに、私たちひとりひとりが心の中で哀悼の意を捧げようではありませんか。

 敵対的企業買収(TOB)が新たな段階に 8/16

ほりえもんのライブドアや村上ファンドで日本中に知れ渡った敵対的企業買収ですが、ほりえもんと村上世彰の違法行為で多くの企業経営者はほっとしたことでしょう。これで日本では強引な敵対的企業買収は一休みと私も思いました。

ところが最近相次いで実業の世界で敵対的企業買収が始まりました。王子製紙による北越製紙の買収と、洋服のAOKIによるフタタの企業買収です。いずれも成熟産業でこれからの伸びが期待できない業界です。特に洋服の業界では2007年に大量の団塊の世代が退職することにより、背広を購入する人が大幅に減少します。

このままでは生き残れないと見た王子製紙と洋服のAOKIが必死になって敵対的企業買収を仕掛けてきました。しかし日本の企業社会では、予想通り反発が強く、両方とも難航しています。

ほりえもんと村上世彰の違法な虚業の世界は別として、IT業界では「時間を金で買う」と割り切った企業買収はきわめて盛んです。ソフトバンクのボーダフォン買収など、比較的スムースです。それが古い企業社会にも波及してきたのでしょう。

ところが古い企業社会ではまだ企業買収には及び腰で、結局無理矢理、力ずくの敵対的企業買収になってしまったようです。しかし日本の企業社会ではこのような力づくの行為はまだまだ相当違和感があるようです。やはり「会社は株主のもの」ではなくて「企業にかかわる多くの人々(ステークスホールダ)のもの」なのですね。

今後状況がますます厳しくなって、いよいよ存亡の危機を迎え、やおら企業合併と言っても遅いですね。日本経済が低迷した大きな原因に「経営陣の意志決定の遅さ」があります。日本企業は優秀ですから、「落ちるところまで落ちて」現実に目覚めれば、回復も早いことが昨今の景気回復にあらわれています。

しかし世の中が大きく変わりつつあることを今回の件で痛感しました。結果を注意深く見たいとおもいます。

 お役人の意識改革はどうすれば良いのか? 8/14 

全国の2300カ所のプールに安全上の問題が判明し、波紋を広げています。このような簡単でしかも人命にかかわる重大事項がこれほどまでに、いいかげんに扱われていたとは信じがたいお役人の仕事ぶりです。しかも文部科学省は適切な指示を出しているのに、全く守られていないということはお役人の業務に対する姿勢(業務品質)に根本的な原因があります。

何度も藤原通信でのべていますように、お役人には首切りがなく倒産の心配もないことが業務品質の荒れる根本原因です。今回のプール事故でずさんさを天下に示した民間業者は今後倒産するかもしれません。しかし本来当然やるべきことを怠って事故を招いたお役人はだれも責任をとらず、のうのうと生き延びることでしょう。

「社会保険庁の言語に絶するいい加減さ」や「大阪市のお手盛り放漫経営」に「逮捕者続出の京都市環境局の規律の乱れ」などお役人のいいかげんさには枚挙のいとまもありません。そこには「業務効率化を拒否する強い労働組合」と「ことなかれ主義のエリート官僚」とのなれ合いもあることでしょう。しかし絶対的な問題は「どのようにいいかげんな仕事をしても天罰が下らない」システムにあります。

民間の「倒産の恐怖」に相当する仕組みをお役人の世界に導入しないかぎり、このような業務品質の荒廃と税金のムダ使いはなくなりません。まことに荒唐無稽ではありますが、同じ業務を「第一市役所」「第二市役所」で競合させることです。そして行政遂行効率が悪いと例えば第一市役所は廃止となり第二市役所が業務を引き継ぐことにすればお役人の意識も随分と変わると思います。

二十一世紀に日本の直面する最大の問題点は「官僚支配からの脱却」です。このあたりでお役人制度を抜本的に改革しなければ日本の将来はありません。何とかして民間の「倒産の恐怖」に相当する仕組みを導入しなければならないのです。

たとえば公営交通機関では「一定の赤字を出せば直ちに民営化」などの指標の導入。大阪ドームをはじめとする破綻処理にあたっては、厳格な責任を追及する仕組み、たとえば民間の株主代表訴訟のように過去にさかのぼって責任を追及する制度などなどあらゆる知恵を絞ってお役人体質からの脱却をはからなければなりません。

このようなお役人の意識改革が成功するまで、増税は一銭たりとも許さないという強い気持ちを私たちはきたるべき参院選で政治家にぶっつけようではありませんか。

 「敗北は最良の教師」のオシムジャパンが初戦快勝 8/11

サッカー・ワールドカップの新しい一歩が踏み出されました。新監督オシムを迎えてサッカー新生日本の出発です。私はオシムを全く知りませんでしたが、監督就任の一連の報道から見るオシムの手法はビジネスに大いに参考になる事例が満ちています。オシムのリーダとしての資質に感心しました。そのいくつかを説明したいと思います。

新しくリーダを引く継ぐ時には就任時点で過去の負の遺産を洗いざらい公開し、全く新しく出発しなければなりません。しかし色々としがらみがあって過去の負の遺産を継承してしまうことが多いのです。

オシムは協会の理不尽な日程立案に猛然と反発しました。今回の試合と他の重要な試合が重複して日本代表の選出に問題が生じました。そこでオシムはメンバ発表を当初13人だけにして、その異常さに世間は沸きました。過去協会と代表監督の確執はたえずありました。オシムは今回の行動で世間に協会の理不尽さを大きくアピールしました。今後協会もオシムの意見を無視できないでしょう。

今回の日本代表メンバには実績のある主力選手はほとんどいません。いづれもフレッシュな若い人たちです。代表監督としての初戦は大切です。今回のように就任から初戦までほとんど時間のない状況では、どうしても現有でのベストメンバを組み、まず一勝してから自分の色に染めあげようとするのが人情です。ところがオシムはそうしませんでした。4年先を見据えたメンバを選択したのです。目先より先を見つめた戦略は経営の基本です。

しかし目先も大切です。オシムの第一戦の前半を見て私は驚きました。敵陣のゴール前に日本選手がわき出てくるのです。そして2点をあげました。オシムが「サッカーは90分間走ることが必須条件」としてその条件にかなう選手を招聘したのです。条件設定の確かさと人を見る目の確かさはビジネスでもとても大切なことです。

試合前たった三日の合宿で「考えて走る」ことを教えつけました。全員がそれそれの持ち場で指示を待つことなく自ら考えてスピーディに行動するとビジネスは見違えるほど良くなります。オシムはたった三日でこの難しいことを選手に植えつけました。そして初戦前半の素晴らしい活躍に結びついたのです。若い人たちのこのような活躍に代表入りを目指すベテランは恐らく恐怖を感じたことでしょう。

しかし日本代表の良かったのは前半の20分程度であとは従来の日本サッカーを見ているような気がしました。試合後オシムは「90分間走れない選手がいる」とご機嫌ななめです。日本代表を目指す選手に強烈なインパクトを与えたと思います。オシムジャパン合格への選考基準をかくも鮮明に打ち出したからです。

指揮官たるもの、自分の考えを単純明快に示すことの大切さをあらためて私たちにオシムは教えてくれました。

初戦をひかえ、私はオシムは負けるだろうと確信していました。「敗北は最良の教師」ととなえるオシムは、私たちに初戦は負けてもしかたないとの強烈なメッセージを13人の代表発表で示したのです。しかし短時間でベストをつくし勝利しました。しかもその勝利に理由が見えたのです。

オシムに対する興味は私の内部で大いに高まりました。今後はサッカーの勝敗よりはオシムのリーダとしての活動をより注意深く学ばせてもらおうと思っています。

 一体どうしたら良いのか社会保険庁の改革 8/9

このほど国民年金の不正免除の問題で社会保険庁が最終報告を公開しましたが、誰しも思うことは「調べれば調べるほど不正が出てくる底なし沼」と言った状況です。体質的に根本的な問題があるのでしょう。

またテレビでしばしば報道されていますが、国民年金を支払っているのに未納になっている現状については、もう組織として存続するのが恥ずかしい状況ではありませんか。たとえば銀行で預金が一銭たりとも行方不明になっていたなら、銀行は信用を失墜し、場合によっては潰れてしまいます。

お役人は責任を取らないくせにメンツを重んじてごまかす。特に社会保険庁の組合は強力で「働かない労働組合」で業務合理化で徹底的に反対した。このような長年の体質の悪さがここにきて一挙に噴出したのでしょう。

さすがに私もこれほどまでに腐敗した組織はどのようにすれば改革出来るのか全く案がありません。お役人特有の保身本能で社会保険庁もやがて「ねんきん事業機構」と名前をかえて生き残り、今回の騒動が人の記憶から遠ざかることを画策しています。

お役人に首切りは出来ませんが、理想的にはこの際、全てを解散し、新たにしっかりした組織で再生することです。一番理解しやすい解決策は保険金の徴収を国税庁にまかせることです。しかしこのような案もなかなか実現することが難しい状況です。

幼い命を奪ったプール事故でのあまりのずさんなお役人の仕事ぶりが白日のもとにさらけだされています。文部科学省が全国のプールの安全性を調査したところ何と1600ものプールが不安全なまま全国で放置されていました。文部科学省が明確に指示を打ち出した「基本中の基本」が全く守られていないのです。

民間企業ならずさんな経営は山ほどあっても、ずさん経営の会社には倒産がまっているという安全弁があります。ところがお役人はいくら仕事をいいかげんにしても組織は盤石ですから歯止めがききません。社会保険庁にしろ、プール問題にしろ、仕事をキチンとしなくても職を失うことがありません。ここに大きな制度上の問題がひそんでいるのです。(もちろん全部が全部このようないいかげんなお役人ではありませんが)

ここは公務員制度自体を一旦解体し、抜本的なでなおしが必要なのです。もちろん最大のガンである「親方日の丸」の労働組合にも鋭いメスを入れなければなりません。

幸い来年は参議院選挙があります。私たちが社会保険庁の問題を根気よく追求し、政治家にプレッシャをかけ続けなければなりません。ただ単に社会保険庁だけでなく、「お役人の責任をとらない体質と無駄使い体質に対する解決がないと増税は一切許せない」との厳しい声をあげる時です。

政治家は選挙の前だけ国民の声を聞き、少しでも実績をあげようとします。来年まで少し時間がありますので、この期間を有効に利用して、声をあげ続けようではありませんか。

 ボクシング亀田疑惑判定でメディアの異常興奮  8/7 

ボクシング世界王者を目指す亀田の疑惑判定でメディアは異常興奮を示しました。「スポーツであるべきボクシングをプロレスや格闘技なみの興行にしてしまった」との大合唱です。なぜこれほどまでに興奮するのか、その背後には視聴率をめぐる嫉妬があると見れば事態は理解できます。

私は亀田なるものを知りませんでした。入院中テレビを見てますとTBSでの亀田の露出度が異常に高く、懸命に盛り上げていました。私自身は亀田の傲慢不遜の態度に嫌悪感を感じていますが、若い女性を中心になかなかの人気だそうです。

TBSはボクシングの視聴率を上げるために6年間にわたり亀田のイメージアップに努めてきました。確かに亀田三兄弟が父親のボクシングに打ち込む姿勢は人並みではありません。「おやじのボクシングが世界に通用することを示す」とのセリフは人の心を打ったようです。しかしそれだけでは人気はでませんので、家族愛に加えて傲慢不遜で自信満々のキャラクタを目立たして、歌手のように人気を上昇させる虚像をTBSは作り上げてきました。

人気があっても弱くてはダメです。そこで金に物を言わせて「弱い相手を選んで亀田の圧倒的な強さを印象つける」ことまでしたと言われています。そして相次ぐKO勝ちで無敵亀田のイメージ作成に成功し、本番の放送では50%ちかい圧倒的な視聴率を勝ち得ました。そして今年の大晦日には防衛戦を設定し、紅白を打ち破る戦略です。視聴率至上主義の他のテレビ局は完全敗北です。

ところが試合をしてみると世界の壁は厚く、無敵のはずの亀田が「誰もが亀田の敗北を確信した」ほどの戦いぶりでした。ところが結果は亀田の勝利でした。そこで喜んだのは他のテレビ局です。「金に物を言わせて神聖なスポーツを冒涜した」との論調で今回の試合の不当性を徹底的に叩くことによって、「視聴率至上主義」のテレビ局がこぞって「視聴率のためにこのような汚いことをやっても良いのか」といわんばかりのはしゃぎぶりです。

見ていて本当に滑稽でした。高い視聴率をあげたTBSに対する嫉妬が見え見えです。そして皮肉なことに年末の防衛戦に対する関心がこれでいやが上にも高まってきました。私のように日頃ボクシングに関心のない人間でも「亀田の本当の実力はどうなんだ」と防衛戦を楽しみにする始末です。

今回の亀田の世界への挑戦は思わぬテレビ局間の場外乱闘でとても面白かったです。

 プール事故に見るお役人と民間との意識の差

プール事故で幼い命を失ったのはまさに人災であり、ご遺族の無念は察してあまりあるものだと強く思います。このようなことは決して発生してはならないことであり怒りを感じます。

私は長年製造業に従事してきました。製造業では実に多くの購買業務があります。そして外注と称する、お役人の世界の民間委託的な業務もあります。民間では、競争入札や色々な工夫で安値を求めます。しかしそこには「要求した内容の業務に見合った金額か」ということが絶えず頭を離れません。すなわち「お金が有効に使われているか」の視点です。

従って発注するとき、また発注したあとも、購入先や外注先の業務品質を絶えず厳しくチェックして、発注先に問題点を発見したら、徹底的に追求し業務品質を守ることが優良企業なら遺伝子にまで浸透しています。

なぜなら「安物買いの銭失い」の失敗で場合によっては企業の存続の危機にまで追い込まれることがあるのです。その点お役人は絶対に責任を取らされず、赤字は税金で補填の思想が抜けていません。ですから「安物買いの銭失い」に対する危機感が希薄です。

今回の事故で市の関係者が「信頼できる業者に委託していたので」と自分には責任がなくあたかも被害者のような発言をしています。しかし今回の事故の元凶は市の関係者ではありませんか。国は多くのプールをかかえる学校を持っているため、結構キチンとした管理要領を通達しています。

民間には恥を知らずモラルを欠いた業者が多数存在しますから、市の関係者は業者に国の管理基準を示して、業者がそれを遂行出来るかのチェックする義務があります。今回のように、発注して業者が丸投げしている事実を知らないとは言語道断です。そして「外部委託しているので、市の関係者が二十四時間ついているわけにも行かない」とも言っていますが、まさに無責任そのものです。

市の役割は「委託先がキチンと仕事を出来る仕組みを持っているか」を定点チェックすればいいことです。国の管理基準を手に、自分の目でチェックすれば今回のズサンな管理はもっと早く発見出来ていたはずです。ここは明確に「お役人が招いた人災」だと今回の事故を総括すべきです。業者バッシングで終わらせてはなりません。

お役人の世界では放漫経営の批判に耐えかねて、しきりに民間に業務委託をしていますが、民間委託には両極端があります。ひとつは業者と癒着して随意契約での高値発注です。もうひとつは「値段さえ安ければ」と内容を十分にチェックしないで発注するケースです。今回の委託がどちらであったかはまだ報道にあらわれていませんのでわかりません。

しかし両方に共通するのは「税金が正しく使われているか」との視点の欠如です。なぜそうなるかと言えばお役人の世界では誰も責任をとらないし、また民間のようにリストラで自分の職場がなくなる恐怖がないことです。

財政難の日本再生には増税の前にお役人体質の改善という難問を解決しなければ、私たちが辛い目に遭うだけとの認識を新たにしました。

 郵政民営化「実施計画の骨格」発表「民業圧迫」の声をあげる前に  8/2

来年10月から民営化される日本郵政の経営計画の土台である「実施計画の骨格」が発表されました。郵便局会社、かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行、郵便事業会社の四つが新しく登場することになります。

とくに、かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行の二つは日本一の大規模な会社となり、その業態を拡大する計画が民間金融機関の大きな反発を招き「民業圧迫」との声があがっています。とんでもない民間金融機関の見識だと思います。

私事で恐縮ですが、6月に入院していました。退屈しのぎに見るのはテレビでしたが、銀行のコマーシャルで怒り心頭に発しました。その内容を紹介します。

ケバケバしい若い女性3人が登場し、支店長とおぼしき男性に「銀行にラウンジがあってはいけないのですか」、すると次の画面でケバケバ娘と支店長がラウンジで談笑。支店長「いいかも」そして画面に花火があがり「銀行は楽しくなくては ○○銀行」というものです。「銀行にラウンジがあってはいけないのですか」が「銀行にカフェがあってはいけないのですか」「銀行に和室があってはいけないのですか」の三パターンが毎日何回も流れます。

いま銀行がしなければいけないことは郵便局と同等のサービスである「ATMの無料開放と営業時間の延長」のはずです。銀行にラウンジやカフェなど作る資金があれば本来やるべきサービスを真っ先にするべきです。金融機関は長年の護送船団経営でいまだに顧客無視が続いています。

郵便局の現状こそまさに民業圧迫そのものです。国民の税金垂れ流しのおかげで定額預金やATMの無料開放が可能になっています。(郵便局に税金は流れていませんが融資先の特殊法人等は放漫経営で巨額の税金を受け取っています。そのおかげで郵便局に高利を支払うことができるのです。)

民営化すればゆうちょ銀行やかんぽ生命保険は従来のようには行きませんので、税金投入にかわる原資を稼ぐための業態拡大は当然のことです。いままで本当の意味の競争がなく、不良債権処理では、私たちが受け取るべき巨額の利息を奪い、顧客に助けられて再生した銀行が、いまこそ顧客に目をむけ、ゆうちょ銀行と対抗して「ATMの無料開放と営業時間の延長」をまず実現すべきです。

貸金庫など平日の午後三時で終了したり、利子をはるかに上回るATM手数料(銀行の重要な収益源になってます)などは罪悪ではありませんか。いまこそ郵政民営化を契機に顧客サービスの激しい企業間競争をして欲しいものです。官僚体質が抜けきらない郵政民営化など恐ろしいことは何もありません。今こそ民の素晴らしさを示す気概を民間金融機関は持つべきです。

ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2006年8月号